女優の今田美桜が表紙を飾る『週刊 女性自身』8月10日号。
「五輪のため強行の羽田新ルート 上皇ご夫妻へ配慮ゼロ」が気になったので購入(税込み440円)。
週刊 女性自身の公文書開示請求で判明
邸内の庭を散策される上皇ご夫妻の写真の上に「騒音、落下物の危険も…上皇ご夫妻へ配慮ゼロ」の大見出しが躍る(写真)。
『週刊 女性自身』8月10日号 P49
小見出しには、「本誌の公文書開示請求で判明」と記されている。
18年1月まで国交省と宮内庁は羽田新ルートが上皇ご夫妻の仮住まい上空を通過する件につき協議していなかったことが判明したという。
(前略)本誌の公文書開示請求で、新ルートを管轄する国土交通省と宮内庁のやり取りが明らかになった。
驚くべきは、両省庁がやりとりを行った時期だ。国交省が首都圏上空を飛ぶ新ルート案を示したのは14年6月。退位後の上皇陛下の仮住まいにルート下の高輪皇族邸が内定したのは17年11月だ。
だが、皇室財産を管理する宮内庁の「管理部」が作成した文書によると、国交省の担当者が宮内庁を訪問して説明を行ったのは18年1月16日。きっかけは月刊誌『選択』の18年1月号が「天皇退位後の仮住まいの上空を『羽田新ルー卜』が通過する危険性」という記事を掲載したことだった。
つまり、上皇ご夫妻がさらされることになる騒音や落下物の危険性について、記事で問題とされるまで、両省庁は協議を行っていなかったのだ。(以下略)
宮内庁には事後承諾!?
上記の記事を時系列に整理したのが次表。
上皇ご夫妻の仮住まいに高輪皇族邸が内定してから2か月前後で国交省は宮内庁に説明したことになるのだが、問題は事後承諾的なタイミングであったことだ。
宮内庁幹部は19年5月、「皇族邸が羽田新ルートの下にあることは承知している。上皇ご夫妻にはお伝えし、ご理解をいただいた」と毎日新聞が報じていた。
羽田新空路下に上皇仮御所 都心通過、騒音懸念
(前略)新ルートでは並行する2本の滑走路に進入する航空機の衝突を防ぐため、機体に電波を発射し直線経路での降下を指示する計器着陸装置(ILS)を用いる。このため、国交省首都圏空港課は「地上にどんな施設があろうが、ルートの変更はできない」としている。
宮内庁幹部は「皇族邸が羽田新ルートの下にあることは承知している。上皇ご夫妻にはお伝えし、ご理解をいただいた」と話している。
(東京新聞 19年5月13日)
国交省から事後的に知らされた宮内庁としては「承知している」と答えざるを得なかったのであろう。
皇后ご夫妻の仮住まい、74から76dBの騒音が降り注ぐ
皇后ご夫妻が仮住まいされている仙洞仮御所(高輪皇族邸)は、C滑走路到着ルート直下。
南風時(年間4割)15~19時のうち3時間、1時間当たり30回(2分ごと)の頻度で飛行機が通過する。飛行機が600mから450mに高度を下げてくる地域なので、大型機だと、74から76dBの騒音が降り注ぐ。(次図)。
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