10月2日に投開票された品川区長選挙では、立候補した6人がいずれも法定得票(有効投票総数の4分の1以上)に届かず再選挙となった(2022品川区長選挙の結果)。
5人で争うと見られていた再選挙に11月20日、6人目として石田慎吾氏が出馬したことで、再々選挙になる可能性が高まった。
再選挙になって、公約にお金のバラマキを入れた候補者が出始めた。品川区民も舐められたものである。
石田ひでお氏:5万円×中学生以下全員=23.8億円+経費
石田ひでお氏のホームページを開き、下に少しスクロールすると「5万円支給」の公約が出てくる(次図)。
石田ひでおの品川発生活支援
「明日の元気」応援金の創設!中学生以下全員に「5万円支給」!!
(必ず、今年度中に実施します)
品川区の人口は、14歳以下は47,676人、15歳以下は50,245人(住民基本台帳 22年11月1日現在)。中学生3年生の年齢が14歳と15歳だから、中学生以下全員に5万円支給するとなると、少なく見積もっても23.8億円(=14歳以下47,676人×5万円)。そのほかに支給するための経費が掛かってくる。
ちなみに、石川秀男氏は今回の区長選に立つ前は、品川区議会自民党の幹事長。同党は、令和5年後予算(議会費)への要望事項として、海外調査費を提案している(次図)。
品川区長選挙公報より
西本貴子氏:1万円×全区民=40億円+経費
朝日新聞の記事によれば、西本たか子氏は11月27日の出陣式で、「全区民に1万円を給付すること」を掲げたという。
品川区長再選挙6氏混戦 羽田新飛行ルートなど争点
(前略)前区議の西本貴子氏(62)は前回と同じ区役所近くで出陣式を行い、「再選挙はチャンス」と訴えた。全区民に1万円を給付することや、若者対策として住宅支援や給付型奨学金の拡充などを挙げた。区議を19年務めたことをアピールし、投票を呼びかけた。(以下略)
(朝日新聞 22年11月28日)
YouTubeで確認するとたしかに「区民の皆さまに1万円支給する」と話していることが確認できる。財源は「財政調整基金」だという。
品川区の人口総数は、404,342人(住民基本台帳 22年11月1日現在)だから、全区民に1万円支給するとなると、少なく見積もっても40億円。そのほかに支給するための経費が掛かってくる。
仮に西本貴子氏が当選したとしても、自公議員らが「全区民に1万円」政策に賛成しないのではないか。というか、西本区長の提案は、ことごとく自公議員らの反対に会い、すぐに行き詰まり(以下略)。
品川区長選挙公報より
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