新型コロナの影響により国内線・国際線ともに大幅な減便が続いているなかで、羽田新ルートの運用が強行されている。
4月に南風時の到着ルートが運用されたのは17日間。合計804機が都心上空を舞った(スカスカでも無理やり運用(4月))。
5月に入ってもこのスカスカ状況は変わっていない。
5月に入ってもスカスカで運用
5月に南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートが運用されたのは、19日間。この間、合計691機が都心上空を舞った。
5月に入っても減便傾向は続いていることが確認できる(次図)。
※実機飛行確認の機数はflightradar24で、運用開始後の機数は「羽田空港飛行コース」の航跡動画で調べた(以下、同じ)。
上図を1時間当たりの通過頻度で描き換えたのが次図。
国交省の計画では、A滑走路到着ルートは1時間当たり14回(4分17秒ごと)、C滑走路到着ルートは1時間当たり30回(2分ごと)の頻度で飛ぶことになっている。
ところが、新型コロナの影響による減便が著しい。5月に入ると、A滑走路到着ルートでは1時間当たり5機程度、C滑走路到着ルートでは1時間当たり10機を下回る日が多い。
※上図訂正(20年6月11日)
小型機の割合が増加
新ルートを飛行する機数が大幅に減少するという量的変化だけでなく、小型機の割合が増えるという質的変化も生じている。
機材区分別(小型・中型・大型機)の通過機数の推移を可視化したのが次図。
4月初旬に45機前後飛行していた小型機は、4月下旬以降半減。中型機も同様の傾向が見られる。
国交省の説明資料によれば、羽田空港で使われている飛行機は、小型機35%、中型機33%、大型機31%となっている(次図)。
FAQ冊子v6.2_P58
一方、筆者の独自調査では、国交省データ(19年1月時点)と比べて大型機の割合が小さく、そのぶん小型機の割合が大きくなっていることが分かる(次図)。
5月に入って最も多かったのはボーイング737-800(小型機)の280機(40.5%)。次に多かったのがエンブラエル190(小型機)の103機(14.9%)。
※機材区分は概ね、大型機(300席以上)、中型機(200~300席)、小型機(200席未満)とした。
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