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首都異常飛行|米軍ヘリの低空飛行問題、津村衆議院議員(立民)vs 赤羽国交大臣・茂木外務大臣

日米地位協定の発効60年(20年6月23日)を見据え、毎日新聞が20年2月から連載を始めた「特権を問う」。

毎日新聞は20年7月から約半年かけて新宿区にある都庁第1本庁舎展望室など高さ200メートル級の複数地点から飛行状況を調査した結果として、今年の2月から米軍ヘリが都心上空を低空飛行する様子を動画とともに報じている。

この毎日新聞の調査報道を受けて3月19日、津村衆議院議員(立民)と国交大臣・外務大臣との質疑応答があった。

ビデオライブラリ(国土交通委員会外務委員会)をもとに、全文テキスト化(約1万1千文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。

#首都異常飛行 #米軍ヘリ低空飛行


もくじ

低空飛行問題、外相が答弁(毎日新聞)

茂木敏充外相は衆院外務委員会で3月19日、在日米軍ヘリの都心低空飛行問題について、日米双方が真剣に受け止めている」との見解を示した。

「米軍、規則徹底指示」 低空飛行問題、外相が答弁

在日米軍ヘリが東京都心の上空で日本のヘリであれば違法となる低空飛行を繰り返している問題で、茂木敏充外相は19日、「日米双方が真剣に受け止めている」との見解を示したうえで、米軍からは「各部隊に米軍の規則に従った飛行を徹底するよう改めて指示した」との説明を受けたことを明らかにした。衆院外務委員会で津村啓介議員(立憲)の質問に答えた。

 この問題は、日本の法令が定める最低安全高度(300メートル)に満たない高さで米軍ヘリが新宿駅上空などを飛ぶ様子を毎日新聞が動画とともに報道。今月2日の国会で菅義偉首相らが米軍に事実関係を確認していることを明らかにしていた。(以下略)

(毎日新聞 3月20日)

国土交通委員会(立民・津村 vs 赤羽大臣)

津村啓介 衆議院議員
津村啓介 衆議院議員
(希望の党→国民民主党→立憲民主党、6期、東大法卒、49歳)

津村:報道された米軍ヘリ、飛行計画の通報を受けていたか

米軍ヘリコプターの低空飛行訓練について伺わせていただきます。
本年2月24日以降、新聞紙上で米軍ヘリコプターが再三にわたって、数えますと11、12回という報道がございますが、東京都心を低空飛行している旨の記事が掲載されています。


3月2日の衆議院予算委員会における共産党宮本議員の質疑に対して、菅総理は「事実関係については米側に確認中」というふうに菅さん、そして岸防衛大臣がご答弁されております。


これは羽田新ルートの運用開始と時期も平仄しておりますし、様々関係性が想像される事案でございますけれども、まず、国土交通大臣に事実関係を伺わせていただきます。


米軍がこうした飛行をする場合、航空法によりまして国土交通大臣または防衛大臣に通報されることとなっていると思いますが、報道された米軍ヘリの飛行について飛行計画の通報を受けていたか。防衛大臣に通報された分も含めてお答えいただきたいと思います。


お聞きいただいている委員の皆様には、この4ページが記事でございますし、5ページが根拠の法律でございます。また6ページが報道によれば、都心で低空飛行がなされた日付でございます。大臣、お答えください。

赤羽 一嘉国土交通大臣
赤羽一嘉 国交大臣(公明党、8期、元三井物産社員、慶大卒、62歳)

赤羽:米軍から通報されていたことは確認ができております

いま資料を付けていただいておりますが、航空法第97条および日米地位協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律に基づきまして、米軍機が飛行する場合には国土交通大臣に対し、飛行計画の通報が必要でございます。


そのうち、米軍機を含め自衛隊飛行場から出発する航空機につきましては、航空法第137条に基づきまして、飛行計画の受理等の国土交通大臣の権限が防衛大臣に委任されております。米軍機が、自衛隊飛行場から飛行する場合には、防衛大臣に対して飛行計画の通報が必要となります。


この資料に付けていただきました新聞記事において、都心上空を米軍機が飛行していたとされている日付のうち、直近3か月分まで国交省および防衛省において確認をさせていただきました結果、これらのすべての日におきまして都心上空を飛行した可能性のある米軍機の飛行計画が米軍から通報されていたことは確認ができております

なお、報道の対象になった日に、実際に米軍機の飛行があったかなどの事実関係につきましては、いま外務省および防衛省において米軍側に確認中と承知をしておるところでございます。

津村:日米間の平成11年の合意、航空法の最低高度基準の内容?

