民泊のあり方を論ずるには、実態の把握が欠かせない。
民泊議論の一助になればとの思いから毎月初め、Airbnb登録件数に係る定量的な分析記事を投稿している。
Airbnbサイトからクローリングによりデータを集計しているサイトAirbDatabankが無料公開しているデータをもとに、2月1日現在のAirbnb登録状況を可視化してみた。
【全国】Airbnb登録件数の概況
全国Airbnb登録件数 4.6万件（前月比0.8%の微増）
全国でAirbnbに登録されている物件数は46,085件（2月1日現在）。
前月比0.8%の微増。
※正確にいうと、東京都は23区、大阪府は大阪市、京都府は京都市のみが調査対象。だから実際の登録件数はもう少し多くなる。
1都2府のシェアは70.4%まで減少
Airbnb登録件数の都道府県別ランキングを次表に示す。
1位東京都（23区）約1万6,200件、2位大阪府（大阪市）約11,800件、3位京都府（京都市）約4,800件。先月と順位変わらず。
1都2府とも、10月以降登録件数の伸びが鈍化していたが、遂に東京23区も前月比▲1.0％の微減（次図）。
1都2府のシェアは、4月の75.5%をピークに減少し続けている。2月のシェアは70.4％。
沖縄・北海道・福岡がシェアを伸ばす
都道府県別のシェアを次図に示す。
先月と比べると、沖縄（4.0％⇒4.3%）、北海道（3.9％⇒4.0%）、福岡（3.7%⇒3.8%）が若干シェアを伸ばしている。
【東京23区】1位新宿約3,500件、2位渋谷約2,200件
東京23区においてAirbnbの登録件数が最も多いのは新宿区で3,466件。2位は渋谷区2,197件。この2つの区が第1グループを形成している。
第2グループは3位港区、4位台東区、5位豊島区、6位世田谷区。
国内初の民泊条例施行でマスコミが盛んに取り上げている大田区（333件）は13位に過ぎない。
【大阪市】中央区が約4,200件で全国一をキープ
大阪市内のAirbnb登録件数は、相変わらず中央区（4,213件）と浪速区（2,710件）がツートップ（次図）。
全国で最もAirbnbの登録数が多い自治体は中央区（大阪市）であることに変わりはない（次図）。
【京都市】市長の意に反して増加中･･･
京都市内のAirbnb登録件数は、下京区が圧倒的に多い（次図）。
Airbnb登録件数は5月から2か月連続で減少していたが、7月を境に大幅増に転じ、その後足踏みしていたが再び漸増中（次図）。
7月13日に開設された「民泊110番」（6割が「通報」！京都市「民泊通報・相談窓口」260件（7月分））の抑止効果も一時的なのか、再び漸増している。
京都市長の「集合住宅内の民泊は認めない発言」（8月31日）の口先効果は効き目がないようだ。
あわせて読みたい
- 観光旅客ファースト!?民泊新法「住宅宿泊事業法案（仮称）」
- 中国版Airbnb｜登録件数で東京が大阪をやや上回る
- 大阪市が注意喚起！一般社団法人による違法民泊を助長する勧誘行為
- 新宿区の民泊！歌舞伎町と大久保に集中
- 大阪地裁 違法民泊に50万円の賠償命令
- 大田区に続き大阪市も失敗!?特区民泊
- マスコミ報道では分からない！全国4万6千件の民泊構造を可視化
（本日、マンション広告なし）
