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都のホームレス調査は実態を反映しているのか

東京都は12月15日、「令和2年夏期 路上生活者概数調査の結果」を公表。本年1月と比べて、都内の路上生活者数が12人減ったという。

ホントにそうなのか? この夏はコロナによるホームレスの増加はなかったのか……。


もくじ

夏期の路上生活者12人減(都発表)

東京都は12月15日、「令和2年夏期 路上生活者概数調査の結果」を公表。

本年1月と比べて、都内の路上生活者数が12人減ったという。

調査結果(概要)

今回の調査で確認した令和2年8月時点での東京都の路上生活者数は、877人でした。このうち、都・区市町村等の調査による人数は568人(区550人、市町村18人)、国土交通省の調査による国管理河川の人数は309人でした。本年1月の調査結果と比べると、合計で12人の減となりました。

毎年8月と2月に実施している都の調査。いつもなら前年同月との比較に言及しているのに、今回は8月と2月との差をもって12人の減としたことに違和感を覚える。なぜ、昨年の8月との差160人減をアピールしなかったのか?

まあ、そのことはさておき、都の公表データ通りだとすれば、いわゆるホームレスは年々減少していることになる(次図)。

ホントにそうなのか? この夏はコロナによるホームレスの増加はなかったのか……。

都内の施設別の路上生活者数の推移

 

市区町別や施設別(公園・道路・河川・鉄道・その他)に、路上生活者の概数が表形式で公開されているので、23区を中心にさらに可視化してみよう。

路上生活者、河川敷減少するが公園は維持

河川敷の路上生活者が年々減少し400人を下回る一方で、公園の路上生活者は300人弱を維持している。

都内の施設別の路上生活者数の推移(8月)

1位新宿、2位渋谷、3位墨田

路上生活者数は、新宿区(96人)がダントツ。次いで渋谷区(79人)、墨田区(55人)、台東区(47人)の順(次図)。

路上生活者の概数(20年8月)

都発表「新宿区の10人減をはじめ・・・」はミスリード

「新宿区の10人減をはじめ、豊島区等で減少」したのは、路上生活者対策事業等の効果が寄与しているのだという。

区市別では、新宿区の10人減をはじめ、豊島区等で減少し、施設別では、主に電鉄関係、区管理道路、都管理道路等で減少しました。
これには、都と23区が共同で取り組んできた、自立支援センターの運営をはじめとする、路上生活者対策事業等の効果が、寄与しているものと考えられます。

念のため、都が過去に公表したデータもひも解き、路上生活者が多い上位5区の変化を確認してみた(次図)。

たしかに新宿区内の路上生活者は年々減少している。でも、渋谷・隅田・豊島区の路上生活者は昨年よりも増えている。

都の「豊島区等で減少」は間違いだし、渋谷・隅田・豊島区が増加したことに触れていないのはミスリード。 

都内の区ごと路上生活者数の推移(8月) 上位5区

夜間(市民団体調査)は昼間(都調査)の2倍

ホームレス問題を研究している市民団体ARCH(アーチ)が8月3日に公表した、『2020冬 東京ストリートカウントの結果(東京都発表との比較)』には、東京都による昼間調査値と同団体が実施した夜間調査値とでは約2.1倍の違いがあったとしている。

2020冬 東京ストリートカウントの結果(東京都発表との比較)

 

同団体は、実態に基づかずに政策決定を続けている都の姿勢を問題視している。

これまで4年半・9期にわたり市民の力で実施している東京ストリートカウントは、東京都福祉保健局保護課による昼間調査値が実態を反映しておらず、多くの人々が政策上いないことにされてしまっていることを明らかにしてきました。(中略)4年半にわたって市民の側から毎回2倍以上の人数がいることを示されていながら、実態に基づかない政策策定を行い続けている姿勢には、問題があると言わざるを得ません

 

昼間出掛けていたホームレスが、夜になるとネグラに戻ってくるのだから、昼夜で2~4倍の開きがあっても驚くことではないだろう。

むしろ、都がホームページで「本年1月の調査結果と比べると、合計で12人の減となりました」という、夜間の現実を見ていない(見せようとしていない?)発表でいいのか。

この冬はコロナの影響でホームレスが公園に溢れないことを祈るばかりだ。

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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