国交省が羽田新ルートに係る「情報発信拠点」の設置を行うのは、今回の渋谷区追加分を含め17か所目。
渋谷区民の5割(12万人)が騒音の影響を受ける(筆者試算)。羽田新ルート問題は渋谷区民にシッカリ共有化できているのだろうか……。
日付を遡って、渋谷のパネル展示を追加
国交省が運営しているサイト「羽田空港のこれから」を閲覧して今朝(8月22日)、「【日程・会場追加】渋谷区における情報発信拠点の設置について」のお知らせが掲載されていることに気がついた。
発信日は8月20日付(2日前)となっている(次図)。
でも、この日付は明らかにおかしい。
昨日(8月21日)15時に確認したときには掲載されていなかったからだ(次図)。
お知らせ日にウソがあってはいけない。8月7日付の情報を削除せずに、8月21日付の情報として追加すべきだ。削除するにしても、少なくとも8月20日付ではなく、8月21日付とすべきではないのか。
ただ、念のために付け加えておくと、昨日(8月21日)15時の段階で「渋谷区における情報発信拠点の開設について」をクリックすると、8月7日付で「開設場所:初台出張所」だけでなく、8月20日付(実際に8月20日に掲載されたかどうかは未確認)として「開設場所:千駄ヶ谷出張所」も追加されていた(次図)。
事前の周知期間は長くなった(17か所比較)
国交省が羽田新ルートに係る「情報発信拠点」の設置を行うのは、今回の渋谷区追加分を含め17か所目(次表)。
今年度に入ってから、周知期間は長くなってきたが、開設日数は7日以下と相変わらず短い。
渋谷区はホームページと広報誌でシッカリ周知
今回の追加情報につき、渋谷区はどうしているのかと言えば――
渋谷区HPの新着情報として8月20日付で、情報発信拠点の開設が掲載されている。
情報発信拠点(展示ブース)を開設します。
国は、飛行経路見直し等による羽田空港の機能強化(国際線増便)の取組みについて、映像展示や音響装置による航空機音の体験などができる情報発信拠点(展示ブース)を下記のとおり開設します。開設期間中は入退場自由です。(以下略)
また、広報誌「しぶや区ニュース(8月15日号)」の11頁にも掲載されている(次図)。
渋谷区民の5割(12万人)が騒音の影響を受けるのだが…
渋谷駅の上空750mを大型機が通過(A滑走路到着ルート)する際に、地上での騒音レベルは約72dB(次図、左側ルート)。
南風・好天時(年間4割)、15~19時の時間帯のうちの3時間、A滑走路到着ルートでは1時間当たり14回(4分17秒ごと)の頻度で、C滑走路到着ルートでは1時間当たり30回(2分ごと)の頻度で上空から騒音が降り注ぐ。
「「新飛行ルート問題」飛行ルート周辺の騒音マップを描いてみた」より
筆者の試算によれば、渋谷区民の5割(12万人)が騒音の影響を受けることになる。羽田新ルート問題は渋谷区民にシッカリ共有化できているのだろうか……。