委員の皆さんには、資料の一番最後、10ページにあります、「在日米軍による低空飛行訓練について」という日米間の平成11年の合意、このうち、特に2.をご覧いただきながら聞いていただければというふうに思いますが。

2.在日米軍は、国際民間航空機関(ICAO)や日本の航空法により規定される最低高度基準を用いており、低空飛行訓練を実施する際、同一の米軍飛行高度規制を現在適用している。

大臣、伺います。米軍ヘリは航空法の最低安全高度の基準が適用除外になっている一方で、日米地位協定およびこの日米合同委員会の合同(合意)に基づいて我が国の国内法を尊重し、航空法の当該基準に従うこととなっているわけでありますけれども、その理解でよろしいか、ということとこの航空法の最低高度基準の内容を伺わせていただきたいと思います。

赤羽:米軍ヘリ、300mの高度以下で飛行してはならない

その理解で結構かと思いますが、航空法の規定に基づきまして、航空機は離陸または着陸を行う場合を除いて、一定以下の高度で飛行してならないこととされております。

具体的には有視界飛行方式の場合には、人または家屋の密集している地域の上空では当該航空機から水平距離600mの範囲内にある最も高い障害物の上端から、上の端から300mの高度以下で飛行してはならないこと等の規定が設けられてるところございます。

津村:高度300m以下で飛ぶことはできないというルール

つまり、つづめますと米軍ヘリは都心部においては、建物の高度300m、建物から換算した高度300m以下で飛ぶことはできないというルールになっているということでよろしいですね。

赤羽:その通りでございます

その通りでございます。

津村:米軍ヘリ、自由に飛行可能な範囲?

最後の質問にいたします。
羽田新ルートの設定により、特別管制空域というものが設定をされております


委員の皆さんには、この8ページと9ページをご覧頂けると、縦横を立体的にご理解いただけるかというふうに思います。8ページの方は平面図でして、左上から新ルートが入ってくるわけですけども、新宿駅、原宿駅、渋谷駅の真上を通るわけですね。午後の時間帯、こういう時間帯が、風向きによっては設定をされております(次図)。

航路図


これを縦割りにしたものが9ページでございまして、新宿周辺でヘリコプターはどういうところ飛べるのかということですけれども。まず、450mより上は、羽田新ルートの、羽田空域になりますので、これ絶対飛べないというわけではないんですけれども、許可を受けながら飛ばなければいけない。いわば少し条件付きの飛行可能空域ということになります(次図)。米軍ヘリから見てですね。

新宿周辺のヘリコプター飛行イメージ


他方、左側の黄色いエリア、先ほど大臣からご答弁いただきましたように、直近の建物よりも、高さよりもさらにプラス300m、そして半径600mの範囲は、これはもう飛んじゃダメと先ほど大臣答弁を頂きましたので、この黄色のゾーンは飛んじゃダメなゾーンということになります。

ですので、例えば厚木から六本木のヘリポートに飛行機、すいません米軍ヘリが飛んでくる時に避けて通らなければいけない、飛んではならないエリアというものが一定程度、羽田新ルートの運用開始によって生じたということでありまして、これが私、米軍ヘリコプターが、いま低空飛行訓練を繰り返している直接の引き金になってるんじゃないかというふうに思います

と申しますのは今までと空域が狭まったわけですから、狭まった空域の中で、要人輸送等を安全にできるかどうかということを確認するというのは、これはある意味では合理的な行動でありまして、この新ルート設定のあり方、その交渉の進め方が、果たして適当であって、今はちょうどいい状態にあるのかどうかということを確認したいという趣旨で最後の質問をさせて頂きますし、また本日午後、あと20分、外務委員会で(質問時間を)頂いてますんで、中山さん(防衛副大臣)申し訳ない。その場も含めて議論をさせていただきたいと思いますが――。問でございます。


