不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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『不動産激変 コロナが変えた日本社会』祥伝社新書

不動産プロデューサー牧野知弘氏の新著『不動産激変 コロナが変えた日本社会』祥伝社新書(2020/9/1)を読了。

コロナ禍によるテレワークの流れが一過性で終わるのか、社会に定着していくのか。流れを読み違えるとマンション選びでババをつかむことになりかねない。

朱書きは、筆者コメント。


もくじ

不動産激変 コロナが変えた日本社会

「通勤」のなくなる社会

駅まで5分以内という基準も、さして重要な選択基準とはならなくなるという。

「通勤」のなくなる社会

(前略)ところが大手町の会社まで出かけるのは週1回、あるいは月に2、3回などということになると、これまでの家選びの基準は一変します。大手町に近くても、旧工場地帯にあって、周囲に利便施設が乏しい、環境がある程度整っているのはマンションの敷地内だけであって一歩外に出ると、倉庫やコンテナばかりというところもあります。こうした立地の物件を多額のローンを組んで買うという選択肢は、なくなってきます。一日を過ごすには生活環境として疑問符が付くからです

 駅まで5分以内という基準も、さして重要な選択基準とはならなくなります。駅はたまに行く場所ですから、ひじょうに遠いのは困りますが、徒歩で行ける範囲、あるいはバスや自家用車でのアクセスさえ確保できていれば、それで十分ということになります。(以下略)


(P137/第4章 ライフスタイルが変わる)

18年度の通勤電車混雑度のワースト3はいずれも首都圏の路線だった。

  1. 東京メトロ東西線【木場 →門前仲町】199%(7:50~8:50)
  2. 横須賀線【武蔵小杉 →西大井】197%(7:33~8:33)
  3. 総武線(緩行)【錦糸町 →両国】196%(7:34~8:34)

コロナ禍によりランキングに変動はあるのか。国交省鉄道局からの公表が待たれる。

郊外衛星都市の復権

ポスト・コロナでは最寄りの生活圈に衛星都市があれば、毎日の生活にはあまり事欠かないという考え方。

郊外衛星都市の復権

(前略)こうした衛星都市は、多くは都心まで通勤で1時間を超え1時間半程度はかかるところが多く、都心居住の進展で家選びの基準から徐々に外されてきました。ところが通勤に費やす時間は大幅に減り、生活ファーストを前面に出しての家選びとなると、ポイントは高くなります。

 まずは不動産価格が安いということです。平成バブル期にはこうした衛星都市の不動産価格も高騰しました。横浜のだいぶ奥のほう、たとえば栄区や金沢区、泉区といった住宅地でも1億円を超える物件がごく普通に出回っていましたが、現在は中古物件であれば1000万円台でも手に入ります。都市機能の多くは横浜に揃っていますので、平常時は横浜に遊びに行く生活を堪能できます。同じ神奈川なら相模原や横須賀、藤沢や小田原といった衛星都市を基点に生活構築することが可能となります。

 また千葉なら、船橋や柏、松戸、埼玉なら大宮や浦和、春日部や川越を中心とした生活が送れます。これまでは横浜や船橋から、電車を乗り換えて東京にアクセスしなければならなかったのですが、ポスト・コロナでは最寄りの生活圈にこういった衛星都市があれば、毎日の生活にはあまり事欠かないということになります。(以下略)

(P188/第5章 「街」が変わる)

※2020年の「穴場だと思う街(駅)ランキング関東版」は、3年連続で、1位「北千住」、2位「赤羽」。ポスト・コロナで変動するのか。

住宅マーケットが変わる

地価はそれぞれのエリア、街の住みやすさで決まる時代になるという見立て。

住宅マーケットが変わる

(前略)人々が「密」を避けるようになったからといって、全員が郊外に住むようになるとも限りません。一部の人々は相変わらず都心居住に拘るでしょう。人は都市部における一定の便利さを求めることに変わりはないからです。ただ、人々の欲求によって、選択するエリアがだいぶ多様化するだろうことは容易に予想できます。集中から分散への流れです

 都心部に集中することなく、趣味趣向性から幅広いエリアで家が選ばれるようになれば、地価の形成にも影響が出てきます。都心のブランド立地は、国内外の投資マネーが入ってきますので、大きく下落することはありませんが、地価はそれぞれのエリア、街の住みやすさで決まる時代になるでしょう

これまでのように全員が同じ価値観で行動するのではなく、自然派VS都会派、山派VS海派、山の手派VS下町派、大都市派VS地方都市派など、それぞれの居住の軸が異なる選択が増えてくるでしょう。(以下略)

(P223/第6章 「不動産」が変わる)

※地価が街の住みやすさで決まる時代になるとしたら、羽田新ルートの騒音の影響を受ける松濤1丁目(約71~73dB)、広尾4丁目(約71dB)、代官山町(約74dB)といった高級住宅街はどうなるのか。要注目。

本書の構成

6章構成。全244頁。

第1章 「仕事」が変わる
第2章 「会社」が変わる
第3章 消えるビジネス、伸びるビジネス
第4章 ライフスタイルが変わる
第5章 「街」が変わる
第6章 「不動産」が変わる

不動産激変 コロナが変えた日本社会

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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