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羽田新ルート|渋谷区議会「第2回定例会」質疑全文

渋谷区議会の「平成30年第2回定例会」の一般質問(6月8日)で、治田学議員(立憲渋谷)秋元英之議員(共産党)から「羽田新ルート」関連の質疑があった。

ネット中継のビデオライブラリ(録画)をもとに、全文テキスト化(約3千8百文字)しておいた。


要点

治田議員(立憲渋谷)×区長

治田議員「『教室型』説明会の実施を求めるべき」

治田 学 議員(立憲渋谷)
治田学議員(立憲民主党、区議2期、元長妻昭秘書、専修大卒、47歳)

次に羽田空港増便問題についてお伺いいたします。この件については、これまで2度質問しておりますが、再度お伺いいたします。

昨年大きな落下物の事故が立て続けに起き、その後12月の定例会では、「新飛行経路案に関する教室型説明会及び落下物事故の検証報告の早急な実施を国交省に求める請願」が採択されました。

その間、国土交通省も落下防止等に関わる総合推進会議を立ち上げ、落下物対策の強化策を策定していることは承知しております。しかし、先日5月25日にも熊本空港を飛び立った日本航空機がエンジントラブルを起こし、136個もの金属片が落下し、病院の窓や車のフロントガラスを損傷させるという事故が起こりました。国土交通省が防止対策を行っている中でもこういう事故が起こっています。

私自身は「いま国土交通省が進めている都心上空の飛行は撤回するべきだ」と考えますがそれでも進めるのであれば、少なくとも国土交通省は区民が求めるこれまでの「オープンハウス型説明会」ではない、また、いま国土交通省が羽田空港の見学会を応募しておりますが、そういうイベントでもない、参加した住民にフラットに情報が行き届きかつシッカリと記録に残る形での「教室型説明会」を開き、リスクを含めて住民に説明する責任があると考えます。
区長から国土交通省に対し、渋谷区内における『教室型』説明会の実施を求めるべきである」と考えますがいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。


また、国土交通省の広報にも問題があると考えます。
国交省はこの春に、各自治体の施設などに設置配布していたニュースレターには、これには具体的な騒音の値や各自治体の上空の高度、さらに便数なども書かれておりません。とてもこの計画を説明しようという立場で作られたものとはなっていません

「国交省の広報物について改善を求めるとともに、以前平成28年5月15日号(筆者注:9月15日号の間違いではないか)で渋谷区ニュースに掲載したような広報を国としても再度行うべきである」と考えますがいかがでしょうか。区長の答弁を求めます。

区長「『区民への丁寧な説明をお願いしたい』と伝えています」

長谷部健渋谷区長
長谷部 健区長(無所属、1期、元渋谷区議3期、専修大卒、46歳)

次に羽田空港増便問題について、2点のお尋ねですが、一括してお答えいたします。

国土交通省は各フェーズごとに、いつ、誰が、どこの会場にお越しいただいても、国の職員が個別に対応できる「オープンハウス型」の説明会を行っています。
渋谷区でも平成27年9月と28年1月には渋谷ヒカリエ、平成29年3月には地域交流センター恵比寿、平成29年12月には恵比寿社教館(恵比寿社会教育館)にて、計4回の説明会が開催されました

国はこの説明会を通じて寄せられた多様な意見を踏まえつつ、今後も説明会を継続して開催するほか、ホームページや専用の電話窓口、情報発信拠点の活用など、正確で分かりやすい情報提供を行っていくとしています。

以前も委員にはお答えしておりますが、「羽田空港の機能強化については、国の責任において説明がなされるもの」と考えています。本区としては、これまでも国土交通省に対し「区民への丁寧な説明をお願いしたい」と意見をシッカリと伝えています
また、特別区町会としても、落下物防止対策など懸念されている課題に対し、区民が納得できるよう十分な検討及び説明を行うことを申し入れています。

また議員ご指摘の国土交通省のニュースレターにつきましては、現在第9号までが発行しており、それぞれ事業の進捗に応じた記事内容となっていますので、バックナンバーにて確認していただければと考えます。

議員ご提案の区の広報による周知につきましては、国の動向を踏まえながら、必要に応じ区ニュース等の活用を検討して参ります。

治田議員「区民が求める説明会を区長の立場で求めていただきたい」

羽田空港の問題についてなんですが、これについてはまず、ひとつは区長は「国の責任」ということで、たしかに国の責任でありまして、私どもも政党の方で、いま様々な自治体の議員と話し合いながら、国会議員にも要望するという動きもしていきたいと、いま話をしているところであります。
そんな中で、ただやはりこの落下物が立て続けに起きているこの状況、しかもそれもただの落下物の事故ではなくて、国土交通省が重大インシデントというように位置づけるような落下物が繰り返し起きているなかで、これが実際に本当に飛ぶことになって渋谷区の区民だけではなく、来外者の生命また財産をシッカリと守っていけるのかということについては、私は「国の責任である」ということ一言で片付けられないのではないかと考えております。
区長としてシッカリと、やはり説明会、区民が求める説明会を区長の立場で求めていただきたいと思います。これについては再質問させていただきます。