例えば新宿付近におきまして、この羽田新ルートという意味ですけれども、米軍ヘリが特別管制空域および最低安全高度の制限を受けることなく自由に飛行可能な範囲というのは数字的に見るとどの程度の範囲があるのか。いただける数字で結構ですのでご答弁下さい。

赤羽:新宿駅付近から原宿駅付近までの約2.8kmのうち約1.1km

お尋ねのございました、新宿付近につきまして、新宿駅付近から原宿駅付近にかけて、高度450mから1350m未満の範囲で特別管制空域を指定しております。この特別管制空域と航空法第81条に規定する最低安全高度の制約を受けずに飛行が可能な範囲の距離、幅でございますが、新宿駅付近から原宿駅付近までの約2.8kmのうち約1.1kmとなっております。

東京第二特別管制区(新宿~原宿)
(筆者がピンク・白を加筆、オレンジ着色した)

津村:何丁目付近から何丁目付近か?

事務方にはその1.1 kmというのが何丁目付近から何丁目付近かというところをお答えいただきたいとお願いして了解頂いてると思うんですが、どの辺りから、どの辺りまでの1.1キロか正確にご答弁ください。大事なことです。

赤羽:参宮橋の駅から、この渋谷のNHKにかけて

速記を止めて、大臣が事務方に確認すること約1分10秒

すいません、先生よくご存知だと思いますけど、この幅になりますので、例えて言うならば、地下鉄、この参宮橋の駅から、この渋谷のNHKにかけてぐらい。この幅で約1.1キロの範囲が飛行可能ということでございます。

津村:(米軍ヘリが飛行できる幅)のことで議論してる

私、縦(米軍ヘリが飛行できる幅)のことで議論してると思うんですけど、それ(米軍ヘリが飛行できる)幅じゃないんじゃないですか。

赤羽:千駄ヶ谷3丁目から神宮前1丁目にかかるこの約1.1キロ

速記を止めて、大臣が事務方に確認すること約1分30秒

すいません。昨日通告を受けた航空局がちょっと誤解をしてるかもしれません。ちょっと改めて確認させていただきたいと思いますが、資料で頂いた9ページのこの図、先生が出された図の、私が申し上げたのは、このいわゆる黄色じゃない部分ですね。

赤羽大臣


ビルのいわゆる真ん中ぐらい。真ん中やや右ぐらいのところから原宿駅のところ。住所でいうと、渋谷区千駄ヶ谷3丁目から神宮前1丁目にかかるこの約1.1キロだということを答弁させていただきました。

津村:ルート線上の1.1キロという意味?

確認ですけれども、AルートとBルートとの幅ではなくて、ルート線上の1.1キロという意味でのご答弁でよろしいですね。それだけの確認で結構です。

赤羽:その通りです

その通りです。

津村:ありがとうございました

ありがとうございました。

外務委員会(立民・津村 vs 茂木大臣)

津村啓介 衆議院議員

津村:(米軍ヘリ都心低空飛行の件)米軍側に事実関係を確認した結果?

米軍ヘリコプターの低空飛行訓練の問題について伺わせていただきます。

今年の2月24日以降、新聞紙上で米軍ヘリコプターが再三再四に渡って東京都心を低空飛行している旨の記事が掲載をされています。


3月2日の衆議院予算委員会における共産党宮本徹議員の質疑に対しまして、政府は、菅総理が「事実関係をしっかり確認した上で、その上で、しっかり対応をさせます。ルールに基づいて飛行するのが当然のことでありますから、そこは事実関係に基づいて、しっかり対応させます」とご答弁になっておられます。


そこで茂木外務大臣に伺わせていただきますけれども、都心上空の米軍ヘリによる低空飛行につきまして、米軍側に事実関係を確認した結果はそろそろ出ているかと思いますが、いかがでしょうか。また今後、もしまだ回答を得られてない場合は今後どのように対応されるのか、伺いたいと思います。

茂木敏充外務大臣
茂木敏充 外務大臣
(自民党、9期、元マッキンゼー社員、東大経済卒、65歳)

茂木:米軍の規則に違反する飛行があったことは確認されていない

津村委員からのご提起いただきました問題。今日の午前中でもこの委員会でも(屋良朝博衆議院議員、立民)議論ありましたので、津村委員にもご出席いただいていればよかったと思っておりますが、改めてご説明を申し上げたいと思います。


