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首都異常飛行|米軍ヘリの低空飛行問題、白参議院議員(立民)vs 岸防衛大臣・茂木外務大臣

毎日新聞が連載記事「特権を問う」でショッキングな動画とともにスクープした、米軍ヘリによる首都異常飛行問題。

3月23日に掲載された<米軍「ヘリは適用外」 高度基準、日本と見解相違>の記事を踏まえ同日、白眞勲 参議院議員(立民)と 岸防衛大臣・茂木外務大臣との質疑応答があった。

ビデオライブラリ(参議院 外交防衛委員会)をもとに、全文テキスト化(約5千600文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。

#首都異常飛行 #米軍ヘリ低空飛行


質疑応答のポイント

白 参議院議員(立民)vs 岸防衛大臣

白眞勲
白眞勲 参議院議員
(立憲民主党、3期、日大院卒、62歳)

白:米軍からどのような説明?

ちょっと今日は今朝の新聞に、なんかの一面にあちこちで、いろんなものが出ちゃったんで、私もなんか(質疑の)スケジュール感か、こっちはあっちこっち行っちゃって大変恐縮なんで、恐縮っていうか自分が恐縮してもしょうがないんですけれども、米軍機の低空飛行の問題についてお聞きしたいと思います。


沖縄県では米軍機の低空飛行が相次いで確認されておりまして、沖縄県議会は低空飛行の中止や米軍に日本の航空法を適用させるため、日米地位協定の抜本的な改善を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決いたしました。


また、東京の上空でも米軍機による低空飛行が頻繁に行われていることが明らかになっておりまして、お手元の資料、これ見てください。なんか、これが報道が事実だったら、このスカイツリーの周りをぐるぐるぐるぐる回ってるわけですね。

これ6回接近したと、2機が一緒に接近してるようですけど。このような米軍機の低空飛行に対する国民の不安と懸念は一層高まざるを得ないだろうなと思うんですが。

3月2日に岸防衛大臣が「米軍機低空飛行について、事実関係についてはアメリカ側に確認中」と答弁されました。3週間経ってんですけど、米軍からどのような説明がありましたでしょうか

岸防衛大臣
岸信夫 防衛大臣
(自民党、衆院3期・参院2期、元住商社員、幼稚舎⇒慶応経済卒、61歳)

岸:米側から(略)米軍の規則に違反する飛行があったとは確認をされていない

まず、東京でのヘリの件です。これについて米軍の米軍機の飛行については今、事実関係を確認しております。本件については日米相互が真剣に受け止めて、ハイレベルの者を含めて、様々なやりとりを行っているところでございます。


先般から、現時点においては米側からICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に違反する飛行があったとは確認をされていない。報道されている飛行から時間も経っていることであり、詳細な事実関係の確認は容易ではない。飛行に当たっては、安全確保が最優先事項であって米軍機の飛行はICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に沿って行われているいうような反応があります


今般の報道を踏まえ、各部隊には、米軍の規則に沿った飛行を徹底するよう、改めて指示をしたという説明を受けておるところでございます


米軍の飛行訓練については、パイロットの技術の維持・向上のために必要不可欠と考えております。在日米軍が日米の安保条約上の義務である我が国の防衛を全うするという観点から重要なものでありますけども、我が国の公共の安全に妥当な考慮は表れて活動するということが前提条件であると考えます。

引き続き、安全面に最大限配慮して、住民に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めていくと共に、航空機の航行の安全確保については最優先課題として日米で取り組んでまいりたいと考えてます。

白:本当に「確認されてない」んですか?

「確認されてない」って不思議でしょうがないんですよね。当然、これは自動車であれば運行記録ですよ。10年ぐらい前のやつだったら分かりますけど、8月でしょ。

こういうものが普通は飛行記録っていうのかな、報告書っていうのは、普通は出ますよね。運転日報だって、ガソリンと距離数が出てるんですよ、だいたいね。

出てないってのは、「確認されてません」っていうのは、私は答弁としてはおかしいと思いますけど、いかがでしょうか。本当に「確認されてない」んですか

岸:米側からは、(略)連絡を受けております

米側からは、今申し上げましたように、ICAOのルール、日本の航空法と整合的な米軍の規則に違反する飛行があったとは確認されていないという連絡を受けております

白:毎日新聞1面トップ、アメリカ軍が文章で回答した

今朝の毎日新聞1面トップに、アメリカ軍のヘリは99年合意ですよね。だから固定翼ジェット機についてのものであって、いわゆるヘリは固定翼機とは異なる飛行の特徴は要件などを持ち、この合意は適用されないと、文書で回答したって書いてあるんですね。

