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湾岸エリアのマンション市場動向|20年第4四半期

国土交通省は2月24日、全国主要都市の計100地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」<20年第4四半期>を公表。

20年第4四半期(20年10月1日~21年1月1日)の佃、月島、豊洲、有明といった、湾岸エリアの新築分譲マンションの価格動向を中心に、不動産鑑定士のコメントをピックアップしておこう。

ざっくり言うと、前期同様「横ばい」で推移。


「横ばい」で推移(次図、次表)。

「横ばい」で推移

地区毎の総合評価(変動率)推移
「地区毎の総合評価(変動率)推移」(P20)を切り張り

【佃・月島】マンション分譲価格、横ばいで推移

新築及び中古マンションの売買取引に係る住宅需要は新型コロナウイルス感染症の緊急事態解除宣言以降回復しており、販売在庫数や需給動向は安定し、マンション分譲価格は横ばいで推移している。

地価動向
  • 当地区は銀座等の都心への優れた接近性を備えるとともに、東京タワーや東京スカイツリー等のランドマーク施設や河川等に囲まれた変化に富んだ眺望が得られることから、分譲・賃貸ともに高層マンションの需要が強く、人口・世帯数共に増加傾向にあり、BRTのプレ運行や環状2号線の整備等の都市基盤整備による利便性の向上のほか、子育て関連施設などの生活利便施設の拡充など、さらなる発展が期待される。新築及び中古マンションの売買取引に係る住宅需要は新型コロナウイルス感染症の緊急事態解除宣言以降回復しており、販売在庫数や需給動向は安定し、マンション分譲価格は横ばいで推移している。
  • マンション開発素地については、当地区の安定したマンション市況や、周辺で見込まれる各種開発への期待感を背景に、取引利回りは横ばいで推移し、デベロッパー等による素地需要に変化は見られないことから、当期の地価動向は横ばい傾向で推移した。
将来地価動向
  • 新型コロナウイルス感染症がマンション市況に与える影響は不透明であるが、根強いマンション需要に支えられ、マンション分譲価格及び賃料については横ばい傾向が続くと見込まれることから、将来の地価動向は横ばいで推移すると予想される。

【豊洲】マンション分譲価格、横ばいで推移

新型コロナウイルス感染症の影響により停滞していた売買取引は回復基調にあり、直近の新築分譲マンションの販売状況は概ね良好で価格は横ばいで推移した。

地価動向
  • 当地区は、他の湾岸エリアと同様に需要者の購入意欲が底堅いエリアである。
  • 新型コロナウイルス感染症の影響により停滞していた売買取引は回復基調にあり、直近の新築分譲マンションの販売状況は概ね良好で価格は横ばいで推移した。
  • 中古マンション市場においては、供給量の少なさから新型コロナウイルス感染症の拡大以降も大きな値崩れは見られず、価格水準は概ね横ばいで推移している。
  • このようなマンション需要の底堅さとともに、マンション開発素地の供給が極めて少ないこと等からデベロッパー等の開発素地需要は安定しているものの、新型コロナウイルス感染症の影響等から取引利回りは横ばい傾向が続いており、当地区の地価動向は横ばいで推移した。
将来地価動向
  • 当地区は、利便性の高さから買換え需要を中心にマンション需要は引き続き安定的に推移すると予想され、優良なマンション開発素地に対する需要も安定した状態が持続すると見込まれる。
  • 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することによってデベロッパーの取得意欲の減退等の懸念はあるものの、将来の地価動向は当期同様に概ね横ばいで推移すると予想される。

【有明】マンションの取引等は回復傾向

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言以降、しばらく停滞していたマンションの取引等は回復傾向にある。

地価動向
  • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言以降、しばらく停滞していたマンションの取引等は回復傾向にある。
  • 新築分譲マンションの大量供給によりマンション分譲価格の上昇は見られないものの、大規模複合施設等の開発が進む当地区の注目度は高く、売れ行きは良好である。
  • 今後も大量供給は続き、新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明であるなどの懸念材料はあるものの、国家戦略特区の認定を受けた大規模複合施設の開業や東京五輪関連施設が立地するほか、将来的にも環状2号線の開通や銀座と有明を結ぶ地下鉄構想があるなど、注目度は非常に高い。
  • 以上から、当地区はデベロッパーの安定した開発素地需要が見込めるエリアであることに変わりはなく、取引利回りは概ね横ばいで推移したことから、当期の地価動向は横ばいで推移した。
将来地価動向
  • 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することによる市況悪化の懸念は払拭されていないものの、当地区の将来性を背景にデベロッパーの開発素地取得需要は底堅いことから、将来の地価動向は横ばいで推移すると予想される。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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