マンションを買いたいのだが、新築がいいのか?中古がいいのか?
SUUMOの「新築VS中古」特集の記事はもとより、業界で飯を食っているマンション評論家の多くは、どちらがいいのか明言しない。これを大人の事情という。
結論を言えば、新築よりも中古。
新築のメリットは、極端にいえばピカピカであることくらい。あとは多くの点で中古マンションに軍配が上がる。
以下、新築と中古のメリット、デメリットをまとめておいたので、各位の判断材料にされたし。
- 新築の最大のメリットは”新品”であること
- 新築の最大のデメリットは割高なこと
- 中古の最大のメリットは価格が安いこと
- 中古の最大のデメリットは”お古”であること
- それでも新築がいいという方
- 中古マンションの選び方
新築の最大のメリットは”新品”であること
「以上、おしまい」と言いたいところだが、あと若干のメリットを掲げるとすれば、2点ある。
ひとつは、キッチンや浴室などに”最新の設備”が設置されていること。ただ、ここ数年内に販売されたマンションであれば、”最新の設備”の内容に大した違いはないだろう。
人気の設備は、1位ディズポーザー、2位浴室乾燥機、3位床暖房だそうだ。
※詳しくは、「新築マンションの人気設備1位のディズポーザーの普及率は?」ご参照。
新築マンションのもう一つのメリットは、完成引渡しから10年間の保証が付いていること。
品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)によって、売主は、「柱や梁など構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」について10年間の瑕疵担保責任(修補請求権等)が義務づけられている。
新築の最大のデメリットは割高なこと
販促費用が上乗せされていることや、十分に市場原理が働いていないこともあり、新築マンションは割高である。
「買った瞬間に2割下がる」とよく言われているが、実際に具体的なデータでみても、「築0〜5年」で10~20%、新築プレムアムとして下落していることが分かる(次図)。
※東日本不動産流通機構(東日本レインズ)がREINS TOPIC の中で毎年発表している「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」と不動産経済研究所が毎年発表している「首都圏マンション市場動向」のデータをもとに作成。
新築マンションのそのほかのデメリットとしては、青田買いになるので、実際の仕上がりはもちろん、日当りや通風、騒音環境などが確認できないこと。
あと、隣人リスクがあること。住んでから隣が変人であることが分かっても手遅れである。
一方、中古マンションのメリットは多い。上述の新築マンションのデメリットがすべてメリットになる。
中古の最大のメリットは価格が安いこと
年数が経っても価格が下がらない(上がることもある)ヴィンテージ・マンションは別として、上述の通り一般的に新築よりも中古マンションのほうが割安である(次図)。
「首都圏・23区マンション市場動向|新築価格は下落、中古価格は上昇中」より
物件数が多く市場原理が十分に働いていているので、価格に見合ったグレードのマンションを手に入れることができる。
あと、即入居できることも中古マンションのメリットのひとつ。
中古の最大のデメリットは”お古”であること
前に住んでいた人の手アカ(痕跡)が気になる人にとっては、最大のデメリットであろう。
あと、築10年を超えた中古マンションには、瑕疵担保責任(修補請求権等)が付いていない。でも、そのぶん価格は安い。
それでも新築がいいという方
次の記事を新築マンション選びのご参考に。
中古マンションの選び方
中古マンション購入の注意点(あるいは落とし穴)を整理した次の記事をご参照。
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