森澤恭子品川区長は10月4日、「見守りおむつ定期便」 などに係る記者会見を実施。
3名の質問のうち、1名から区民アンケートに係る質問があったので、整理しておいた。
記者会見、質問者は3名
森澤恭子品川区長は10月14日、「見守りおむつ定期便」 などに係る記者会見を実施。
- 0歳児家庭への「見守りおむつ定期便」について
- 子育て支援情報に係る新アプリの導入について
- 区民アンケートの回答状況について(児童・生徒含む)
- 品川区行政評価の実施状況について
区長による資料の説明(約8分間)のあと、質疑応答(約10分間)が行われた。
3名の質問のうち、最初に区民アンケートに係る質問があった。
- 都政新報社・〇〇記者:区民アンケート
※記者名は聞き取れず - ジャーナリスト寺澤有氏:ヤングケアラ
- 毎日新聞・加藤記者:見守りおむつ定期便
記者会見を知らせる文書には、<「見守りおむつ定期便」 など>となっている(次図)。区民アンケートを目立たせないことで、うるさい記者や羽田新ルートに関心の高い記者が集まるのを防ぎたかったのか………。
区民アンケートに係る区長説明
品川区公式チャンネル「しながわネットTV」(YouTube)に公開されている「令和5年10月4日 森澤区長 記者会見」をもとに、区民アンケートに係る区長説明と質疑応答につきテキストを起こす。
続きまして、先日回答期間が終了しました「区民アンケートの回答状況について」ご説明をいたします。
「区民と共に進める新時代のしながわ」を推進すべく、多様化する価値観やニーズなどを把握し、今後の施策運営に反映していくために実施した、児童生徒および15歳以上の全区民を対象とした区民アンケートですが、9月20日で回答受付を終了いたしました。ご協力いただいた区民の皆さん、ありがとうございました。
ご回答いただいた区民の方は、8万6,537人。これは15歳以上のほうですね。8万6,537人で回答率はおよそ24.2%です。
また、区立小中義務教育学校の児童生徒を対象にした、別途実施をしたアンケートについては、1万2,649人にご回答いただきました。回答率はおよそ55.2%になります。
幸福実感度や羽田新飛行ルート、区政への参画に関することなどに関してご回答をいただいた内容について、これから年代や地域などによるクロス集計を実施するほか、自由記述欄については分析ツール等を活用しまして今後分析をしてまいります。結果の公表は12月頃を予定しています。
来年度の予算編成に反映するほか、羽田新飛行ルートにかかる回答については、結果を分析し、取りまとめ、具体的な解決策を検討するよう国に働きかけを実施していく予定であります。
最期に品川区の行政評価についての(以下、略)
質疑応答
都政新報社:回答率24.2%、この数字の受け止めを伺いたい
すいません、都政新報社の#%△☆(聞き取れず)と申します。
区民アンケートについて2点お伺いしたいのですが、まず1点目が、この速報値ですけど、回答率、15歳以上の全区民の回答率24.2%ということで、個人的には回答率低いかなと思ったんですけど、この数字の受け止めを伺いたいのと――。
あと、このアンケート、最初8月31日までの回答期間だったと思うんですが、9月20日まで期間を延長した理由っていうのを伺えればと思います。お願いします。
区長:できればもっと多くの区民の方に回答をいただきたかった
はい、ありがとうございます。
回答率については、確かに24.2%ということで、できればもっと多くの区民の方に回答をいただきたかったなというのが率直な感想ではあります。区としましては、SNSですとか様々な広報媒体を通じて、そして複数回回答をお願いするということをお願いをしてきたわけなんですけれども、この数値に留まったということで、やはり今後とも、品川区政に皆さんに、区の皆さんに関心を持っていただけるような取り組みというのを引き続き続けていく必要があるなということを改めて感じた次第であります。
2点目の期限を延長した件なんですけれども、やはり今回全区民ということで、かなり多くの方に郵送をするという形になりましたので、郵便局もこう分けて、段階的に発送していたというような事情がございまして、その結果、昨今の郵便事情もございまして、少し到着がやはりズレがございましたので、ちょっと8月31日だと到着してから回答期限までに少し時間が短いというところもありまして、結果として延長をさせていただいた次第であります。
雑感
森澤区長の延長理由、説得力がない
区民アンケートが当初の締め切りの8月末から9月20日まで延長した理由について、森澤区長の説明はかなり苦しい。「段階的に発送していたというような事情」「郵便局の体制もありますので、調整をして分割して発送を3回に分けて発送」「昨今の郵便事情」「到着がやはりズレ」を理由に「回答期限までに少し時間が短い」ということで延長したというのである。
区民アンケート実施まで、かなりの期間があったのだから、いまさら昨今の郵便事情などを理由に締め切りを延長したという説明はあまりにも説得力がない。
実際は、「回答率が低い」とか、「羽田新ルート反対意見が多い」とかが延長理由ではないのか?
じつは区長のこの回答は、前回の記者会見(9月13日)とほとんど同じ。都政新報社の記者には前回の回答を念頭に、もっと突っ込んでほしかった。
〆切20日間延長で回答率増加1%!?
品川区が当初見込んでいた回答率は45%。
9月8日現在の回答状況は約8万4千件・23.4%だったので(品川区議会「23年第3回定例会」都市環境部長発言)、確定値ではないにしても、12日間で増加したのは0.8%(=24.2%-23.4%)。20日間に換算すると、0.8%×20/12=1.3%。
締め切りを20日間延長したのに回答率は1%程度しか増加しなかったのか!?
「適時広報を図ってきた」と苦しい答弁をしていた企画部長の責任は大きい………。
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