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羽田新ルート|令和3年版「首都圏白書」、「丁寧な情報提供が行われている」と自己認定

国交省は6月15日、令和3年版「首都圏白書」(令和2年度首都圏整備に関する年次報告)を公表。

令和3年版「首都圏白書」(令和2年度首都圏整備に関する年次報告)


同白書のなかで、羽田新ルートついて若干触れられているので、令和元年版以降の変化を確認してみた。


もくじ

令和元年版:住民の方々に理解を得られるよう努めていく

令和元年版が公表されたのは19年6月25日。都内13区で地域説明会が開催されていた時期(18年12月20日~19年6月19日)であることが影響したのか、「丁寧な情報提供に努めている」と「住民の方々に理解を得られるよう努めていくこと」が記されている。

② 東京国際空港(羽田空港)の整備

 羽田空港は、我が国の国内線の基幹空港として、年間約8,489万人(平成30(2018)年)が利用している。
 羽田空港においては、現在、訪日外国人旅行者の受入拡大や我が国の国際競争力の強化を主眼として、飛行経路の見直し等により、令和2(2020)年までに発着容量を約4万回拡大する機能強化に取り組んでおり、必要となる航空保安施設や誘導路等の施設整備、騒音・落下物対策等を進めるとともに、5巡目となる住民説明会を開催する等、丁寧な情報提供に努めているところである。引き続き、こうした対策や情報提供に着実に取り組み、住民の方々に理解を得られるよう努めていくこととしている。(以下略)

(P86/平成30年度首都圏整備に関する年次報告)

令和2年版:住民の理解が削除された

令和2年版が公表されたのは20年6月25日。前年度と同様「丁寧な情報提供に努めて」は記載されている。でも、住民の理解が前提とされていた羽田新ルートの運用が20年3月29日に開始されたからなのか、前年度にあった「住民の方々に理解を得られるよう努めていくこと」は削除されている。「住民(地元)の理解は得られた」という国交大臣の発言(19年8月8日)と整合している。

②東京国際空港(羽田空港)の整備

 羽田空港は、我が国の国内線の基幹空港として、年間約8,532万人(令和元(2019)年)が利用している。
 羽田空港においては、訪日外国人旅行者の受入拡大や我が国の国際競争力の強化を主眼として、令和2(2020)年3月29日から新飛行経路の運用を開始し、国際線の年間発着容量を約4万回拡大した。新飛行経路の運用にあたっては、騒音・落下物対策を着実に実施するとともに引き続き丁寧な情報提供に努めていくこととしている。(以下略)

(P80/令和元年度首都圏整備に関する年次報告)

令和3年版:「丁寧な情報提供が行われている」と自己認定

令和3年版が公表されたのは21年6月15日。羽田新ルートの運用が開始されてから1年2か月余りが経過している。新型コロナ感染の影響で年間旅客数が落ち込んだことは認めているが、新ルートを強行し続ける理由は記載されていない。

また、3年続けて記載されている「丁寧な情報提供」は努力目標ではなく、今回は「丁寧な情報提供が行われている」と自己認定しているのだが、事実認定するのは国ではなく国民であろう。

あと、固定化回避の検討会での見直しは「現在の滑走路の使い方を前提とした上で」とわざわざ記載されている。見直しの検討はするけれど結果的に、新宿や品川上空を飛行することになった場合の逃げを打っているのは、さすが国交省である。

②羽田空港の整備

 羽田空港は、我が国の国内線の基幹空港であり、令和2(2020)年の年間旅客数は新型感染症の影響により3,097万人に落ち込んだが、令和元(2019)年までは増加傾向にあり、同年には8,692万人が利用した(図表2-4-1)。

羽田空港においては、我が国の国際競争力の強化を主眼として、令和2(2020)年3月29日から新飛行経路の運用が開始され、国際線の年間発着容量が約4万回拡大された。新飛行経路の運用開始後は、騒音対策・安全対策や、丁寧な情報提供が行われているほか、関係自治体等から騒音軽減や新飛行経路の固定化回避に関する要望があることを踏まえ、令和2(2020)年6月に「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」が設置されている。検討会では、現在の滑走路の使い方を前提とした上で、騒音軽減等の観点から見直しが可能な方策がないかについて、最近の航空管制や航空機器の技術革新を踏まえ、技術的観点から検討が行われている。(以下略)

(P97-98/令2年度首都圏整備に関する年次報告)

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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