ご指摘の米軍の飛行について米側に事実関係を確認してるところでありますが、本件につきましては、日米双方が真剣に受け止めておりまして、在日米軍のハイレベル、都の者も含めて、様々なやりとりを行っております。現時点で米側からどういう説明を受けてるかっていうことでありますが、一つは、ICAOのルールであったりとか、日本の航空法と整合的な米軍の規則に違反する飛行があったことは確認されていない。また、報道されている飛行から時間が経っていることもあり、詳細な事実関係の確認はなかなか容易ではない。


もちろん飛行にあたっての安全確保は最優先事項であり、米軍の飛行はICAOのルールであったり、日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われてきている。各部隊には、米軍の規則に従った飛行を徹底するよう改めて指示をした。こういう説明でありました。


いずれにしましても、米側に対して安全面に最大限配慮し、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めていくと共に、航空機の飛行の安全確保については最優先の課題として日米で今後も協力して取り組んでいきたいと考えております。 

津村:米軍ヘリの低空飛行、何件把握?

一つ一つ確認していきたいと思います。
報道されております、東京都心における米軍ヘリの低空飛行に関しまして、港区、世田谷区、渋谷区、新宿区等、多くの目撃情報と苦情が寄せられていると仄聞しております。


何件把握をされているのか。また、そうした苦情を在日米軍に連絡した件数は何件あるのか。これは防衛省に伺いたいと思います。

中山泰秀防衛副大臣
中山泰秀 防衛副大臣
(自民党、5期、元電通社員、早大スポーツ科学研究科修士、50歳)

中山防衛副大臣:昨年7月から12月までの間に防衛省に対して合計25件

ありがとうございます。ご指摘の東京都内における米軍機と思われる航空機の飛行に伴う苦情等につきましては、例えば昨年7月から12月までの間に防衛省に対して合計25件寄せられております。

防衛省と致しましては、これらの苦情等について自衛隊機に該当がないことを確認した上で、その内容を米側に伝え、地元の皆様の生活に与える影響を最小限にとどめるように配慮を求めております。

津村:25件すべて、在日米軍に伝えた?

25件すべて、在日米軍に伝えたということでよろしいですね。

中山:その通りでございます

その通りでございます。

津村:平成11年の日米合同委員会合意、現在も有効?

平成11年の日米合同委員会合意の解釈につきまして、茂木大臣に伺います。

在日米軍による低空飛行訓練に関する平成11年の日米合同委員会合意の有効性でございますけども。こちら皆様にお配りしております資料の7ページに付けさせて頂いておりますものが現物でございます。


外務省のホームページから取っているものですが、こちらの2.に在日米軍は国際民間航空機関や日本の航空法により規定される最低高度基準を用いており、低空飛行訓練を実施する際、同一の米軍飛行高度規制を現在適用している、と平成11年に現在適用しているということですけれども、これは現在も有効なのかどうか。


政府は過去に、高村大臣が「同合意について、米軍は最低安全高度を実質的に守ることになっているし、守らなければならないのは当然」と答弁されていますけれども、この認識に大臣、お変わりございませんか。

茂木大臣

茂木:現在も有効であります

まず、平成11年の米軍によります低空飛行訓練に関する日米合同委員会の合意は現在も有効であります

そしていま、資料の7ページですか、そこに示されました在日米軍による低空飛行訓練について1から6項目ありますが、その2についてご指摘をいただきましたが、最後の部分、同一の米軍飛行高度規則を現在適用しているということであります。


これは先ほども申し上げたとおりでありますが、米軍の飛行、これはICAOのルールであったりとか、日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われている。このようなことでございます。

津村:一般論として、都心上空で米軍機が高度300m以下認められるケース?

それでは、重ねて伺います。そういたしますと、今回の事案ではありません。一般論として伺わせていただきますけれども、都心の上空で米軍機が高度300m以下で飛行することは認められ得るのか。認められるとすればどのようなケースがあり得るのか教えてください。

茂木:離着陸、上空の天候、危険を避ける

個別具体的な状況の事態については判断するのが当然でありますが、一般的にという話でありましたんで、一般的にということで申し上げますと、例えば離着陸の際にはICAOであったりとか、我が国の航空法により規定されている最低安全高度基準は適用されません。

また上空の天候であったり、その他緊急の場合で、危険を避けるために低空飛行をせざるを得ない場合、こういったケースについてはあり得ると考えております。

津村:本合意における航空機の定義?