これについてはどうなんですか。そうアメリカ軍が――、これ文章で回答したっての、私、ビックリしちゃったんですけれども、この件、どういうふうに思われますか

岸:米側から(略)という説明があった

そもそも米軍機は全く自由に飛行をしていいということではございません。地位協定第16条に基づいて、航空法等の我が国の国内法をそん守(「遵守(じゅんしゅ)」の誤読)する義務というものをまず負っているわけでございます。また、米軍の飛行については、米側と様々なやりとりを行っておるところです。


米側から改めて飛行にあたっての安全確保が最優先であり、従来から米軍の飛行はICAOのルールや日本の航空法と整合的である米軍の規則に則って行われているという説明があったところでございます。

その上で米軍機の飛行については、米側から、各部隊には米軍の規則に沿った飛行、すなわち日本の法律をそん守(「遵守(じゅんしゅ)」の誤読)するということになるわけですけども、飛行を徹底するよう改めて指示をしたという旨の説明も受けておるところでございます。

白:米軍からこういう回答を得てますじゃないんですよ

いや、私の聞いてることは、この今の毎日新聞の記事の関係について、こういった事ってあるのかなっていうことなんですよ。これについて、ちょっとお答え頂きたいと思うんですけども。


米軍からこういう回答を得てますじゃないんですよ。何というんですかね、遵守するのは当たり前だみたいなことではなくて、このヘリコプターは、99年合意には当てはまらないっていう、これはビックリするような内容なんで、そうなんですかってことですよ。

白 参議院議員(立民)vs 茂木外務大臣

岸大臣の棒読み答弁ではダメだと思ったのか、茂木大臣が登壇

茂木外務大臣
茂木敏充 外務大臣
(自民党、9期、元マッキンゼー社員、東大経済卒、65歳)

茂木:米軍の飛行に例外があるとは承知をいたしておりません

米側との飛行に関する様々なやりとりについては、岸大臣から今お答えした4点、こういう説明を米側から受けてるわけでありますが、その上で合同委員会合意におきましては飛行機について日本の航空法第2条のような定義が置かれているわけでありません


そして飛び方でありますが、ICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われており、この米軍の飛行に例外があるとは承知をいたしておりません

白眞勲 参議院議員

白:毎日新聞の記事というのは、あり得ない話?

つまり、米軍の飛行機に例外はないということで、もう一度よろしい(でしょうか)。つまり、このいわゆる毎日新聞の記事というのは、あり得ない話だっていうことですよね

茂木:米軍の飛行というものについて、例外があるとは承知をいたしてない

記事について、私、この内容、どういう取材をしてるのかっていうこと、私が全て知ってるわけでありませんので、記事が正しいかどうかについてはコメントをすることは控えたいと思いますが、いずれにしても、先ほど申し上げたように合同委員会合意で飛行機とはと、一体どういうもんなのかと、こういう日本の航空法第2条のような定義は置かれていないわけであります。


じゃあ米軍の飛び方はどうしてるかということになりますと、ICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われておりまして、この米軍の飛行というものについて、例外があるとは承知をいたしてないということです。

白:(99年の日米合同委員会合意は)機種には関係ない?

そのとおりなんですよ。茂木大臣が衆議院の外務委員会で同じようなご答弁をされてるんですけれども、非常にわかりやすく読みますと、「飛行のあり方にということについて、安全な飛行でなければならない」その通りですね。

じゃあ、どこの物体、「例えばUFOが入るのかとかドローンが入るのかということよりも、米軍が飛行してるんだ」と言ってるわけでして。ようはそうなんです。

それで、だからUFOだろうがなんだろうが、UFOに米軍のあれが貼ってたら、これはUFOじゃなくなるんじゃないかなと思うんだけども。

この場合、未確認の場合以外、そうなると日本の法律に従って守らなきゃ困るよねと。と同時に、在日米軍による日米合同委員会の平成11年、1999年かな、この委員会の2項には、在日米軍はICAOや日本の航空法によりっていうふうに書いてあるわけだから、「在日米軍は」っていうふうに書いてある以上は、「在日米軍の固定翼機は」というふうに書いてあるなら別だけども、「在日米軍は」っていうふうに書いてある以上は、これは在日米軍の何だろうと、これは変な話、50年後にスーパーマンみたいな人がいて、飛んだとしても、これ在日米軍であるならば、これは航空法によりやりなさいよっていうことですから、そこにはヘリコプターとかなんかというような、そういうものでは、機種には関係ないよねということでよろしいですね。もう一度確認です、これは。