区長「国土交通省と会う機会があれば逐次その旨を伝えております」

治田学議員の再質問にお答えいたします。
一括してお答えしますが、まず「区長としてできることをやるべきだ」ということだと思います。今までも区長会で発言してますし、国土交通省と会う機会があれば逐次その旨を伝えております
引き続きいまの立場でできることというのはシッカリやっていきますので、そこは十分にご理解いただければと思います。

また、区ニュース等含めてですね、広報のほうは機を見てシッカリとまた伝えていきたいと思いますので、そこも併せてご理解いただければと思います。私からは以上です。

治田議員「『教室型』説明会の各自治体での実施というものもぜひ要望していっていただきたい」

区長から「区長会などで言うべきことは言っている」ということでありますが、これは同じこと繰り返してもアレなんで、「区長も落下物の問題については重く受け止めている」と私も信じております。ですので、シッカリと今後も区長の立場で言うべきことを機を捉えて言っていただきたい。
そしてそういった場においては繰り返しになるんですが、「教室型」説明会の各自治体での実施というものもぜひ要望していっていただきたいと思います。

あとは「広報についても、これについても考える」というふうに私は受け止めておりますので今後も行っていただきたいと思います。

秋元議員(共産)×区長

秋元議員「羽田空港新ルート計画については、国に撤回を求めるべき」

秋元 英之 議員(共産党)
秋元 英之議員(日本共産党、区議1期、元塾講師、東海高校卒、50歳)

最後に、羽田空港新ルート計画についてです。計画の発表からこれまでの国交省の対応では区民の不安が拡大するばかりです。
昨年9月には落下物事故が相次いで発生しました。関西空港から離陸したKLMオランダ航空機から約4キロのパネルが落下して、大阪市内を走っていた乗用車に衝突しました。成田空港へ向かっていた全日空機からは約3キロのパネルが2日続けて脱落し、約3週後に1度目の部品が茨木県の工場内で発見されました。
この間の国内での航空機の部品脱落は、落下物を含め451件に上っています。落下物事故は整備点検を徹底しても防げるというものではありません

密集市街地の渋谷区上空を通る羽田空港新ルート計画については、区長は区民の生活、命及び財産を守るために、国に撤回を求めるべきです。区長の所見を伺います。

区長「撤回を求める考えはありません」

長谷部健渋谷区長

次に羽田空港新ルートの中止についてのお尋ねです。
首都圏の国際競争力強化、外国人旅行者の増加による経済成長、海外との交流による諸外国との結びつきを深めることなど、羽田空港の機能強化を図ることについての必要性はあると考えています。
一方、落下物の可能性について、区民から不安の声やご意見があることも充分認識しています。先ほど立憲民主党渋谷の治田議員にもお答えいたしましたが、羽田空港の機能強化については、国土交通省の責任において説明し対応していくものですが、区としても、落下物防止対策など懸念される課題に対し、区民が納得することが出来るよう、十分な検討及び説明を行うことを、あらゆる機会を捉え強く求めていきたいと考えています。

こうしたことからご質問のような撤回を求める考えはありません
以上、私からの答弁といたします。

秋元議員「新ルートは撤回すべきだ」

最後に羽田空港の新ルートに関しまして、今定例会でも計画について「渋谷の空を守る会」と「都民カフェ渋谷」から要望書が出されているように、区民の理解というのは得られていないと思います。

昨年の11月から航空会社に部品落下件数の報告を求めるようになり、国交省の発表では5月末までこの約半年間で外国航空機の23件を含めて219件もありました。

豊島区では、区長は5月24日に熊本県で起きた日本航空機からエンジン損傷により飛散した金属片が住民の建物や車両に被害を与えた事案について、区民の安全・安心を守る立場からこの事案は看過できないとして徹底的な原因究明などの要請文を国交省に送っています
自治体の役割は何より住民の命、安心・安全を守ることです。改めて「新ルートは撤回すべきだ」と指摘させていただきます

雑感(区長の基本スタンス:羽田空港問題は「国の責任」)

「区長から国土交通省に対し、渋谷区内における『教室型』説明会の実施を求めるべきである」という治田議員(立憲渋谷)の提案に対して、区長は、国が「オープンハウス型」の説明会を区内で計4回実施していること、羽田空港の機能強化については国の責任において説明がなされるものと回答している。

さらに、国土交通省に対し「区民への丁寧な説明をお願いしたい」とはいうものの、「教室型」という表現にまで踏み込んではいない。
区長は「教室型説明会」の開催を本気で国に求めるつもりはないのではないか。
羽田空港の問題については、「国の責任」というのが長谷部健渋谷区長の基本スタンス。

※マスメディアが取り上げなければ、羽田新飛行ルート問題は区民には届かない。区議会議事録の肥しとなるだけだ。弱小なこのブログメディアによる区議会質疑の全文書き起こし情報が少しでもお役に立てば幸甚。

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