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羽田新ルート|豊島区議会「20年第2回定例会」質疑応答

豊島区議会の「20年第2回定例会」本会議一般質問(6月23日・24日)で、羽田新ルートに関して、2人の質疑応答があった。

※この記事は23年7月8日に作成した(豊島区議会HPの会議録を検索したところ、20年第2回定例会で羽田新ルートが取り上げられていたことが判明したため)。約2千500文字。


質疑応答のポイント

※答弁は、高際みゆき副区長


清水みちこ議員(共産)

清水みちこ議員(共産)
清水みちこ議員(共産党、区議2期、愛知県女子短大卒、54歳)

最後に、第三の質問、羽田空港新ルートについてです。

今年3月24日、東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定されたにもかかわらず、国は当初の予定どおり、3月29日から新ルートの運航を強行しました。地域でも区民アンケートでも、「コロナ対策で窓を開けたくてもうるさくて窓が開けられない。精神的に参っている」「振動がすごい」「落下物、騒音、何より墜落が心配。即中止」「豊島区から引っ越しを考えている」など、区民からは怒りと不安の声が上がっています。これまで小池百合子都知事は、新ルートが国際競争力の向上、東京オリンピック・パラリンピックのため「機能強化は極めて重要」として、積極的に進めてきました。区長も同様に理解を示してきました。しかし、新型コロナウイルスの影響で、航空需要が8割から9割も激減し、増便を理由とする運用は成り立ちません。

問1:新ルートの撤回を国に求めるべき

そこで質問です。このように、区民からは強い反対の声が上がるとともに、品川、港区議会では固定化しないよう決議を上げ、品川区長も固定化しないよう求めています。また、我が党、山添拓参院議員の調査で、国交省は、住民や自治体からの「固定化しないでほしい」との要望から、6月中に固定化回避策を検討する有識者検討会を立ち上げることがわかりました。しかし、結論が出るのに数年を要するとも言われているのは許せません。今こそ、区長は、区民の声に耳を傾け、区民の命を守るため、新ルートの撤回を国に求めるべきですが、いかがですか。

問2:区独自で継続的に騒音測定をすべき

また、豊島区は2月の実機飛行時に2回騒音測定をしましたが、その後、騒音測定は行っているのでしょうか。運用後に国が行っている騒音測定データは「いまだに区に示されていない」と聞いております。実態をつかむために、区独自で継続的に騒音測定をすべきと考えますが、いかがですか。答弁を求めます。

高際みゆき副区長

高際みゆき副区長(95年4月東京都入庁、元東京都政策企画局秘書事務担当部長、55歳)

答1:現時点で国に新飛行経路の撤回を求める考えはございません

次に、羽田空港新ルートについての御質問のうち、まず、新ルートの撤回を国に求めることについての御質問にお答えいたします。

羽田空港の機能強化については、東京の国際競争力を高めるとともに、多くの観光客の誘致、都民の利便性を向上する上で必要と考えております。また、平成30年第3回定例会の本会議において、経路撤回の陳情が不採択となっている経緯も踏まえまして、現時点で国に対し新飛行経路の撤回を求める考えはございません。

なお、国において、新経路の固定化を回避するための方策について、技術的観点から検討を行うための会議を開催する旨、発表されております。区といたしましては、今後の検討状況を注視し、随時情報提供を求めてまいります。

答2:5月27日に独自測定を行いました

次に、実機飛行以降の騒音測定の実施の有無及び区独自で継続的に騒音測定することについての御質問にお答えいたします。

3月29日以降の本格運用については、国が常時騒音測定をしておりますが、観測結果に関する情報の提供がないため、区としても現状把握の観点から、5月27日に独自測定を行いました。測定結果の精査にはまだ日数を要する見込みですが、作業完了後、速やかに議会を初め区民の皆様に公表いたしてまいります。

塚田ひさこ議員(無所属の会)

塚田ひさこ議員

塚田ひさこ議員(無所属の会(生活者ネットワーク)、区議1期、元サントリー社員、成城大卒、57歳)

その他として、羽田新ルートによる豊島区上空低空飛行問題についてお聞きします。

3月29日より本格実施となりました羽田新ルートについては、騒音や落下物、過酷事故の可能性もゼロとは言い切れないなど、その問題点を指摘してまいりました。

直近の報道で国土交通省は、6月16日に新ルート見直しを議論する検討会を設置することを決め、初会合を30日にすると明らかにしました。

問1:区に寄せられた区民の声を国交省へ伝えて

前回の私の一般質問への答弁で、飛行ルート下の騒音については、国交省の測定に加えて、区独自で区内で最も低く飛行する経路の下にある、南長崎第二保育園の屋上にて測定することを計画、実施予定と聞きました。その測定結果も合わせて、国交省の検討会初会合の前に、区に寄せられた区民の声を国交省へ伝えていただくよう要望いたします。

問2:広く区民の意見を聴く機会を設けるべき

私のところにも、区民の方から「コロナでステイホームが続いている中、気が休まる暇がない」「南風好天の日の条件と認識していたが、強風雨天の日にも飛行が見られるようで不安だ」といった声がたくさん寄せられています。お手紙もいただきました。ルート直下とされている千川~南長崎からは、かなり離れている雑司が谷~高田エリアでも、機体は大きく見えるし唸るような音も聞こえてきます。高田三丁目に住む区民の方からも「こんなに大きく見えたよ」と、飛行機の動画が送られてきたこともあります。


このような状況からルート直下の西部エリアのみならず、広く区民の意見を聴く機会を設けるべきです。そして本格実施後の区民の生の声を聴き、国の検討委員会の方々に豊島区から公式に伝え、区民の安心安全の生活が脅かされると判断されたときは、ルート見直しも含め強く改善を要望すべきと考えますが、区長の見解をお聞きします。

高際みゆき副区長

答1:随時情報提供を求めてまいります

次に、羽田新ルート豊島区上空低空飛行問題についての御質問のうち、まず、羽田新ルートの見直しを議論する検討会に係る国土交通省からの連絡内容及び区の対応方針についての御質問にお答えいたします。


国が立ち上げた検討会は、最新の航空管制や航空機器の技術革新を踏まえた検討を行い、今年度中に、新経路の固定化回避に向けた技術的な選択肢の論点整理を行う工程となっており、区といたしましては、今後の検討状況を注視し、随時情報提供を求めてまいります。

答2:意見や要望、国へ既にお伝えをしております

次に、南長崎第二保育園の屋上での騒音測定結果と区民の皆様の声を、国土交通省の検討会初会合の前に伝えることについての御質問にお答えいたします。

区独自の測定を2月に行い、結果については、区のホームページに公表しておりますが、国の測定結果と同程度の数値であったため、このことについて国に対して報告する予定はございません。

また、2月の実機飛行以降、区に30件ほどの意見や要望が寄せられておりますが、これについては、国へ、既にお伝えをしております。

答3:国に対して再度の開催を強く要望してまいります

次に、区民の皆様の声を国に伝え、区民の皆様の安心安全が脅かされると判断される場合は、ルートの見直しを含め、改善を要望することについての御質問にお答えいたします。

区といたしましては、騒音や落下物などについて、区民の皆様の御不安の声については十分認識をしてございます。

これまでも、区が国に強く要望した結果、教室型説明会の開催が実現しましたが、今後も引き続き、国に対して再度の開催を強く要望してまいります。

以上をもちまして、塚田ひさこ議員の御質問に対する答弁を終わります。

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