南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートの運用が開始されたのは4月3日。
新型コロナの影響により国内線・国際線ともに大幅な減便が続いているなかで、羽田新ルートの運用が強行されている。
7月はどうだったのか……。
※7月31日更新
6月以降、回復傾向
7月は南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートが運用されたのは、20日間。この間、合計1,355機が都心上空を舞った。
5月まで続いていた減便は、6月以降回復傾向が見られる。A滑走路到着ルートは1日あたり20機を超え、C滑走路到着ルートは1日あたり最大68機を記録した(次図)。
※実機飛行確認の機数はflightradar24で、運用開始後の機数は「羽田空港飛行コース」の航跡動画をもとに調べた(以下、同じ)。
(到着ルート説明図)破線は「悪天時」ルート
通過頻度を可視化
上図を1時間当たりの通過頻度で描き換えたのが次図。
国交省の計画では、A滑走路到着ルートは1時間当たり14回(4分17秒ごと)、C滑走路到着ルートは1時間当たり30回(2分ごと)の頻度で飛ぶことになっている。
ところが、新型コロナの影響による減便が著しい。4月下旬以降、A滑走路到着ルートでは1時間当たり5機程度、C滑走路到着ルートでは1時間当たり10機程度だった。
6月以降、A・C滑走路到着ルートともに回復傾向が見られる。
※6月6日と6月21日のC滑走路到着ルートの通過頻度が跳ね上がっているのは、当日同ルートの運用時間が短かったことによる。
大型機の割合は少ないまま
機材区分別(小型・中型・大型機)の通過機数の推移を可視化したのが次図。
4月初旬に45機前後飛行していた小型機は、4月下旬以降半減。中型機も同様の傾向が見られた。
ところが6月以降、小型機、中型機、大型機ともに増加傾向が見られる。
国交省の説明資料によれば、羽田空港で使われている飛行機は、小型機48%、中型機25%、大型機26%となっている(次図)。
FAQ冊子v6.2_P58
一方、筆者の独自調査では、国交省データ(19年1月時点)と比べて大型機の割合が小さく、そのぶん小型機の割合が大きくなっていることが分かる(次図)。
6月以降、便数は回復傾向にあるが大型機の割合は少ないまま。本来の飛行騒音状況はもっと酷いことに要留意。
7月に最も多かった機材は、ボーイング737-800(小型機)の556機(41%)。
※機材区分は概ね、大型機(300席以上)、中型機(200~300席)、小型機(200席未満)とした。
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