2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、羽田空港の国際線発着回数を増やすため、都心上空を飛行する羽田新ルート計画。
上皇・上皇后が仮住まいされる仙洞仮御所(高輪皇族邸)の真上を羽田新ルートが設定されているという事態をどれだけの人が知っているのか。
忖度メディアが報じないなかで、東京新聞と保守系メディア「チャンネル桜」が報じたので記事化しておいた。
宮内庁「上皇ご夫妻には、ご理解をいただいた」(東京新聞)
国交省は「地上にどんな施設があろうが、ルートの変更はできない」、宮内庁幹部は「上皇ご夫妻にはお伝えし、ご理解をいただいた」という。
羽田新空路下に上皇仮御所 都心通過、騒音懸念
(前略)新ルートでは並行する2本の滑走路に進入する航空機の衝突を防ぐため、機体に電波を発射し直線経路での降下を指示する計器着陸装置(ILS)を用いる。このため、国交省首都圏空港課は「地上にどんな施設があろうが、ルートの変更はできない」としている。
宮内庁幹部は「皇族邸が羽田新ルートの下にあることは承知している。上皇ご夫妻にはお伝えし、ご理解をいただいた」と話している。
(東京新聞 5月13日)
忖度メディアが報じないなかで、なぜ東京新聞だけがこのニュースを報じたのか。全国5紙(朝日、読売、毎日、日経、産経)は「東京2020オリンピックオフィシャルパートナー」だが、東京新聞は同パートナーではないことが理由の一つだ、と筆者は考えている(羽田新ルート|全国紙は適切に報じているか)。
羽田新ルート、上皇仮御所の真上を通過(チャンネル桜)
上皇ご夫妻から「ご理解をいただいた」と報じられては、保守系勢力は、この不敬なルート設定に表立って反対できなくなるのではないのか、と思っていたら必ずしもそうでもないようだ。
保守系メディア「チャンネル桜」は5月15日20時から、「羽田新ルート、上皇仮御所の真上を通過」をテーマに約18分放送した。
キャスターsaya氏のコメントが熱い。
saya氏
羽田をどうハブ化していくかとか、それからオリンピックだからとかっていう、増便しなきゃいけないとかっていう、そういう理由だけで、しかも横田区域にかなり慮るようなかたちで。
ホントは天皇陛下、日本の象徴であり、日本国民の統合の証なわけですから、それを守るために安全保障があり、そしてその安全保障のために、今は仕方なく横田空域というものを受け入れているわけじゃないですか。
でも、その横田空域のために上皇ご夫妻のお住まいの上を常に危険な――、テロとかあったらどうすんだろうとか、まぁいろいろ考えてしまうんですけど。本当に本末転倒じゃないかなと思ってしまうんですよね。
詳しくは、YouTube動画(18分)。
↓ 削除された模様(20年5月30日追記)
羽田新ルート、上皇仮御所の真上を通過 - YouTube