森澤恭子品川区長は7月12日、「区民アンケートについて など」に係る記者会見を実施。
区長と記者らの質疑応答を整理しておいた。
※以下長文。時間のない方は「もくじ」と「雑感」をお読みいただければと。
- 記者会見
- 東京新聞（1回目：区民アンケート）
- NHK（1回目：区民アンケート、騒音測定）
- 東京新聞（2回目：騒音測定）
- NHK（2回目：区民アンケート）
- 朝日新聞：教育委員会の委員候補者募集の件
- 東京新聞：ChatGTP
- 雑感（記者からの鋭い質問に期待していたのだが…）
記者会見
記者会見では実際にどのような質疑応答があったのか、簡単に整理しておこう。
森澤区長が資料に沿って下記4項目を説明（約10分）したあと、質疑応答（約21分）に入った。
- 区民アンケートの実施について
- おむつサブスクリプションの本格導入について
- ボルダリング場オープン記念イベントについて
- こどもサッカー場のオープンについて
※「令和5年7月12日 記者会見」の資料（全10枚）のうち、区民アンケートに係る資料（2枚）を次図に示す。
品川区公式チャンネル「しながわネットTV」（YouTube）に公開されている「令和5年7月12日 森澤恭子品川区長 定例記者会見－質疑応答」をもとに、テキストを起こす。
東京新聞（1回目：区民アンケート）
東京：羽田新ルートは10問のうちどれくらい？
東京新聞の※△☆（←聞き取れない）です。
区民アンケートなんですけど、羽田新ルートは10問のうちどれくらい？
区長：4問ですね。
東京：新ルートに係るかどうかでかなり影響というのは違う
こういう方は、新ルートに係るかどうかでかなり影響というのは違うと思うんですけど。
区長：そうですね。
東京：どういうアンケート結果なら国に働きかける？
そうすると、全体の中で被害を受けてるという答えが、割合にすると非常に低くなる可能性もあると思うんですけど、どういう、森澤さんの選挙戦で、アンケートを踏まえて、固定化回避、解決策をということを掲げていらっしゃったと思うんですけど。
どういうアンケート結果なら国に働きかける、どういう場合なら働きかける必要ない、どのように考えてらっしゃるのか教えていただけますか。
区長：結果を持って国に働きかけます
まず最初に、まず前提としては、どういう結果が出たら働きかける・働きかけないってのはなくて、その結果を持って国に働きかけます。
エリア、地域を、皆さんのお住まいの地域を聞きますので、そういったところをクロス集計をすることによって、どういった地域でどういう生活実感も含めて影響とか負担感があるのかということは、それによって浮かび上がるのではないかというふうに思っておりますので。
また、自由回答欄を設けて設けますので、そういったところも含めて全て、何割とかっていうことではなくて、こういった区民の声があるということをしっかり（国に）届けたいというふうに思っています。
NHK（1回目：区民アンケート、騒音測定）
NHK：騒音に関してはどういった測定をされているのか
NHK※△☆（←聞き取れない）です
先ほどの羽田空港新ルートのアンケートの関連ですが、4問ということだったんですけど、具体的にもうその質問項目が決まっていたらお伺いしたいのと。
あと実際、区のほうで騒音に関してはどういった測定をされているのか、その結果については今どういう見方が出ているのかということをお伺いしたいのと。
あと、このアンケートの集計12月ということだったんですけど、国に働きかけるとおっしゃいましたが、住んでいるところでクロス集計するということだったんですけれども、住んでいる地域と結果についてもクロス集計されるということだったんですが、もう少し、例えば具体的に集計方法とか実効性のあるアンケートのされようと思っていると思うので、なんかこういう形で集計したいとかいうのがあれば、もう少し具体的に教えてください。
区長：2か所で騒音測定、その結果は随時ホームページで公表
羽田新飛行ルートに関しましては、どの程度その影響を受けているかということであるとか、どういった面で影響を受けているかというところは選択で、騒音とか振動とかそういったところも含めてお伺いする形。あと、「その他」というのもありますので、もしそこに該当しないと感じられる方はそういったところにご記入いただけるのかなというふうに思っています。
また、自由回答でもご意見をいただくという形になっています。
騒音についてですけれども、国交省のほうも、区内で測定をしていますけれども、区としましても令和2年4月1日新飛行ルートがスタートしてから、台場小学校、立会小学校の2か所で騒音測定をしておりまして、その結果というのは随時ホームページの方で公表をさせていただいております。
現在現時点、騒音測定値というのは令和2年、3年度ともに環境基準に適合しているという形にはなっておりますけれども、やはり今回アンケートで、生活実感、実際区民の方がどう感じられているのかということを具体的にお伺いすることによって、より区民の方がどのように困られているか、そういったことも含めて国に具体的な形でお示ししたいというふうに思っております。
あと、集計方法ですね。
集計方法は、基本的にはやはりエリア等、そういったものでクロス集計を、等をすることを今考えております。
東京新聞（2回目：騒音測定）
東京：（騒音測定結果の公表が遅い）政策の遅れでは？
東京新聞の※△☆（←聞き取れない）です。
