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新型コロナの影響?マン管業者への是正指導率、4割から3割に急減

国土交通省は7月30日「マンション管理業者への全国一斉立入検査結果(令和2年度)」を公表。
過去データを含めて可視化してみると、マンション管理業者への是正指導率は13年度以降4割程度で推移していたが、20年度は31.8%に急減。


もくじ

マン管業者への是正指導率、4割から3割に急減

「マンション管理業者への全国一斉立入検査結果(令和2年度)」文書を開いてみると、27社に是正指導を行ったことが記されている。

2.検査結果

今回の検査では、昨年度に引き続き、管理業務主任者の設置、重要事項の説明等、契約の成立時の書面の交付、財産の分別管理及び管理事務の報告の5つの重要項目を中心に、全国85社(昨年度145社)に対して立入検査を行い、27社(昨年度61社)に対して是正指導を行いました。

(以下略)

 

この調査は05年度から毎年実施されている。過去のデータを含めて可視化してみた。

マンション管理業者への是正指導率は13年度以降4割程度で推移していたが、20年度は31.8%に急減(次図)。

マンション管理業者の全国一斉立入検査結果(調査対象数と是正指導率の推移)

 

是正指導された内訳を見ると、「重要事項の説明等」は10年度をピークに減少しているように見えなくもない(次図)。

マンション管理業者の全国一斉立入検査結果(是正指導の内訳)

なぜ是正指導率は4割から3割に急減したのか

なぜ、20年度の是正指導率はこれまでの4割から3割に急減したのか?

「マンション管理業者の全国一斉立入検査結果(令和2年度)概要」によれば、「新型コロナウイルス感染症の影響もあり、例年に比べて立入検査実施件数が減少」したという。

国土交通省の各地方整備局及び北海道開発局並びに内閣府沖縄総合事務局において、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、例年に比べて立入検査実施件数が減少しましたが、全国のマンション管理業者のうち85社に対し、令和2年10月から概ね3ヶ月の間に事務所等への立入検査を実施しました。

 

20年度の是正指導率がこれまでの4割から3割に急減した理由として考えられるのは次の二つ。

ひとつは新型コロナ感染拡大の影響で十分な調査ができず、不具合か所を見つけ出せなかったため。もう一つは、これまでの国交省の指導などが功を奏したため。

筆者は、前者の可能性が高いと考えている。なぜならば、国交省は過去3年(18~20年度)、「一般社団法人マンション管理業協会 理事長 」宛に完コピの要請文書を発信していたからである(3年連続完コピ対策で改善する気なし!?)。

 

昨年7月1日付で土地・建設産業局が再編されて「不動産・建設経済局」が誕生。「一般社団法人マンション管理業協会 理事長 」宛の要請文書の発信名義はこれまでの「土地・建設産業局不動産業課長」から新設された「不動産・建設経済局参事官」に変ったが、昨年度と今年度の発信文書の記載内容を比較してみると変わったのは2か所だけ(下記朱書き)。

令和2年7月27日(国不参第5号)

マンション管理業の適正化について(要請)

  • (前略)マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「適正化法」という。)の各条項に対する理解不足が依然として見られるところである。(以下略)

令和3年7月30日(国不参第49号)

マンション管理業の適正化について(要請)

  • (前略)一部のマンション管理業者においてマンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「適正化法」という。)の各条項に対する理解不足が見られるところである。(以下略)

法律に対する理解不足が「依然として見られる」と「一部のマンション管理業者」との違いに、国交省の改善努力を見出すことは困難だ。組織の改編が行われても、中身は伴っていないのではないか。

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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