この日米合同委員会合意の、この定義を少し整理させていただきたいと思います。

航空機についての、これは同意でございますが、日本の航空法についても言及されています。日本の航空法では第2条にその定義が詳細に定められておりますけれども、この日本の航空法の定義とこの日米合同委員会合意における航空機の定義というものは一致をしているのか、していないのか。
もし一致していないのであれば、本合意における航空機の定義を伺いたいと思います。

茂木:ICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則・・・

合同委員会合意において航空機、航空機がいかなるものであるかについて、航空法第2条のような定義が置かれているわけでありません。その上で米側との様々なやりとりを行っておりますが、今般米側から改めて、飛行にあたっての安全確保は最優先であり、従来から米軍の飛行はICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われているとの説明を受けております。


また、各部隊には、米軍の規則に従った飛行を徹底するよう改めて指示した旨の説明を受けております。ICAOのルール、そして日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われる米軍の飛行に例外があるとは承知をいたしておりません

津村:航空法の定義と合意、日米合意の定義には齟齬がある?

端的に伺いますけれども、航空法の定義と合意、日米合意の定義には齟齬があるということですか。一致しないものがあるということですか。例えばどういう機種ですか。

茂木:航空法第2条のような定義が置かれているわけではない

よく聞いてください。一致しないものがあるとは言ってません、私は。

合同委員会合意において、航空機とはと。どういうものが航空機にあたるか、こういうことについて航空法第2条のような定義が置かれているわけではない。このように申し上げております。

津村:航空法第2条のような定義が置かれているわけでないから、聞いてる

航空法第2条のような定義が置かれているわけでないから、聞いてるんです。どういう定義なんですか、この合意では。

茂木:「定義は置かれていない」と申し上げております

「定義は置かれていない」と申し上げております。

津村:航空機とは何か、ということを聞いてるんです

合意において定義のない、つまり定義できないっていうことを大臣仰ってるんですか。

定義が置かれてないのであれば、どういうふうに理解されているのか、大臣の理解をお答えください。飛行機とは何か、ということを聞いてるんです。航空機とは何か、ということを聞いてるんです

茂木:ICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則・・・

飛行のあり方ということについて、安全な飛行ではなければならない。

じゃ、どこの物体、例えばUFOが入るのか、とかドローンが入るのかとかいうことより、米軍が飛行している、これが安全でなければならない


安全確保が最優先であって、そして米軍の飛行というものはICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われていると、こういう説明でありまして、各部隊には、米軍の規則に従った飛行を徹底するよう改めて指示した旨の説明を受けてるとこでありまして――、よく聞いてください。

ICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われる米軍の飛行に例外があるとは承知をいたしておりません

津村:米軍ヘリが、厚木から六本木飛行した場合、合意の中の航空機に当たる?

いま大臣、ちょっと、何て言いますか、冗談めかして仰っていましたけどね(大臣:違うよ)。UFOとか(大臣:それは失礼だよ)、ちょっと聞いてください。


私は答弁も失礼だと思いますよ。UFOとかドローンはどうでもいいのかというと、UFOやドローンだって、定義に入るかどうか、これは一つの重要な論点ですよ。今、はっきり仰らなかったけど。


そして私は今回、米軍ヘリのことを申し上げているので。では、端的に伺いますが、米軍ヘリの、これ今回の事案じゃありません。米軍ヘリが、例えば厚木から六本木のヘリポートに他のルールに全て則って飛行した場合、これはこの合意の中の航空機に当たるわけですよね

茂木:質問にきちんとお答えをしてると思います

ですから、繰り返しになって恐縮ですけれど、(津村)委員は日米合同委員会合において航空機の定義は置かれているかという質問をされたんで、私は合同委員会合において、航空機について航空法第2条のような定義が置かれているわけではない(と答弁した)