茂木:何らかの例外が設けられてるっていうことではない

整理してお答えすると、いわゆる航空機の機種であったりとか、先生が仰った、じゃあスーパーマンのような人が出てきて、これが何ていうか、米軍の飛行に当たるかどうかということは(99年の日米合意文書には)書いていない。定義はされていないということであります。


じゃあ、米国の飛行がどう行われてるっていうことについては、ICAOであったりとか日本の航空法と整合的な形で行われている米軍の規則、それに従って行われておりまして、そこにおいて何らかの例外が設けられてるっていうことではないということです。

白:(米軍ヘリ低空飛行の)事実関係も明らかにしてやるべき

であるならば、これ大臣、今、強力に申し入れはしているということ、ハイレベルということもありますけれども、実際問題、米軍じゃなければ別ですよ。


米軍かどうかの確認ということで機種とかなんとかって、いろいろ前の答弁、私も見ましたら、確認――、いろんな住民からの、そういうものを聞いて、それを伝えてるわけですし、米軍であろうということであるならば、こういう飛び方っていうのは非常に私は危険であると思います。


もちろん訓練があって、訓練なんだからっていうんであるならば、そういう訓練をしてるんですってことも、国民の理解を得るためには重要だし、万が一事故や落下物があったら東京でも有数の人口密集地の地域を飛んでる。大変な被害が出る可能性がありますし、その他、また、日米同盟自体にも大きな課題になってしまう可能性があると。


やっぱり今までの答弁聞いてると、そいうような危機感が政府にちょっとないんじゃないかな。やはりここは、きちっと、なんでこういう飛び方するのとか、なんかも含め国民に対して説明する我々責任あるんですよと。

米軍との今後、思いやり予算とかなんかもあるわけで、国民の理解をきちっと得ながらやっていかなきゃいけない。そういう面できちっとこれは、事実関係も明らかにしてやるべきだと思いますが、茂木大臣どうでしょうか。

茂木:日本側の問題認識、これを提起するっていうことは必要だ

2003年(2004年の間違い)だったと思いますが、沖縄において、沖縄国際大学に米軍のヘリが落ちたと。深刻な事故が発生いたしました。その時、私は沖縄担当大臣でありまして、本当にこういうことは二度と起こっていけないと、こういう思いを強くしたところであります。


先ほど来、日米同盟、日米安全保障と、こういう議論をさせて頂いておりますが、この維持強化のためには、在日米軍の駐留、極めて重要な要素を占めております。そしてそれが安定的な駐留を行うためには、どうしても地元の皆さんのご理解というものが極めて重要だと考えておりまして、米国に対しては、安全面に最大限配慮して、地域に与える影響を最小限にとどめるように強いを求めております。


実は、米軍の関係者、こちらのスナイダーさんや司令官にしてもそうですし、また、米国本土の方から誰か来た時はできる限り、私も時間を取って会うようにしてます。直接会ってお話をさせて頂いて強く働きかける。何度も何度も、この問題重要なんだということを提起をする。日本側の問題認識、これを提起するっていうことは必要だと思っております。


先ほど私、国際大学の件について、もしかすると、後ろからメモが「2004年」って書いてあるんですけれど、私2004年と違う表現をしたんでしたら(2003年と表現した)、あの事故は2004年です。

雑感

毎日新聞はパンドラの箱を開けてしまったのか

白議員から、米軍ヘリが都心を低空飛行しているとの毎日報道について問われ、岸防衛大臣はひたすら原稿を棒読みするだけ、また、茂木外務大臣は煙に巻いたような答弁を繰り返す。このことが逆にヤバい事案であることを印象付けてしまっているのではないか。

毎日新聞はパンドラの箱を開けてしまったのか……。

岸防衛大臣で大丈夫なのか

原稿棒読みさえまともにできない、三代目のボンボン政治家の実力が垣間見えた質疑であった。

政治家として、防衛大臣として、頻出用語であるはずの「遵守(じゅんしゅ)」を「そんしゅ」と2回も間違えたことは深刻だ。これまでの人生において周りにそのことをキチンと指摘してくれる人がいなかったのか、それとも同類の集まりだったのかと思わざるを得ない。

こんな人に防衛大臣を任せておいていいのか心配になってくる。ぜひ同シーンを視聴してみてほしい(参院中継録画 3月23日 外交防衛委員会 0:48:42~0:49:51)。

岸大臣の答弁原稿ライターは今後、全漢字にフリガナを付けるよう決意したかもしれない。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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