南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートの利用状況をチェックしていて、機数が極端に少ない日があることに気がついた。なぜなのか、という話。
羽田新ルートを利用した機数が極端に少ない日がある
4月3日に南風時の運用が始まって以来、都心上空を通過して羽田に到着する新ルートの利用状況をチェックしている。6月に同ルートが運用されたのは6月22日までに16日間。この間、合計684機が都心上空を舞った。
684機の状況を可視化して、気づいたことがある。C滑走路到着ルートの機数(赤色折れ線グラフ)が2か所、極端に少ない日があるのだ(次図)。
具体的には6月6日(土)と6月21日(日)の2日間。それぞれ10機と19機。
(到着ルート説明図)破線は「悪天時」ルート
羽田新ルートの運用日数を増やそうとしている!?
何が気になるのかといえば、本来であれば到着ルートは15時から19時(うち3時間)の時間帯に運用されることになっている。ところが、両日とも新ルートを運用したのは1時間に満たないのだ(次表)。
1時間にも満たないのならば、わざわざ新ルートを運用をせずに、従来の海から入って海に出るルートを選択してもよさそうものなのだが……。
国交省は羽田新ルートの1日の運用時間が短くてもいいからできるだけ運用日数(運用実績)を増やそうとしているのではないのか?
なぜそのように思えるのか。
6月21日にA/C滑走路に23機が着陸した時間帯(15:22~16:18、次表の黄色部分)の羽田空港の気象状況が「南風時」の運用を必須としていないことがその主たる理由である(次表)。
※6月6日の気象データは保存してなかったので未確認。
ちなみに、国交省が運用しているサイト「羽田空港飛行コース」に公開されている「過去の運用状況」をひも解くと、6月21日に新ルートの運用に切り替えられていたのは60分間(14:30~15:30)になっている。
- 14:00 ILS LDG RWY 22/23(ILS B/D滑走路到着ルート)
- 14:30 RNAV LDG RWY 16L/16R(南風時 C/A滑走路到着ルート)
- 15:00 RNAV LDG RWY 16L/16R(同上)
- 15:30 ILS LDG RWY 34L/34R(北風時 C/A滑走路到着ルート)
- 16:00 ILS LDG RWY 34L/34R(同上)
実際にC/A滑走路に23機が着陸した時間帯は15:22~16:18だった。北風時ルートに切り替わった時刻15:30を過ぎても南風時の運用が行われていたことになるのだが……。管制システムに詳しい方、分かりますか?
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