これは、質問にきちんとお答えをしてると思います。それでは、その飛行のあり方はどうなのかと(津村:飛行のあり方は聞いてませんよ)、じゃあ、いいですよ。

津村:航空機に米軍の今回のヘリが入ってるか否か

航空機の定義を聞くときに、飛行のあり方は関係はないと思います。


航空機に米軍の今回のヘリ、ブラックホークが入ってるか否か、イエスかノーか伺ってるんです。飛行の対応は関係ありません。

茂木:航空機について航空法第2条のような定義が置かれてはおりません

明確にご答弁申し上げておりますが、航空機について航空法第2条のような定義が置かれてはおりません。そのようにお答えしております。

津村:米軍ヘリがこの合意に縛られるものかどうか

文言上定義が置かれていないのは、私も承知しておりますが、米軍ヘリがこの合意に縛られるものかどうかというのは明確な質問だと思います。幅のない質問だと思います。お答えください。

茂木:ICAOのルールであったりとか、日本の航空法と整合的な米軍の規則・・・

ですから定義が置かれていないということでありまして、飛行一般について行う、そこん中で、飛行はどうかということであったら、ICAOのルールであったりとか、日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われる米軍の飛行に例外があるとは承知をしていない


航空機がどうだと言われても、航空機の定義は置かれてないんです。ただ、飛行についてどうかといえば、例外があるとは承知をしていない。

明確に(津村)委員のご質問にお答えいたしております。

津村:午前中に国土交通委員会、この時のやり取りをご紹介ください

それでは、大西さん(国土交通副大臣)、今日の午前中に国土交通委員会で同じやりとりをさせて頂いております


その中で、いま皆さんに追加資料としてお配りさせていただいた8ページのものがそれでございます。これは大西副大臣も同席をされていたと思いますのでご確認いただいた上で、この時のやり取りをご紹介ください。赤線の部分です

大西英男国土交通副大臣
大西英男 国土交通副大臣
(自民党、3期、元江戸川区議4期・元都議4期、國學院卒、74歳)

大西副大臣:米軍の飛行に適用される基準、外務省にお尋ねいただきたい

この早刷りの速記録に基づいてお話しをさせていただきますと、委員から国交の大臣にご質問がありました。それに対して大臣は、「米軍ヘリは都心部においては、建物から換算して高度300m以下で飛ぶことはできないというルールになっている、ということでよろしいでしょうか」というような答弁をいたしました。(津村:私が質問したんです)。


そうですね。わたしもいま、そのように指摘をしましたよ(大西副大臣は自分が誤読したことに気が付いていない)。

この答弁につきましては、私ども国交省の認識として、答弁されたものと思いますが、米軍の飛行に適用される基準については、外務省にお尋ねいただきたいと思います。(津村:そんなこと聞いてない。それを紹介してくださいと言っているんですよ)。


だから紹介させていただきましたね。(津村:いやいや、赤線の部分、間違っているんですか)。

あべ俊子外務委員長
あべ俊子 衆議院外務委員長
(自民党、5期、元東京医科歯科大学助教授、イリノイ州立大学シカゴ校大学院、61歳)

委員長:津村君、質問を続けてください

指名をもって(質問すること)。津村君、質問を続けてください。

津村:(赤羽)国務大臣が「その通りでございます」と仰ったわけですよね

私がこの最後の赤羽大臣の話を、私、伺ってるんですよ。

私がこの4行を質問したことについて、今、大西さん読んでくださいましたが、もう1行ございますね。国務大臣が「その通りでございます」と仰ったわけですよね

そうですよね。

大西:ご指摘の通りでございます

ご指摘の通りでございます。

津村:外務大臣、赤羽大臣の認識は誤りありませんね

それでは外務大臣に伺います。この赤羽大臣の認識は誤りありませんね

茂木:赤羽大臣は実態としてどうなのかという観点から答弁をされた

私はその場におりませんでしたので、この議事録だけから理解をするという範囲でありますけれど、赤羽大臣はおそらく実態としてどうなのか、とこういう理解の観点から答弁をされたんじゃないかなと思いますが、法律的に厳密に申し上げますと、法律的に厳密に申し上げますと、米軍については、米軍地位協定の実施に伴う航空法の特例法によりまして民間航空機の円滑な航空交通を確保することを目的とした規制・規定を除き適用が除外されております


