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羽田新ルート|令和2年版「首都圏白書」から、住民の理解が削除された

国交省は6月16日、令和2年版「首都圏白書」(令和元年度首都圏整備に関する年次報告)を公表。

令和2年版「首都圏白書」(令和元年度首都圏整備に関する年次報告)
同白書のなかで、羽田新ルートついて若干触れられているので、昨年版(令和元年版)との違いを調べてみた。


もくじ

令和2年版:丁寧な情報提供に努めていく

令和2年版(全126頁)では、80頁に次のように記されている。

 また、首都圏の国際競争力の強化のほか、地方創生、「明日の日本を支える観光ビジョン」(平成28(2016)年3月30日、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議)における訪日外国人旅行者数を令和2(2020)年に4,000万人、令和12(2030)年に6,000万人にする目標の達成等の観点からも、両空港の更なる機能強化は必要不可欠であり、両空港を合わせて年間約100万回の発着容量とするための取組を進めているところである。

 羽田空港においては、訪日外国人旅行者の受入拡大や我が国の国際競争力の強化を主眼として、令和2(2020)年3月29日から新飛行経路の運用を開始し、国際線の年間発着容量を約4万回拡大した。新飛行経路の運用にあたっては、騒音・落下物対策を着実に実施するとともに引き続き丁寧な情報提供に努めていくこととしている

令和2年版「首都圏白書」(令和元年度首都圏整備に関する年次報告)

令和元年版:丁寧な情報提供、住民の方々に理解を得られるよう努めていく

一方、令和元年版(全130頁)では、86頁に次のように記されている。

朱書きは令和2年版で削除された部分、 は令和2年版で追記された部分を示す。

 また、首都圏の国際競争力の強化のほか、地方創生、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の円滑な開催、「明日の日本を支える観光ビジョン」(平成28(2016)年3月30日、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議)における訪日外国人旅行者数を2020年に4,000万人、2030年に6,000万人にする目標の達成等の観点からも、両空港の機能強化は必要不可欠であり、両空港を合わせて、ロンドン、ニューヨークに匹敵する世界最高水準の年間約100万回の発着容量とするための取組を進めているところである。

 羽田空港においては、現在、訪日外国人旅行者の受入拡大や我が国の国際競争力の強化を主眼として、飛行経路の見直し等により、令和2(2020)年までに3月29日から新飛行経路の運用を開始し、国際線の年間)発着容量を約4万回拡大(した。する機能強化に取り組んでおり、必要となる航空保安施設や誘導路等の施設整備、騒音・落下物対策等を進めるとともに、5巡目となる住民説明会を開催する等、新飛行経路の運用にあたっては、騒音・落下物対策を着実に実施するとともに引き続き丁寧な情報提供努めているところである。引き続き、こうした対策や情報提供に着実に取り組み、住民の方々に理解を得られるよう努めていくこととしている。

令和元年版「首都圏白書」(平成30年度首都圏整備に関する年次報告)

令和2年版から、住民の理解が削除された

令和2年版と令和元年版との大きな違いをまとめると次の2点に集約される。

ひとつは、羽田新ルート推進の根拠のひとつとされていた「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の円滑な開催」が削除されたこと。

もう一つは、「住民の方々に理解を得られるよう努めていくこと」が削除されたこと。

白書の変更点をつぶさにチェックしている人は多くないだろうから、特に2点目については、重要な変更点として指摘しておきたい。

20年6月3日に開催された国会衆議院「国土交通委員会」において、航空局長は次のように発言していることを忘れてはならない。

国土交通省と致しましては、今後ともこれまでにお約束した各種の騒音対策を着実に実施をし、地域の皆様の理解が深まるよう最大限努めてまいります

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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