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参院本会議、岸防衛大臣「(米軍ヘリ)羽田新ルートとの関係、予断をもってお答えすることは差し控えます」

第204回 国会参議院本会議において5月28日、武田良介議員(共産党)により「羽田新ルート」関連の質疑があった。

ネット中継録画をもとに、テキスト化(約2千文字)しておいた。

※時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「解説」をお読みいただければと。

#首都異常飛行 #米軍ヘリ低空飛行


質疑応答のポイント

武田議員:米軍ヘリの低空飛行訓練は羽田新ルートの低空飛行によるもの?

武田良介 参議院議員
武田良介 参議院議員
(共産党、1期、 信州大学教育学部卒、41歳)

羽田新ルートについてもお聞きします。昨年3月から住宅と都市機能が密集する都心部の上空を超低空で飛行する新飛行ルートの本格運行が始まりました。

「家の中で窓を閉めていても響く轟音で心が休まらない」「お庭で遊んでいた園児が騒音に怯えて泣き出した」「落下物が不安」など、怒りと不安の声が広がっています。


そもそも羽田新ルートはインバウンドを当て込んだ国際線増便のためと説明されてきましたが、新型コロナの影響で増便どころか、減便しているのが実態です。羽田新ルートは撤回すべきではありませんか。以上、国交大臣に答弁を求めます。


米軍ヘリの都心低空飛行が問題になっています。この間米軍ヘリが都心部を低空で飛ぶ背景として、羽田新ルートで低空飛行する旅客機との接触を避けるためにそれよりも低い高度で飛ぶことが要因との指摘があります。防衛大臣、この指摘は事実ですか

国交大臣は米軍ヘリの低空飛行訓練は羽田新ルートの低空飛行によるものと認識しているのですか。答弁を求めます。


日本の航空法では住宅密集地では300m以上、非密集地では150m以上の上空を飛行することを義務づけていますが、米軍機は日米地位協定によって航空法の適用を除外されています。しかも横田基地所属ヘリのトレーニングエリア、訓練空域が明らかになりました。そもそも米軍が勝手に訓練空域を設定していること自体が異常であるという認識はありますか

米軍ヘリの低空飛行の実態を徹底調査するとともに、直ちに中止するよう米軍に強く求めるべきではありませんか。防衛大臣の答弁を求めます。
(以下、航空会社の支援と雇用維持などの質問につき、省略)

赤羽 国交大臣:新飛行経路の設定が米軍ヘリの飛行に影響を与えているとは認識をしておりません

赤羽一嘉 国交大臣
赤羽一嘉 国交大臣(公明党、8期、元三井物産社員、慶大卒、63歳)

羽田空港の新経路の必要性や米軍ヘリとの関係についてお尋ねがございました。

羽田空港の新飛行経路につきましては平成26年からの東京都や千葉県等の関係自治体等からなる協議会での議論を踏まえ、まず将来的な航空需要の拡大を見据えた我が国の国際競争力の強化、並びに従来からの懸案事項でありました千葉県の騒音軽減等の観点から、国土交通省として、令和元年8月に導入を決定したものであります。


現在、大幅な減便が生じている中でも、こうした議論の経緯、並びに今後の航空需要の回復などを踏まえ、新飛行経路は引き続き運用していく必要があると考えております。

他方、新飛行経路の固定化回避について、航空機や管制の技術革新の進展も踏まえ、技術的観点から方策を検討する有識者会議を昨年6月に立ち上げたところであり、引き続き検討を進めてまいります。


また米軍ヘリとの関係につきましては、新飛行経路を運用してる時間帯においても、その周辺空域において管制機関に連絡を行うことで、任意の高度で飛行することが可能な仕組みとなっていることから、新飛行経路の設定が米軍ヘリの飛行に影響を与えているとは認識をしておりません
(以下、航空会社の支援と雇用維持などの答弁につき、省略)

岸 防衛大臣:羽田新ルートとの関係について、予断をもってお答えすることは差し控えます

岸信夫 防衛大臣
岸信夫 防衛大臣
(自民党、衆院3期・参院2期、元住商社員、幼稚舎⇒慶応経済卒、62歳)

武田議員にお答えいたします。まず、米軍ヘリの都心低空飛行についてお尋ねがありました。

ご指摘の米軍機の飛行については、米側からは飛行にあたっての安全確保は最優先であり、従来から米軍機の飛行はICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われているとの説明を受けています。その上で、羽田新ルートとの関係について、予断をもってお答えすることは差し控えます

防衛省としては、引き続き米側に対して、安全面に最大限配慮し、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めていくとともに、航空機の航行の安全確保については最優先の課題として日米で協力して取り組んでまいります。


次に、米軍の訓練空域および低空飛行についてお尋ねがありました。
一般に米軍が日米安保条約の目的達成のため、実弾射撃等を伴わない通常の飛行訓練を米軍の施設・区域でない場所の上空で行うことは認められているものと認識しています。

また、米軍機の飛行訓練はパイロットの技能の維持・向上を図るうえで必要不可欠な要素であり、日米安保条約の目的達成のため極めて重要なものですが、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動することが当然の前提です。

3月の日米防衛相会談でも、米軍の安全かつ環境に配慮した運用の確保が重要であること等を確認するなど、日米間でも、こうした認識の共有を図っています。防衛省としては引き続き関係自治体、関係省庁および米側と緊密に連絡し、連携し、皆様のご不安を払拭すべく、しっかりと取り組んでまいります。

雑感

武田議員から「米軍が勝手に訓練空域を設定していること自体が異常であるという認識はありますか」と問われ、岸 防衛大臣は「従来から米軍機の飛行はICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われているとの説明を受けています」と答弁。

「従来から米軍機の飛行はICAOのルール・・・との説明を受けています」

この文言はこれまで何度も聞いてきた。改めて確認してみると、委員会や記者会見の場で閣僚が少なくとも8回使っている。

官僚が書いた原稿を毎回棒読みしている大臣も大臣である。

岸防衛大臣に至っては「予断をもってお答えすることは差し控えます」というアベスガ内閣の流行り言葉も繰り出している。

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2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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