三菱UFJリサーチ&コンサルティングは5月31日、マンション総合管理受託戸数ランキング6位の大和ライフネクストとの共同研究による調査結果「タワーマンションの管理データから紐解く住まいの実態や維持管理上の課題」を公表。
大和ライフネクストが管理を受託する分譲マンション全4,382棟(21年1月時点)のうち、タワーマンション95棟が調査対象。
読者が興味を引きそうなところを2か所ピックアップしておいた。図表も付いてとても読みやすいので、タワマンの購入を検討されている方には一読することをおススメしたい。
賃貸率、40階未満25%前後、40階以上4割
調査結果の4頁にタワーマンションの階数別に住居用・賃貸用の戸数と割合が掲載されている。
賃貸率は40階未満では25%前後、40階以上では約4割となっている(次図)。
- 一般的に上階ほど高額であることから、高層階は居住用、低層階は賃貸用(非居住)であると考えられがちであるが、階高別の居住・非居住の区分には顕著な差はみられなかった。
- むしろ、40階未満では、非居住率は概ね25%前後となっているが、40階以上のマンションでは4割近くとなっている。
出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)及び大和ライフネクスト(株)
タワマン購入を検討している方へのメッセージ
「3.まとめ」にタワーマンションの購入を検討している方へのメッセージとして、通常のマンションとの違いやライフプランとの適合性に留意することを求めている。
- タワーマンションは、快適に暮らせる住まいとして人気が高いが、通常のファミリータイプのマンションとは異なる点を十分に理解しておく必要がある。
(省略)- 購入を検討しているマンションの災害リスクについて十分に理解し、災害発生時の行動を確認しておく必要がある。
(省略)- 購入を検討しているマンションに永住することを前提とする場合には、高齢となっても住み続けるという観点から、将来にわたり月々の管理費等の支払いが可能か(経年化に伴い月々の修繕積立金の支払い負担が増える可能性がある)、また、管理組合としての意思決定や運営に参加し、管理組合の決定に従うことができるかなど、自らのライフプランとの適合性を検討しておくことが望ましい。
出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)及び大和ライフネクスト(株)
調査結果の構成
調査結果は25ページ、次の4項目で構成されている。
0.調査の背景・概要
1.管理データからみたタワーマンションの実像
(1)居住目的での所有だけではない?
(2)店舗や公共施設が近く、共用部分も豪華?管理費が割高?
(3)収益事業に積極的?
(4)水害への備えが盲点?
(5)修繕積立金は高い?将来への備えは?
(6)大規模修繕工事は大変?
2.総会の議事録からみたタワーマンション管理組合の運営の実像(1)各期の議事内容の分析
(2)管理組合運営で課題と考えられること
3.まとめ(1)居住者・管理組合に向けたメッセージ
(2)タワーマンションの購入を検討している方へのメッセージ
(3)国・自治体のマンション政策として対応が必要な事項出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)及び大和ライフネクスト(株)
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