ただし、米軍は全く自由に飛行を行っていいというわけではもちろんございません。

米軍の運用に際しては、公共の安全に妥当な考慮を行い、安全性が最大限確保されるべきことは言うまでもないわけであります。


そして米側の飛行がどうなっているかと。厳密に定義で申し上げますと、ICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従い安全を最優先に配慮して行われている。このように理解いたしております。

津村:国交省と外務省でさえ、合致してるかどうか非常に怪しい

私は両大臣のご認識が一致してないのではないかというふうに受け止めました

なぜならば、「米軍ヘリ」と明確に私は主語を区切って赤羽大臣に伺ったところ、対象になるという意味で、「その通りでございます」とお答えになっている傍ら、茂木大臣は私が端的に米軍ヘリがこの日米合意の定義の中に、この明文上、定義はされてないかもしれませんが、これは法律である以上、何らかの縛りがあるはずですから、その枠内に入っているのかという問いに対して、イエス・ノーではお答えになられませんでした


かなり長いこと仰っていましたので、また議事録等を精査する必要があると思いますけれども、端的な米軍ヘリがこの日米合意のラチ内にあるのかないのかということは極めて重要な問題だというふうに思いますし、これまで過去の高村大臣の答弁、その他との整合性が問われることだと思います。


在日米軍がどう受け止めているのか、日本政府はどう受け止めているのか、きちっとそれが合致しているのか。そして国交省と外務省でさえ、私、これ合致してるかどうか非常に怪しいと思いますよ。答弁が合致してないじゃないですか。

委員長:申し合わせの時間が経過しておりますので、ご協力願います

(赤羽大臣は)「その通りでございます」と言えるんですか。

茂木:私は、厳密な法律論を申し上げております

赤羽大臣は、実態としての理解を述べられたんだと思っております。私は、厳密な法律論を申し上げております

津村:今後とも是非ご議論いただければと思います

皆さん、(委員長:申し合わせの時間が経過しておりますので、質疑を終了してください)今後とも是非ご議論いただければと思います。終わります。

雑感(素直に答える赤羽大臣、煙に巻く茂木大臣)

かなりの長文であるが論点は、なぜ米軍ヘリが最近都心を低空飛行するようになったのかということだ。

津村衆議院議員(立民)の質問に対して、赤羽国交大臣は素直に答えている。米軍ヘリは都心部では建物より300m以上高い位置を飛ばなければならないこと。羽田新ルートの運用が始まってからは、千駄ヶ谷3丁目から神宮前1丁目の間約1.1kmは特別管制区高度450m以下の制限が加わったこと(次図、次々図)。

ヘリが飛行可能な空域東京第2特別管制区(新宿~原宿)

一方、茂木外務大臣のほうは、津村議員(立民)の質問に対して、とっても分かりにくい答弁を繰り返している。途中で両者とも、色をなすようなやり取りが見られたほどだ。

航空法の最低安全高度の基準が適用除外となってる米軍ヘリの飛行高度規制は、1999年の日米合意文書「在日米軍による低空飛行訓練について」に拠っている。茂木大臣は多少表現を変えているものの「米軍の飛行はICAOのルールであったり、日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われてきている」と同文書の2.を8回も繰り返し、津村議員を煙に巻いている(と私は感じた)。

2.在日米軍は、国際民間航空機関(ICAO)や日本の航空法により規定される最低高度基準を用いており、低空飛行訓練を実施する際、同一の米軍飛行高度規制を現在適用している。

 

けっきょく、「米軍ヘリは都心部においては、建物から換算した高度300m以下で飛ぶことはできないというルールになっている」のかという問いに対して、赤羽大臣は「その通りでございます」とすんなり認めたのだが、茂木大臣は「赤羽大臣は、実態としての理解を述べられたんだと思っております。私は、厳密な法律論を申し上げております」と答弁し、最後まで国交大臣と外務大臣との見解の不一致を認めようとはしなかった

 

日米合意の闇の深さについては、アメリカ軍関連と日米地位協定などの著作が多いノンフィクション作家、矢部宏治氏の著書『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)2017/8/17「第1章 日本の空は、すべて米軍に支配されている」に詳しい。

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