赤羽大臣は11月19日、閣議後の記者会見で羽田新ルートに係る質問に応じた。
※時間のない方は、「質疑応答のポイント」と文末の「雑感」をお読みいただければと。
質疑応答
赤羽一嘉 国交大臣(公明党、8期、元三井物産社員、慶大卒、61歳)
記者:もっと羽田を活用してほしいという声が強いのですが
港区の区報によると、成田空港に対する騒音と落下物の影響で、区民が大変迷惑しているということで、1月12日にはみなとパーク芝浦、1月22日には六本木ヒルズで、羽田空港の機能強化というタイトルで説明会が開かれるということなのですけれども、港区には日本の中にある海外の領事館が半数ございまして、約100の領事館がありますが、この領事館の方からは、騒音だとか落下物というので影響は一切受けていないと、成田の方は、今回の台風でも海外から来る飛行機が1日の3分の1しかCIQ(筆者注:税関(Customs)、出入国管理(Immigration)、検疫所(Quarantine)の略)、税関とかその他が開いていないので、到着できないので大変迷惑がかかったので、こういった時に落下物とか騒音だけで成田空港を拡大するというのは、運動が止まってしまっていると、もっと羽田を活用してほしいという声が強いのですが、いかがでしょうか。
大臣:それは港区の情報ですか
それは港区の情報ですか。
記者:港区で出しております、「広報みなと」という区報です
港区で出しております、「広報みなと」という区報です。
大臣:お話は、最後の羽田空港をもう少し活用しろという御趣旨ですか
お話は、最後の羽田空港をもう少し活用しろという御趣旨ですか。
記者:成田よりかは羽田空港に旅客便ができるだけ多く着くようにと
そうです。今回の台風を見ても、日本の各空港が今のままでは水没するところもたくさん出るので、いずれ航空機はオスプレイのようなヘリコプター化、大型化したものが使われて、空港のビルも円形になり、その上に離発着すると。
そのために航空局の人たちが今後各県に力を尽くしていくことができると思いますので、成田よりかは羽田空港に旅客便ができるだけ多く着くようにと。
大臣:この話は丁寧に進めていきたい
首都圏空港の機能強化については、来年東京オリンピック・パラリンピックがありますし、今後、首都圏の国際競争力の強化ですとか、今増加している訪日外国人旅行者のスムーズな受け入れなどを実現するために、首都圏の空港の機能強化は必要だと考えております。
今、御指摘の羽田空港の機能強化に関する具体的な方策につきましては、専門家の方や東京都等を交えてこれまでも検討、協議を重ねてきました。
その結果、羽田空港の飛行経路の見直しによる容量拡大をお願いせざるを得ないという結論に至っております。
ただ、羽田空港の機能強化に向けましては、騒音とか落下物の懸念も地元住民の方でお持ちの方もいらっしゃるので、これまで5巡にわたって住民説明会を開催させていただき、情報の提供に努めてまいったところです。
実は昨日から6巡目となる住民説明会を開始しているところでして、今後も様々な機会を捉えて丁寧な説明を行い、そして出来るだけ多くの方々に理解を得られるよう、当然のことながら落下物等の事故が起こらないように飛行会社にもしっかりと指導しながら、この話は丁寧に進めていきたいと考えております。
雑感(2か月前の忖度質問を繰り返す記者…)
港区には約100の領事館があり「この領事館の方」からは「もっと羽田を活用してほしいという声が強い」と発言する記者。領事館の多くが羽田増便に賛成しているような印象を与える記者の発言。
じつは2か月前の赤羽大臣就任初の定例記者会見(9月13日)でも、記者から同様の発言があった。
港区には100の大使館がありまして、外国の大使館は、騒音・落下物に関しては一向に迷惑は掛かっていないと。
空港は大使館その他出入りするためにあるわけですから、その自分達が迷惑掛かってないのに、何で騒音・落下物で羽田を使わなく、飛行機を減便させようと言うのか。
全然迷惑でないと。
※詳しくは、「羽田新ルート|赤羽大臣「丁寧に対応、できる限り多くの方々の御理解を」 」参照。
この記者の偏向した発言は、忖度質問の極み。
「大使館は皆、是非、羽田空港に集中して旅客便は乗り入れて欲しいという運動をしています」(9月13日の記者発言)とまで言い切るならば、しっかりとしたエビデンスに基づいた調査報道をすべきだろう。
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