東京で家を買いたいと考えているが、新型コロナウイルスの影響でモデルルーム巡りを自粛されている方。
こんなときだからこそ、じっくり読めるいま、おススメしたい1冊。
30年以上、顧客と接する第一線で不動産実務全般に携わってきた著者による新版『東京で家を買うなら』自由国民社(2019/12/27)。
※朱書きは、筆者コメント。
本当の買い時とは
安定収入の見通しがあって、外部環境が整っていて、そのうえで「住みたい場所に住みたい家」と出会った時が本当の「買い時」だという。
マイホームは今「買ってよい時期」なのか
(前略)「外部要因が整っている時こそが買い時」や「あなたが家を欲しいと思った時が買い時」のどちらも完全な正解でないのであれば、「本当の買い時」とはどのような時でしょうか?
今は外部環境的には、場所・物件によって価格が上昇していますが、一方で「超低金利」が続いているため、価格上昇があまりない物件や、あってもその幅が一定の範囲内である物件を住宅ローンを利用して購人する方には有利といえますが、いくら低金利などの外部の要因が整っているからといって、あなたの側の条件が整わないのに無理をしてまで買ってはいけません。
本当の買い時とは、「自分の将来の人生プランを考えで『今、家を買うべき』と判断した時に、きちんとした安定収入の見通しもついていて、外部環境が整っている時」を言います。
そしてその条件を満たした上で、「住みたい場所に住みたい家」と出会った時が、本当の「買い時」なのです。(P23-24/序章 家は今「買い時」か、買うならどんな物件がいいのか)
※著者が提示する3つの条件に入る人は多くない。だから売主サイドの人たちは苦戦しているのだろう。
そこにきて今回、新型コロナウイルスという最悪の条件が加わった。これはもうマンション選びを保留するしかないのではないか。
経済評論家の山崎元氏は次のようにシッカリ警鐘を鳴らしている。
読者の皆様には、「今、不動産は買うな!」と注意を申し上げておく。不動産価格は、株価に遅れて下落するのがつねだ。セールスマンは全力で売ろうとするだろうが、今は踏みとどまるべきだろう。
購入に失敗する人の共通点
どんな人が購入に失敗しやすいのか。その傾向が9つ列挙されている。
購入に失敗する人の共通点
- 不動産購入と家電購入の違いがわからない人
- 戦略をもつてのぞまない人
- 購入に際して、きちんとした判断をする「ものさし」ができていない人
- 安い物件に飛びつく人、「価格」と「価値」の違いがわからない人
- 家族で意見がまとまっていない人
- 後から変えられるものに惚れて買ってしまう人
- 細かすぎる人
- 無愛想な人、横柄な人
- 「あれもほしい、これもほしい」というタイプの人
(P243-247/第5章 幸せになる家の買い方)
9つのなかでも特に6番目には注意したい。
6. 後から変えられるものに惚れて買ってしまう人
- 変えることのできない立地や階数、方位、住戸の位置、前面道路の幅員や種類などではなく、内装や設備など、後から変えられるものに惚れて購入を決断してしまう人も結構多いです。
(P245/第5章 幸せになる家の買い方)
※ガラストップコンロや食器洗浄乾燥機など、初期投資が少なくて済む”カタログ設備”を喧伝しているマンション広告に騙されてはいけない。
高い遮音性能や耐震性能を確保するには、構造躯体への大きな初期投資を要する。そのぶん分譲価格は高くなるが、資産価値は高い。
本書の構成
全7章、295頁。
- 序章 家は今「買い時」か、買うならどんな物件がいいのか
- 第1章 戦略的に家を選ぼう
- 第2章 「消費の家」ではなく「資産の家」を持とう
- 第3章 「資産価値の下がらない家」の選び方
- 第4章 「安全性」を確認して災害リスクを最大限軽減させよう
- 第5章 幸せになる家の買い方
- 終章 東京のおすすめ市区・沿線・エリア
あわせて読みたい(本の紹介)