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羽田新ルート「第4回 固定化回避検討会の内容等の資料(チラシ)」ポスティング

国交省は21年9月から10月にかけて「第4回 固定化回避検討会の内容等の資料(チラシ)」を関係地域にポスティングするという。
配布されるチラシは各自治体とも各2枚(チラシでは表面と裏面)で構成されているのだが、記載内容は微妙に違っている。


もくじ

「第4回 固定化回避検討会の内容等の資料(チラシ)」ポスティング

国交省は9月10日夕刻、「第4回 固定化回避検討会の内容等の資料(チラシ)」を公表。21年9月から10月にかけて関係地域にポスティングするという。

ただし、埼玉県版については、ポスティングではなく、県内の新飛行経路下の各市役所などで配布される(配布時期:2021年9月下旬~)。

経費節減の観点から埼玉県全域にポスティングする必要はないが、悪天時に飛行高度が低くなり(約900m)(次図)、練馬・中野区並みの影響を受けるさいたま市の一部(浦和区、南区、桜区)、朝霞市の東側、和光市の住戸にポスティングしなくていいのかという点は気になるところである。

南風時の新経路案(埼玉県内の飛行高度と騒音)
羽田新ルート|埼玉県民にも騒音が降り注ぐ」より

 

本件チラシについては、「新飛行経路の運用状況|羽田空港のこれから」に自治体ごとの資料として公開されている(次図)。

自治体ごとの資料として公開

配布地域によるチラシの違い

配布されるチラシは各自治体とも各2枚(チラシでは表面と裏面)で構成されているのだが、記載内容は微妙に違っている。次表のように2種類に大別できる(到着ルート版、出発ルート版)。

配布地域によるチラシの違い

 

具体的にチラシのどこが違うのか。その違いをザックリ可視化したのが次図、次々図。

全地域に共通している部分が全体の半分、地域上空を通過する到着ルート・出発ルートの違いによる部分が4分の1、残りの4分の1が地域別(騒音データと航跡図)。

(オモテ面)

チラシ(表)

(裏面)

チラシ(裏)

以下、違っている部分を中心に解説する。

冒頭の文章

到着ルート版(次図)にあって出発ルート版(次々図)にないのは、<地域の皆さまのご意見・ご要望を踏まえて立ち上げた>固定化回避検討会という文言。

固定化回避検討会が立ち上がったのは、品川・港区などの到着ルート下の住民の影響であって、江戸川区や川崎市などの出発ルート下の住民は関係ないとでも言いたいのだろうか。

冒頭の文章_到着ルート版

日頃より、羽田空港の機能強化に伴う、新飛行経路の運用にご協力いただきありがとうございます。

このチラシでは、地域の皆さまのご意見・ご要望を踏まえて立ち上げた固定化回避検討会の内容や、2020年冬ダイヤの運用実績を基にした騒音の状況などをお知らせします。

 

冒頭の文章_出発ルート版

日頃より、羽田空港の機能強化に伴う、新飛行経路の運用にご協力いただきありがとうございます。

このチラシでは、固定化回避検討会の内容や2020年冬ダイヤの運用実績を基にした騒音の状況などをお知らせします。

 

さらに付け加えると、品川区民用のチラシでは上々図のように「地域の皆さまのご意見・ご要望を踏まえて立ち上げた固定化回避検討会の内容」が朱書きになっているのだが、それ以外の12区・県のチラシでは朱書きになっていない(次図)。

国交省はよほど品川区民にアピールしたかったのか、あるいは同区から衆院選で立候補する予定の公明党現職に忖度したのか……。

冒頭の文章(港区の到着ルート版)

飛行方式

到着ルート版と出発ルート版とでは、記載内容がまったく違っている。

到着ルート版では、2つの飛行方式が選定されたとして、「羽田空港への導入に必要な取組の実施に要する期間が比較的短く、かつ、騒音軽減効果の大きい」ことが謳われている(次図)。

これを読んだ市民は、固定化回避によってすぐにでも騒音軽減が実現すると受け取るのではないだろうか。

飛行方式_到着ルート版

第4回「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」が開催され、2つの飛行方式が選定されました。

羽田空港への導入に必要な取組の実施に要する期間が比較的短く、かつ、騒音軽減効果の大きい2つの飛行方式を選定しました。

 

出発ルート版では、到着ルート版にはなかった、出発経路の騒音軽減方策が記載されている(次図)。ぼーっと読んでいると、出発ルートは固定化回避の検討外であることには気が付かない。

飛行方式_出発ルート版

第4回「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」が開催され、出発経路の方策の整理、到着経路の2つの飛行方式の選定が行われました。

  • 出発経路の騒音軽減方策を整理しました
  • 到着経路の新たな飛行方式を選定しました
安全運用

到着ルート版と出発ルート版とでは、記載内容がまったく違っている。

到着ルート版では、パイロットと意見交換を行ったこと、パイロットからは「安全上問題なく運航できている」「南西強風時には従来ルートを使用する(略)」など安全面に問題がない旨が記されている(次図)。

安全運用(到着ルート)

実際に運航したパイロットと意見交換を行い、安全に運用されていることを確認しております。

パイロットからは右記のような意見がありました

  • 安全上問題なく運航できている
  • 南西強風時には従来経路を使用するなど、気象状況を考慮した対応が必要

新飛行経路については、航空機が安全に運航できるよう、その運用開始時より、南西強風時に従来経路を運用する場合もあるなど、状況に応じた運用を行っております。今後も引き続き、新飛行経路を運航したパイロットと意見交換を行い、安全運航に役立てていきます。

 

出発ルート版では、到着ルート版と異なり、パイロットにヒアリングした内容は記されていない(次図)。

安全運用(出発ルート)

航空会社にヒアリングを行ったところ、安全性に関する問題の報告はありませんでした。
今後も引き続き、航空会社やパイロットにヒアリングを行い、安全運航に役立てていきます。

まとめ

  • 国交省は21年9月から10月にかけて「第4回 固定化回避検討会の内容等の資料(チラシ)」を関係地域にポスティングするという(埼玉県版については、ポスティングではなく、県内の新飛行経路下の各市役所などで配布される)。
  • 配布されるチラシは各自治体とも各2枚(チラシでは表面と裏面)で構成されているのだが、記載内容は微妙に違っている。
  • 冒頭の文章で、到着ルート版にあって出発ルート版にないのは、<地域の皆さまのご意見・ご要望を踏まえて立ち上げた>固定化回避検討会という文言。
    固定化回避検討会が立ち上がったのは、品川・港区などの到着ルート下の住民の影響であって、江戸川区や川崎市などの出発ルート下の住民は関係ないとでも言いたいのだろうか。
  • 飛行方式では、到着ルート版と出発ルート版とでは、記載内容がまったく違っている。到着ルート版では、2つの飛行方式が選定されたとして、「羽田空港への導入に必要な取組の実施に要する期間が比較的短く、かつ、騒音軽減効果の大きい」ことが謳われている。
    これを読んだ市民は、固定化回避によってすぐにでも騒音軽減が実現すると受け取るのではないだろうか。

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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