民泊新法(住宅宿泊事業法)が18年6月15日に施行されて2年と6か月半が経過。
ざっくり言うと
東京23区の合法民泊7千件下回る
東京23区の住宅宿泊事業の届出施設の受理件数の合計は少なくとも6,695件(1月1日調査)。
区ごとの件数を下図に示す。600件を超えているのは、新宿区、豊島区、渋谷区。
Airbnbサイトで「民泊」が一斉に非掲載となったのは18年6月2日。同年6月1日以前は23区内で1万6千件が掲載されていた。現在の住宅宿泊事業の届出施設の受理件数6,799件は、かつてAirbnbで掲載されていた件数の42%でしかない。
【メモ】
- 各件数は、国交省が運営している民泊制度ポータルサイト「minpaku」に定期的に公開されている「住宅宿泊事業法の届出状況」のほか、各区HP公開データに拠る。
- 各区のデータ公開日はバラバラ。すべてが月初データというわけではない。
新宿区、5月をピークに漸減
民泊新法の施行日(18年6月15日)以降の、各区の受理件数の推移を次図に示す。
1位の新宿区も20年5月をピークに漸減。
各区の民泊事業廃止件数の推移を次図に示す。
新宿区で民泊事業の廃止件数が増加。
【メモ】
民泊事業を廃止した場合、30日以内に廃業届を提出しなければならない(住宅宿泊事業法 第28条)。提出しなければ20万円以下の過料に処せられることになっている(同法 第79条)。
政府の肝いりで始まった大田区の特区民泊も20年4月をピークに漸減中(次図)。
大阪、札幌ともに減少中
18年6月1日以前、全国でAirbnbサイトに掲載されていた件数上位の自治体は、東京、大阪、京都、沖縄、北海道、福岡の順であった(全国Airbnb登録件数5.3万件、4か月連続で減少)。そこでこれら自治体の合法民泊受理件数の推移を可視化してみた(次図)。
1位大阪市、2位札幌市。
大阪市は19年10月をピークに減少中。札幌市も20年4月をピークに減少中。新型コロナにより民泊の廃業や賃貸事業化が進む。
大阪市内では、特区民泊は20年3月をピークに漸減傾向が見られる。また、住宅宿泊事業法に基づく民泊施設は19年10月をピークに漸減傾向が見られる(次図)。
年間営業日数に制限のある住宅宿泊事業法に基づく民泊よりも、制限のない特区民泊のほうに魅力があると判断する人が多いから、特区民泊の減少スピードが遅いのか……。
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