本日の記事は、マンション関連記事でもないし、羽田新ルート関連の記事でもない。でも、都民の生活環境に深く関わる都議会のお金の使われ方がどうなっているのか興味深い情報だったので、まとめておいた。
「視察費」減、「広報費」増 20年度政活費(時事通信)
20年度の政務活動費は、新型コロナの影響で「視察費」が減少し、「広報費」が増加したという。
「視察費」減、「広報費」増 20年度政活費、コロナが影響―都議会
東京都議会は12日、2020年度の政務活動費の収支報告書を公表した。
「視察・研修費」が大幅に減少した一方、活動報告などを掲載する「広報紙発行費」は3年連続で増加。新型コロナウイルスの感染拡大で遠方への視察や対面での集会を開催できなかったことなどが使途に影響したとみられる。(以下略)
(時事通信 10月12日)
20年度の主要会派「政務活動費」を可視化する
都議会は10月5日、「令和2年度政務活動費に係る領収書等の写しの閲覧及びインターネット公表」を10月12日から開始すると発表。でも、発表文章にはリンク先が表示されていないので、簡単には政務活動費に係る領収書等の写しを見ることはできない(次図)。
なんとも不親切というか、都民にはよほど知らしめたくないのだろうと思わざるを得ない。
都議会HPを探っていくと、「収支報告書・会計帳簿・領収書等」のページに過去4年分(17~20年度)の情報が公開されていることが分かった。
そこで、20年度のデータを可視化してみる。
「政務活動費」内訳一覧表
20年度の主要5会派(自民、都民、公明、共産、立憲)の政務活動費の内訳を下表に示す。
政務活動費の支出は、3項目(調査活動補助費、調査・政策立案費、広報・広聴活動費)に大別されている。政務活動費は、改選前に第1党だった都民ファーストが2.9億円でダントツ。自民はその半分の1.48億円。
さらに詳しく見ていこう。
「政務活動費」執行率の比較
20年度の主要会派の「政務活動費」と執行率(=執行額÷政務活動費)を比較したのが次図。
21年7月の改選前に最大会派であった都民ファーストの政務活動費が、自民の2倍近くあることと、公明以外の4会派の執行残はほぼゼロであるのが特徴。公明以外の4会派はシッカリと予算を消化している。
「政務活動費」内訳比較
20年度の主要会派の「政務活動費」内訳を比較したのが次図。
都民ファーストの「広報・広聴活動費」の割合が高いことと(62%)、自民の「調査活動補助費」割合が高いこと(70.6%)が大きな特徴。
「広報・広聴活動費」や「調査活動補助費」は何に使われているのか? 「政務活動費」の内訳をさらに詳しく見てみよう。
「広報・広聴活動費」内訳比較
20年度の主要会派の「広報・広聴活動費」内訳を比較したのが次図。
なんと、いずれの党も「広報紙(誌)発行費」に100%近く費やしているのである。
「調査活動補助費」内訳比較
20年度の主要会派の「調査活動補助費」内訳を比較したのが次図。
調査活動補助費は、都民ファーストと自民はともに約1億円。でも内訳をみると、人件費は金額・割合とも自民のほうが多い。
「調査・政策立案費」内訳比較
20年度の主要会派の「調査・政策立案費」内訳を比較したのが次図。
調査・政策立案費が最も多い公明でさえ500万円でしかない。改選前に第1党だった都民ファーストはたったの250万円。
雑感(都ファ、自己PRに政務活動費2.9億円の6割を使う!?)
政務活動費は、改選前に第1党だった都民ファーストが2.9億円でダントツ。自民はその半分の1.48億円。
都民ファーストの政務活動費2.9億円の内訳は「広報・広聴活動費」1.8億円(62%)、「調査活動補助費」1.1億円(37%)、「調査・政策立案費」250万円(0.9%)。
都民ファーストは「広報・広聴活動費」1.8億円の99.9%を「広報紙(誌)発行費」に費やしている。1.8億円の内訳は何なのか。
「会計帳簿、領収書等」をひも解いてみると、いわゆる都政レポートの作成や新聞折込に係る費用であることが分かる。各議員が都政でどのようなことをしているのか、有権者にお知らせするための広報費用といえば聞こえはいい。でも、都民ファーストの議員が自己PRのために年間1.8億円の血税を使っていることに納得する有権者は多くはないのではないか。
「調査・政策立案費」にたったの250万円しか費やしていない都民ファースト議員っていったい……。
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