「週刊ダイヤモンド」20年7月11号の特集は「バブル崩壊 不動産 ゼネコン withコロナ」。「上場不動産134社経営危険度ランキング」記事が見開き2ページで掲載されている。
たとえば、経営危険度ワースト3は次のとおり。
- 順位:社名(総合得点営業/CF対売上高比率(%)/棚卸資産回転期間(か月)/有利子負債月商倍率(か月))
- 1位:ファーストブラザーズ(4.7/▲27.40/39.92/31.30)
- 2位:ロードスターキヤピタル(10.8/▲26.37/21.95/19.06)
- 3位:イントランス(11.7/▲109.03/26.82/17.29)
ワースト3をみても、このブログの読者にはピンとこないだろう。
経営危険度ランキング(新築マンション不動産会社)
そこで、134社のうち、新築マンションを多く扱っていて比較的よく耳にする不動産会社28社をピックアップした結果を以下に示す。
- 順位:社名(総合得点/営業CF対売上高比率 (%)/棚卸資産回転期間(か月)/有利子負債月商倍率(か月)
- 12位:プロスペクト(28.8/▲ 18.10/7.58/22.78)
- 19位:新日本建物(35.9/▲ 12.01/11.73/11.13)
- 20位:エスリード(35.9/▲ 17.64/10.21/4.35)
- 22位:東京建物(40.8/7.46/12.21/33.74)
- 25位:コスモスイニシア(41.5/▲ 7.25/11.51/8.51)
- 30位:サムティ(44.3/5.17/12.7/21.82)
- 31位:三井不動産(44.5/4.57/11.98/21.92)
- 34位:明和地所(45.8/▲ 0.66/12.85/8.59)
- 35位:東急不動産HD(45.9/▲ 0.69/8.38/16.96)
- 37位:セントラル総合開発(46.2/▲ 7.25/7.15/7.34)
- 43位:ゴールドクレスト(48.4/17.15/28.7/18.45)
- 44位:THEグローバル社(48.5/4.39/12.3/13)
- 46位:曰本エスコン(49.1/0.17/9.33/10.24)
- 49位:野村不動産HD(50.3/8.37/12.67/15.43)
- 60位:FJネクスト(54.6/1.16/7.89/3.7)
- 61位:住友不動産(54.7/22.74/7.68/40.74)
- 64位:穴吹興産(55/2.04/7/6.11)
- 65位:プレサンスコーポション(55/10.35/13.14/8.52)
- 72位:アスコット(58.2/12.06/11.39/8.39)
- 84位:フージャースHD(62.9/18.9/10.73/11.96)
- 85位:ランドビジネス(63.2/24.13/0.02/86.13)
- 96位:プロパスト(66.7/16.52/7.18/7.02)
- 106位:三菱地所(71.3/26.25/3.03/22.37)
- 110位:スターツコーポレーション(71.8/14.67/1.72/4.1)
- 112位:明豊エンタープライズ(72.2/19.29/5.26/4.41)
- 117位:ヒューリック(76.5/64.71/4.76/38.66)
- 118位:アルデプロ(77.7/28.64/7.8/4.72)
- 120位:タカラレーベン(78.4/28.32/5.01/8.12)
経営危険度の指標として、「営業CF対売上高比率」「棚卸資産回転期間」「有利子負債月商倍率」の3つを取り上げ、次式のように重み付けして算出されている。
- 営業CF対売上高比率(60点満点)=営業キャッシュフロー÷売上高×100
キヤツ、シユを生み出す力、手持ち資金の厚みを示す。数字が大きいほど良い- 棚卸資産回転期間(20点満点)=棚卸資産÷(売上高÷12)
在庫の状況を示す。数字が小さいほど良い- 有利子負債月商倍率(20点満点)=有利子負債÷(売上高÷12)
利息の支払いを伴う負債が月商の何倍あるかを示す。数字が小さいほど良い
経営危険度を可視化
さらに134社の経営指標を可視化したのが次図。
横軸は「営業CF対売上高比率」(手持ち資金の厚みを示す)、縦軸は「棚卸資産回転期間」(数字が小さいほど良い)、円の大きさは「有利子負債月商倍率」(円が小さいほど良い)。
赤色破線で示した134社の平均値よりも左上は、比較的経営状況が厳しいゾーン。逆に、右下は比較的優良なゾーン。
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