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羽田新ルート|氷塊、渋谷区内のテニスコートに落下!?

22年3月14日15時30分過ぎ、渋谷区内のテニスコートに空から氷塊が落下。

この氷塊は航空機から落下してきた可能性があるのか否か。検証してみた。

※投稿22年3月17日(更新22年3月18日)
(修正22年3月17日:関係者に再確認の結果、氷塊落下日を14日から13日に修正)


もくじ

渋谷区内のテニスコートに氷塊落下

22年3月13日15時30分過ぎ、渋谷区本町の「大正セントラルテニスコート」に空から氷塊が落下(写真)。

関係者によれば、テニスコートに激突し、「ドォーン」という音とともに、粉々に砕け散ったとのこと。幸いなことに負傷者なし。

渋谷区内のテニスコートに氷塊落下
※写真は撮影者の許可を得て掲載

写真を撮影した男性に昨日(3月17日)、電話確認した主な内容は次の通り。

※電話確認したのは、私ではなく、このブログの読者。

  • 当日15時30分頃試合が終わり、4人がネットに集まったところ、音がして振り向きました
  • ロッカー室に行きカメラ取り出し撮影しました。デジカメに記録された時刻は15時33分です。
  • 氷の形状はなんとも言えない、見たことがないものでした。宇宙から飛来したものかとも感じさせる不思議な形状でした。商業ベースで作られたものではありません。
  • ヒョウが降る天候でなく、隣のオペラシティから投げ入れたとは思えません。現在のテニスコートの使い方は20分ごとにブラシをかけますから、その前には氷塊はなかったことになります。
  • 国交省は16日に現場を見に行ったそうです。


この氷塊は航空機から落下してきた可能性があるのか否か。検証してみよう。

氷塊は航空機からの落下物である蓋然性が高い

過去の気象データによれば3月13日15時、東京(千代田区北の丸公園)の天気は薄曇・雲量10-。ヒョウが降ってきた可能性はゼロ(ヒョウに係るSNS情報もない)。

 

「大正セントラルテニスコート」の周辺には、氷塊が落ちてくるような高層建物はない(次図)。

少し離れた位置に東京オペラシティ(54階建て)があるが、窓や屋上から物を投げられるような構造にはなっていないし、投げられたとしてもテニスコートまで届かない。

大正セントラルテニスクラブ新宿 - Google マップ
大正セントラルテニスクラブ新宿 - Google マップ

 

フライトレーダー24の過去データをひも解くと、同日15時30分頃にテニスコート付近を通過した航空機としては、アトランタ発デルタ航空 DL295便(エアバスA350型機)が15時30分頃、A滑走路到着ルートの高度3,150フィート(約960m)上空を通過している(次図)。

なお、15時30分過ぎにテニスコート付近を飛行したヘリコプターはない。

 

以上を踏まえると、テニスコートに落下した氷塊は航空機からの落下物である蓋然性が高い(次図)。

アトランタ発デルタ航空 DL295便

都議会・渋谷区議会の議員の出番

都議会本会議の予算特別委員会審査「しめくくり総括質疑(3月22日)」では是非、今回の氷塊落下事案につき、ご議論いただきたい。
⇒追記22年3月26日
しめくくり総括質疑(3月22日)には5人登壇したが(自民・都民・公明・共産・立憲)、氷塊の件はもとより羽田新ルート問題を誰も取り上げなかった(録画映像:予算特別委員会 しめくくり総括質疑)。

 

また、その2日後に開催される渋谷区議会の「予算特別委員会(3月24日)」では、都議会で不明瞭な点につき、さらに追及してほしい。

 

各議会で取り上げる際の参考情報として、以下3点。

1点目は、航空機の落下物防止のための洋上脚下げに係る質問主書。

これまで航空機が着陸に向けて脚下げを行う際に、航空機から漏れた水が上空で凍って車輪に付着していた氷塊が落下する事象は多数発生している。羽田新ルートの運用の開始に向けて松原仁 衆議院議員が19年5月28日に提出した質問主意書「成田空港・羽田空港へ着陸する航空機の落下物防止のための洋上脚下げ」において、政府は<「羽田空港へ着陸する航空機の洋上脚下げの実施に関する何らかの指導や取り決め」及び「その実施をチェックする仕組み」は存在しない>と答弁している。

 

2点目は、「航空法第1条」について。

航空法第1条(この法律の目的)では、「航空機の航行に起因する障害の防止を図るための方法を定め、(略)もつて公共の福祉を増進することを目的とする」とされている。

第1条(この法律の目的)

  • この法律は、国際民間航空条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続に準拠して、航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止を図るための方法を定め、並びに航空機を運航して営む事業の適正かつ合理的な運営を確保して輸送の安全を確保するとともにその利用者の利便の増進を図ること等により、航空の発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする

航空機から落下する氷塊はまさに、「航空機の航行に起因する障害」であり、その「防止を図るための方法を定め」ることは、努力義務ではないのである。つまり、現在の羽田新ルートは飛行ルート直下の住民らへの氷塊落下の可能性をゼロにするための方法を定めなければならない、と第1条からは読み取れるのだが……。

 

3点目は、3年前に港区で開催された地元説明会での国交省の発言。

国交省航空局の室長(飯田修章氏。当時:国交省航空局航空ネットワーク部 首都圏空港課 東京国際空港企画室長)は19年2月28日、芝浦港南地区対象の住民説明会(約60人参加)で、溶けた状態でも連絡頂ければ水の成分を採取し、飛行機由来のものかどうか決定する旨の発言をしている。

※以下は、説明会に参加した「にゃあにゃあ」さんのメモ。

  • で、ま、実際に氷塊が落ちた場合どのように特定するのか、一番特定し易いのは落ちた時にそれをそのまま保存して頂くというのが一番いいんですけど(ガヤガヤざわつき始める)溶けた状態でも連絡頂ければその水の成分を採取致しまして
    (会場内騒然聴取不能、そんなことできるわけないだろォー!)
  • (聴取不能)~によって飛行機由来のものかどうか(どよめきで聴取不能)~決定することができます」(そんなこといちいちやってられるかあ-ー)声には、まったく耳を傾けることなく一気にしゃべり続け、不動産価値の回答に突入

「にゃあにゃあ」さんツイート 19年3月1日

【追記】東京新聞記事(3月17日06時)

※追記3月17日10時

3月17日06時の東京新聞ネット記事によれば、航空機から小石くらいの氷塊が落下したのは、13日午後3時半ごろであったと記されている。

「航空機から小石くらいの氷塊」羽田新ルート飛行中落下か 渋谷区のテニスコート、国交省が調査

(前略)渋谷区によると、14日夕、区役所に匿名男性から「13日午後3時半ごろ、区内のテニスコートに航空機から小石くらいの氷塊が落下した」と電話があり、国交省に連絡したという。国交省は取材に、この時間帯に新ルートを航空機が降下したことを認める一方、「事実関係を調査中。航空機から落下したかは分からない」としている。(以下略)

東京新聞 TOKYO Web 3月17日 06時00分

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