国交省は11月19日、「航空交通管制区又は航空・・・空域を指定する告示」及び「航空交通管制業務に関する告示」のパブリックコメントの受付を開始(次図)。
このパブコメのタイトルを見て、羽田新ルート関連のことだと気づく人はほとんどいないのではないか。
- 「航空交通管制区又は航空交通管制圏のうち計器飛行方式により飛行しなければならない空域を指定する告示」及び「航空交通管制業務に関する告示」の一部改正案に関する意見募集について
そもそも電子政府の総合窓口e-Govイーガブの「パブリックコメント(意見募集中案件一覧)」をチェックしている人でなければ、このパブコメに気づくことさえない。
何のパブコメかと言えば――
これまで都心上空を飛行していた小型機やヘリコプターが羽田新ルートを通過する旅客機と衝突しないように「特別管制空域」を指定し、同空域の適用時間(15 時から 19時まで)を設定するという告示案に関する意見募集。
1.背景
(前略)今般、首都圏機能強化の一環として羽田空港の飛行経路を見直し、南風時における飛行経路を新たに設定しようとしているところ、これにより、当該飛行経路を飛行する羽田空港到着機と多様な運航目的のために都心上空を飛行する小型航空機及び回転翼機が輻輳するおそれが生じるため、双方の運航の安全を確保する必要がある。
このため、航空法第 94 条の2第1項に基づく告示等を改正し、新経路に係る特別管制空域を新たに指定するとともに、当該指定に係る規制の適用時間について所要の措置を講ずることとする。
「特別管制空域」を表現したのが次のイメージ図。
「住民説明会で用いるパネル」P13より
次図のように、都心上空着陸ルートの一部に「特別管制空域」が設定される。
パブコメ「別紙」より
パブコメ受付期間は1か月間(19年11月19日~12月18日)。特に異議がなければ、20年3月中旬に公布、同年3月下旬に施行される。とういうか、こんなパブコメが出ていることを知っているのは、航空行政関係者くらいなのではないか。
20年3月29日の羽田新ルート運用開始に向けて、国交省は着実にコマを進めている……。
追記(2020年1月11日)
本パブコメ結果については、「羽田新ルート|「特別管制空域・・・に関する告示」パブコメ結果」参照。