不動産経済研究所は5月20日、4月の「首都圏新築分譲マンション市場動向」を発表。
- 発売2,089戸、最初の緊急事態宣言中の前年同月から204.5%増。
- 4月としては3年ぶりの2,000戸台。契約率も73.6%と好調。
- 平均価格は7,764万円と大幅上昇。都心高級物件がけん引。
ただ、これだけではよく分からないので、同研究所が過去に発表した数値データも含め、いつものように、首都圏の新築マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
※今回から発表資料名が「首都圏新築分譲マンション市場動向」に変るとともに(従来は「首都圏マンション市場動向」)、書式がシンプルになって見やすくなった。
発売戸数・発売単価・販売在庫の推移(首都圏)
発売単価は、新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、4月に急上昇(千代田区の平均価格が2億円を超える大型の高額物件の影響による)。
販売在庫数は減少傾向が見られる。発売戸数は上下動が激しいが、増加傾向が見られる(次図)。
緊急事態宣言下において、コロナの影響を受けていない人たちの旺盛な需要が垣間見える。
発売戸数の前年同月比の推移を可視化したのが次図。
新型コロナ感染拡大の影響で、20年5月に▲82.2%(前年同月比)まで大幅に減少したあと、激しくリバウンドを繰り返しながら21年4月は112.5%増。
発売戸数の推移(1都3県)
23区に着目すると、4月の発売戸数1,068 戸は、前年同月比で154.3%増(次図)。
m2単価の推移(1都3県)
23区の発売単価は、新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、4月に急上昇(千代田区の平均価格が2億円を超える大型の高額物件の影響による)。4月は149.7万円。
価格帯別の発売戸数割合の推移(23区)
23区の発売戸数の割合は、5千万円を境に2極化している(次図)。
特に4月は億ションの割合が跳ね上がった(千代田区の平均価格が2億円を超える大型の高額物件の影響による)。
億ションの発売戸数・率の推移(23区)
億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、18年9月の4.5%を底に増加傾向にある(次図)。
★まとめ
緊急事態宣言下において、コロナの影響を受けていない人たちの旺盛な需要が垣間見える。特に、4月は千代田区の平均価格が2億円を超える大型の高額物件の影響が大きい。
- 首都圏の発売単価は、新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、4月に急上昇。
発売戸数は20年5月は過去最少だったが、その後激しくリバウンドを繰り返しながら4月は112.5%増。 - 23区の発売単価は、新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、4月に急上昇。
- 23区の発売戸数の割合は、5千万円を境に2極化。
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