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羽田新ルート|8月9日、何が起きていたのか?

東京都が平日の毎日公表している羽田新ルートに係る騒音モニタリングの測定結果をチェックしていて、妙なことに気がついた。8月9日は「南風時」とされているのに騒音値の記載がないのである。

このような事象は、都心が厚い雨雲に覆われて7月30日にも発生していた(羽田新ルート|7月30日、何が起きていたのか? )。

8月9日は台風9号から変わった低気圧の影響で暴風を受けての事象なのであろう。

備忘録として以下に整理しておいた。


もくじ

都の騒音モニタリング結果、8月9日に騒音値の記載がない

東京都が平日の毎日公表している羽田新ルートに係る騒音モニタリングの測定結果をチェックしていて、妙なことに気がついた。

8月9日は「南風時」とされているのに騒音値の記載がない(次図)。

8月9日は「南風時」とされているのに騒音値の記載がない

台風9号から変わった低気圧の影響、羽田風速15m超

気象庁のホームページで8月9日の羽田の気象状況を確認してみた。

羽田新ルートの運用時間帯である15時から18時にかけて、15m/sを超える南南西の風が吹いていたことが分かる(次図)。

羽田の8月9日気象状況|気象庁
羽田の8月9日気象状況|気象庁

念のために、日本気象協会のホームページをひも解いてみたら、台風9号から変わった低気圧の影響が報じられていた。

西日本を中心に暴風 観測史上1位の値を更新した所も

台風9号から変わった低気圧の影響で、西日本を中心に最大瞬間風速が30メートルを超えるような暴風が吹いている所が複数あります。
(中略)
低気圧から離れている関東も風が強く、横浜市は最大瞬間風速27.0メートル、東京都心では21.2メートルを観測しています。都心で最大瞬間風速が20メートルを超えるのは今年の3月3日以来のことです。(以下略)
(日本気象協会 8月9日)

日本気象協会8月9日18:21) 

8月9日は南風なのに羽田新ルートが使われていなかった

国交省が運営しているサイト「羽田空港飛行コース」で公開されている8月9日の航跡図をチェックしてみた。

15時から19時まで、1時間ごとの航跡図を見てみると、いずれも羽田新ルートが使われていなかったことが確認できる(次図)。

また、17時台には2機がゴーアラウンドを実施した様子が見て取れる。

8月9日の航跡図

8月9日の航跡図2

8月9日の航跡図3

8月9日の航跡図4

 

ゴーアラウンド(GA)した2機は次の通り(図も参照)。

  • 16:36頃GA:JAL586 函館発、中型機(ボーイング767-300ER)
  • 17:10頃GA:JAL542 釧路発、中型機(ボーイング767-300ER)

ゴーアラウンドの航跡図1
ゴーアラウンドの航跡図2

 

「羽田空港飛行コース」で公開されている「過去の運用状況」データをひも解いてみると、14:02から18:00は「ILS RWY22/ILS Z RWY23 LDG RWY 22/23 DEP RWY 16L」で運用されていたことが確認できる。

何を意味しているのか分からない人のために、可視化したのが次図。

簡単に言えば、8月9日は南風時の運用ではあったものの、羽田新ルートを使わない従来ルートで運用がされていたということだ。羽田新ルートに対して南南西の強い横風が吹いていたので、羽田新ルートの悪天時運用ができなかったということなのではないか。

運用状況の区分(南風時)と8月9日運用実績
運用状況の区分|国交省」を元に筆者作成

なんだ、7月30日と同様、南風が吹いていても羽田新ルートを使わなくて従来ルートで対応できるじゃないかという話……。

【追記】ICAOによる横風制限

※追記8月13日

ブログ読者の方から、横風成分時速20kt(≒秒速10m/s)超えると、離発着に適さないとの記載がICAO annex14に明文化されている旨のツイートが流れてきたので、調べてみた。

ICAO(国際民間航空機関)の基礎となる国際民間航空条約のAnnex(附属書)は、1から19まであり、annex14は学術研究を共有するためのプラットフォームAcademiaで第8版(2018年7月)を閲覧することができる(次図)。

ICAO annex14

 

具体的には、P3-1に次のように記されている。

最大許容横風成分の選択

※機械翻訳

3.1.3 最大許容横風成分の選択

推奨事項。— 3.1.1の適用では、横風成分が以下を超える場合、通常の状況では、飛行機の着陸または離陸が排除されると想定する必要があります

  • 基準フィールド長が1500m以上の飛行機の場合、37km/h(20kt)。ただし、一定の周波数で縦方向の摩擦係数が不十分なために滑走路のブレーキ動作が不十分な場合を除き、横風成分は24 km/h(13kt)を想定する必要があります。
  • — 基準フィールドの長さが1200m以上1500m以下の飛行機の場合は24km/h(13kt)。
  • — 基準フィールドの長さが1200 m未満の飛行機の場合、19 km/h(10kt)。

注-別紙Aのセクション1では、ユーザビリティ係数の見積もりの​​計算に影響を与える要因と、異常な状況の影響を考慮に入れる必要がある可能性のある許容値についてのガイダンスが示されています。

たしかに滑走路の長さが1500m以上の場合には(羽田A・C滑走路の長さは3000m)、横風成分が20kt(≒秒速10m/s)を超える離着陸は適さないとされている。

横風成分が秒速10m/sを超えるようなときは、羽田新ルートは安全面から運用しにくいので従来ルートが使われるということになるのであろう。

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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