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羽田新ルート|横田空域の管制権、面積30倍の三沢空域とバーター!?【追記あり】

日本政府が羽田新ルートに係る米軍管理の横田空域の管制権が日本側に移るのと引き換えに、三沢空域の拡大を受け入れた可能性を指摘する毎日新聞のスクープ。

三沢空域の拡大は航空関係者の間では周知の事実だったようだ。ただ、毎日新聞の記者は、国交省の関係者などに取材を重ね、世間に向けて可視化したのはアッパレ!


もくじ

横田合意後に三沢空域拡大(毎日新聞スクープ)

毎日新聞が10月19日の日曜の1面に、羽田新ルート関連のスクープを掲載(写真)。

横田合意後に三沢空域拡大 

日本政府が羽田新ルートに係る米軍管理の横田空域の管制権が日本側に移るのと引き換えに、三沢空域の拡大を受け入れた可能性を指摘した記事である。

横田合意後に三沢空域拡大 
米軍と「貸し借り」
政府関係者 羽田新ルートで

米軍三沢基地(青森県三沢市)所属の空軍部隊が使う臨時訓練空域(アルトラブ)が2019年6月から拡大していたことが判明した。

この約5カ月前には、羽田空港(東京)の新ルート実現のため、米軍管理の横田空域を通過する民間機の管制を日本側が担う協議が日米間でまとまっていた。毎日新聞の取材に対し、政府関係者は横田と三沢の案件には交換条件のような直接的な関係はなかったとしつつも「互いの事情に配慮した貸し借りのようなもの」と証言している。

関係者によると、拡大されたのは米軍が優先使用できる三沢基地の臨時訓練空域。拡大後は「MAGNUM(マグナム)」と呼ばれている。日米地位協定の運用を議論する日米合同委員会の合意に基づき運用され、米軍の使用時は民間機が通過できなくなる。(以下略)

(毎日新聞 10月18日1面)

 

さらに3面に、羽田新ルートに絡むダメ押しの記事。

空域変更、米意向伺い 羽田発着枠、要求も

羽田新ルートに係る国際線増便枠の半数を日米路線に割り当てたのは、横田管制合意への配慮であることを現役の国交省幹部が明かしたという。

空域変更、米意向伺い
羽田発着枠、要求も

(前略)横田管制の交渉で渡米した当時の航空局長は取材に「直接的な取引ではない」と否定するものの、政府関係者は「空域の貸し借りのようなもの」と証言し、横田案件が空域拡大の一因になった可能性も示唆している。

羽田新ルートを巡っては別の取引も指摘されている。

横田の管制について日米合意した2週間後、石井啓一国交相(当時)が記者会見で、羽田新ルートによって1日当たり50便(往復)増える国際線発着枠のうち、約半数となる24便を日米路線に割り当てる方針を明らかにしたからだ。現役の国交省幹部は「横田の管制で合意したことを受け、発着枠の配分で配慮するようにアメリカから明確に言われていた」と明かす。(以下略)

(毎日新聞 10月18日3面)

社会面にも、首都圏などの空の一部が米軍管理下の置かれている問題として、日本総合研究所会長の寺島実郎氏のコメントが掲載されている(写真)。

日本総合研究所会長の寺島実郎氏のコメント

運航管理者、コードネームMAGNUMで社内周知を図る

毎日新聞の記事を見た運航管理者(Flight dispatcher)がNewsPicksに貴重なコメントを寄せている。

この記事のおかげでMAGNUMというコードネームを知ることができたので、改めて迂回経路の件を社内で周知するのだという。

航空関係者の間では周知の事実でしたが、いまごろスクープ記事のようです。

昨年、羽田空港に対して東京都心上空から進入する着陸ルートを設定する件で、横田空域に一部かかる点が問題となり、結局日本側で管制を行えるよう合意したと報じられて1、2ヶ月後だったと思いますが、なぜか新千歳空港の飛行方式に記事中にある迂回経路が設定され、さらに自衛隊や米軍により頻繁に問題の空域での演習が行われるようになりました。

(中略)

航空情報として発行される演習空域について、建前が「一時的なもの」とされているために「いつもの演習空域XXです」というような名前がついておらず、また「XXで演習が行われている時には新千歳からの出発機は迂回経路となる」という情報の公示もされていない(業界関係者への内示はされていますが)ため、平日のこの時間帯は迂回経路だから事前にその分の燃料を積んでおこう、というような対応を取るのが難しくなっています。

この記事のおかげでMAGNUMというコードネームを知ることができましたので、これをもとに資料を作り、この情報が出ている時間帯は迂回経路となるということを社内で改めて周知しようと思います

NewsPicks 10月18日

横田空域の管制権、面積30倍の三沢空域とバーター!?

三沢の拡大後の空域はMAGNUM(マグナム)と呼ばれ、従来の面積から東京ドーム約4万6000個分にあたる約2160km2も広がったと、毎日は報じている(次図)。

米軍三沢基地の臨時訓練空域と民間機のルートのイメージ
毎日新聞の記事に掲載されている「米軍三沢基地の臨時訓練空域と民間機のルートのイメージ」をもとに筆者作成。

 

羽田新ルートが横田空域を通過する面積を拾うと約73km2(次図)。横田空域における羽田新ルート分の管制権が日本側に移った面積はザックリ100km2だとしても、三沢空域の拡大ぶん(2160km2)の3.4%でしかない。

横田空域の管制権をチョッピリ使わせてもらう代わりに、30倍の三沢空域を差し出したことになる。こんな「貸し借り」で帳尻は合っているのだろうか……。

羽田新ルートが 横田空域を 通過するエリア
羽田新ルート|米軍支配「横田空域」を可視化」に追記

【追記】赤羽国交大臣コメント

※10月21日追記

赤羽国交大臣は10月20日の定例記者会見で、「空域間で貸し借りを行っているということはありません」と断言した。また、交渉の経緯非公開方針に変わりはないとした。

記者

羽田新ルートを巡る横田空域の交渉締結後に、三沢の米軍の臨時訓練空域が拡大されたとの報道が出ていますが、戦後75年経つ中で、日本に米軍の空域が残って、空域の「貸し借り」が続いている状況について、大臣の所感を教えてください。

もう1点が、交渉の経緯等の情報の開示がなく、国民に見えない状況にありますが、改善の必要性についていかがでしょうか。

大臣

米軍の空域の使用に関する調整については、航空行政を所管する国土交通省として、その必要性、目的、範囲等について、従来より関係機関と十分に協議を重ねて対応しております。
その対応に当たっては、民間航空の安全確保に万全を期することを前提に、それぞれの空域ごとに、空域の形状や使用方法等を判断し、調整しているものです。
御質問にあった、空域間で貸し借りを行っているということはありません

なお、米軍が使用する空域の調整過程については、米国との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、従来より公開は差し控えさせていただいておりまして、現時点でその方針に変わりはありません

空域の貸し借り問題は、毎日新聞の記者が政府関係者からの取材によるもの。なぜ、記者会見に同席したであろう毎日新聞の記者は、その点を突っ込まなかったのかって、記者クラブの会員にそれを期待するのは無理か……。

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