東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は1月22日、「首都圏不動産流通市場の動向(2019年)」を発表。
中古マンションの成約件数は、3万8千件台となり、過去最高を更新した。
中古マンション
- 成約件数は2年ぶりに前年を上回って38,000件台となり、過去最高を更新
- 成約物件m2単価は7年連続で上昇、7年で40.0%上昇
- 成約物件価格も7年連続で上昇し、3,400万円台
- 新規登録件数は前年を下回ったが、2年連続で20万件を超え高水準
- 新規登録物件m2単価・価格ともに6年連続で上昇
不動産経済研究所が2月20日に発表した「全国マンション市場動向(2019年のまとめ)」の新築データと比べてみた。
ざっくり言うと
※同機構がホームページで公開している過去資料につき、暦年単位のデータが確認できる06年以降を比較の対象とした。
首都圏マンション戸数、4年連続で中古が新築を上回る
首都圏全体では、4年連続で中古マンションの成約戸数が新築マンションの発売戸数を上回った。特に、19年は新築の落ち込みが目立つ(次図)。
23区では、中古マンションの成約戸数が新築マンションの発売戸数再び逆転。特に、19年は新築の落ち込みが目立つ(次図)。
首都圏マンション価格、新築頭打ち、中古上昇中…
首都圏の新築マンションの発売価格は、投資や爆買い、相続税対策など、非実需要増の影響により13年以降上昇していたが、6千万円を前に頭打ち状態。中古マンションの成約物件価格のほうは13年以降、上昇を続けている(次図)。
価格差(新築-中古)は拡がる傾向にあったが、17年の価格差2,713万円がピークか……。
23区についても、首都圏全体とほぼ同様の傾向(次図)。
次に、市場規模(=戸数×平均価格)の比較。
首都圏マンション市場規模、新築1.9兆円、中古1.3兆円
首都圏新築マンションの市場規模は、リーマンショック(08年9月)の翌09年に1.65兆円で底を打つ。その後、消費税増税8%実施(14年4月)の前年まで拡大した後、再び縮小に向かう。19年は1.9兆円まで落ち込む。
一方、中古マンションの市場規模は11年以降、徐々に拡大し15年に1兆円を突破。19年は1.3兆円(次図)。
以上の図からは、高騰した新築マンションに見切りをつけて中古マンションの購入に向かう生活者の姿が思い浮かぶ。
2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて新築マンションの高騰が続くようであれば、新築から中古への流れは止まらないだろう。
さらに、ここにきて新型コロナウイルスの感染拡大という思わぬ事態が発生。新築マンション需要に止めを刺すのか……。
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