今お話のあった騒音の独自の測定なんですけど、最新のものを見ても、品川区さんだと、今年3月が最新のものしか出されてない。港区では、区独自の調査として小学校とか幼稚園に設置している騒音測定器が、もう7月のものまで出てるんですね。そういったタイミングについては、政策の遅れではないんでしょうか。
区長：迅速に公表するようにしていきたい
具体的に、ちょっと、どういうふうに公表の基準をしているのかということは確認しますけれども、迅速に公表するようにしていきたいというふうに思いますし。
あと、令和4年度の集計についても、現在集計中というふうに、年間の、聞いておりますので、調査でき次第公表するという形で進めていきたいというふうには思っております。
東京：港区とかは測ったその値をもうほぼ何日後にも出してる
港区とかは測ったその値をもうほぼ何日後にも出してるんですね。それがなんで取りまとめるという感じになるのだからちょっとよくわからない。
区長：迅速に公表するように、進めていきたい
分かりました。港区さんと、どういう、やり方も含めて、違うのかも含めて、担当のほうにしっかり伝えたいと思います。
迅速に公表するように伝えていきたいと、進めていきたいと思います。
ありがとうございます。
NHK（2回目：区民アンケート）
NHK：区民アンケートの狙い？
今回の、さっきも会見の中でおっしゃったんですけれども、区民アンケートの狙いで、特に公約でもあげられた羽田新ルートの項目を入れたっていうところの狙いを、改めてお伺いしたいんですけれども。
区長：しっかり把握した上で、国に具体的な解決策を働きかけていく
そうですね、これは区長選挙でもお約束をさせていただきましたけれども、やはり羽田飛行ルート、区民の方が、騒音、そういったものについて影響があるというふうな形がありますので、実際にもちろん今までも区民の方から様々なお声はいただいているんですけれども、具体的に、やはり地域ですとか、そういったところで感じ方、影響というのは違うというふうに思いますので、そういったことをしっかりと把握した上で、そして国の方に具体的な解決策を働きかけていく、そういった趣旨で、今回区民アンケートという形で行う。目的としては、そういった形になります。
朝日新聞：教育委員会の委員候補者募集の件
朝日：教育委員募集、どのくらい募集が来てるのか？
朝日新聞、※△☆（←聞き取れない）です。よろしくお願いします。
今日の内容でなくて恐縮なんですが、前回の会見で、教育委員会の教育委員を募集するということで、明日が締切なんだろうと思うんですが、今の段階でどのくらい募集が来てるのか、結構来てるのか、それとも実は全然来てませんでしたとか、なんかちょっと今の段階で分かれば教えてください。
区長：一定の応募が来ている
一定の応募が来ているというふうに、いま理解しております。
朝日：感想？
ちょっとそのことを踏まえて、それなりに（応募が）来ているということのご感想というのは今の段階で、ちょっと教えてください。
区長：（応募者がいることは）本当にありがたい
そうですね、あのやはり保護者の方の意見や視点っていうのを品川区の教育に反映させるということは重要だというふうに思っておりますので、そういった関心を持って、まず（関心を）いただいて、そしてやって、やってみようと思ってくださる方がいるということは、本当にありがたいと思いますし、そういった方とともに、保護者の方の意見等、多様な意見等、しっかりと反映させながら、開かれた教育行政、そういったものを行っていきたいなというふうに思います。
朝日：ありがとうございました。
東京新聞：ChatGTP
東京：ChatGTP導入、検討状況？
自治体でもChatGTPを導入するところがあるんで、区議会も（不明瞭）、品川区としてそのあたりの検討はどういう状況なのか教えていただければと思います。
区長：他の自治体の事例も研究しながら今検討している
今現状としては担当、情報推進課になりますけども、どういった形で活用ができるのかということを他の自治体の事例も研究しながら今検討しているというような状況ではあります。
雑感（記者からの鋭い質問に期待していたのだが…）
羽田新ルートに係る区民アンケートは、賛否を問わないだけでなく、「幸福実感度や地域愛着度」や「区政に関するご意見」を混ぜることで、羽田新ルートに係る質問は10問中4問にまで薄められてしまっている。
区民アンケート案として7月4日に開催された総務委員会で審議済み（品川区民アンケート（案）が明らかに！総務委員会（7月4日））。区民アンケート案は修正されることなく、8日後に開かれた今回の品川区長記者会見で説明される運びとなった。
記者会見は予定されていた40分（10:00～10:40）より、大幅に少ない21分（説明10分＋質疑11分）で終了。記者からの鋭い質問に期待していたのだが、全くの期待外れであった。森澤区長は胸をなでおろしているのではないか。
東京新聞の記者は頑張っていたが、突っ込み不足。
NHKの記者はヨイショ質問。鋭い質問をする気が見られない。当日の14時14分に配信されたネット記事「品川区 羽田空港新飛行ルート 住民アンケート実施へ」は、記者会見に出席する前にあらかた書き上がっていたとも思えるような浅い内容であった。
朝日新聞の記者に至っては、羽田新ルートに係る質問をせずに、本日の説明対象の4項目にさえ入っていない「教育委員会委員候補者を公募」の質問をしていた。
頼りのフリーランス記者からは質問なし。参加していなかったのか……。
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