超高層マンション(20階建て以上)の計画はどうなっているのか?
不動産経済研究所が4月27日に発表した「超高層マンション市場動向 2020」をひも解き、首都圏を中心に超高層マンションの来し方行く末を可視化。
新型コロナ、多くの案件で工期が延び、完成が遅れる懸念
首都圏の超高層マンションの供給戸数は、07年の23,868戸(=分譲19,984戸+賃貸3,884戸)がピーク。リーマンション以後、減少傾向にある(次図)。
同研究所は「今後の超高層マンションは、東京都心部や湾岸エリアを中心に超高層大規模開発や複合再開発プロジェクトなどが数多く控えており、2020年は続伸、1万8,000戸を突破し、2021年以降も1万3,000戸から1万5,000戸を維持する見込み」としている。ただ、「新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、多くの案件で工期が延び、完成が遅れる懸念も出てきている」と、暗い見立ても。
超高層マンション供給率15~20%で推移(首都圏)
首都圏の超高層マンションの供給率(全分譲マンション戸数に占める、分譲超高層マンション戸数の割合)を計算し、可視化したのが次図。
06~09年にかけて全マンションの戸数が減少するなかで、超高層マンションの供給率は増加し、09年には半分に迫る(45.6%)勢いを見せていたが、リーマンショック後に大きく減少。15年(33.1%)の異常な年を除くと、概ね15~20%で推移している。
※「全マンション(分譲)」の供給戸数は、不動産経済研究所が定期的に発表しているデータを用いた。
19年は竣工ラッシュだった(23区)
過去に発表されたデータも加えて、1都3県の超高層マンションの完成・計画戸数を可視化した(次図)。
1都3県の超高層マンションの完成・計画戸数の大半を担っている23区では、08年のリーマンショック後に大きく下落。15年は23区で超高層マンションが多く供給された異常な年であったことが分かる。19年は竣工ラッシュだったが(22棟、7,457戸)、20年以降は新型コロナの影響が懸念される。
20年以降の完成予定戸数、中央・港区に集中
発表資料には「2020年以降完成予定」として、東京23区と3県の主な都市の超高層マンションの完成予定戸数も掲載されている。
20年以降の首都圏の超高層マンションの完成予定戸数は81,525戸(177棟)。内訳は23区54,952戸(112棟)、都下5,165戸(13棟)、神奈川県11,619戸(26棟)、埼玉県4,018戸(13棟)、千葉県5,771戸(13棟)。
数字の羅列だとピンとこないので地図に落としてみた(次図)。
完成予定戸数は都心に集中していることが一目瞭然であろう。
さらに23区にフォーカスしたのが次図。
中央区と港区に集中していることが分かる。
まとめ
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首都圏の超高層マンションは、20年には1.8万戸を突破する見通しだが、新型コロナ感染拡大の影響によって、多くの案件で工期が延び、完成が遅れる懸念も出てきている。
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首都圏の超高層マンションの供給率は、09年には半分に迫る(45.6%)勢いを見せていたが、リーマンショック後に大きく減少。15年(33.1%)の異常な年を除くと、概ね15~20%で推移している。
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23区の超高層マンションは、19年は竣工ラッシュだったが(22棟、7,457戸)、20年以降は新型コロナの影響が懸念される。
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20年以降の超高層マンション完成予定戸数は、中央区と港区に集中している。
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