不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


荒川沿い北上ルート、運用時間外に1機

9月14日14時16分頃、羽田新ルートの運用時間外に荒川沿い北上ルートを通過した飛行機が確認された。

備忘録として以下に整理しておいた。

※投稿21年9月16日(追記21年10月26日:国交省の開示文書


もくじ

キッカケは江戸川区在住のA氏のツイート

このことを知ったキッカケは、江戸川区在住のA氏の次のツイート

9/14(火)14時20分頃、時間外にも関わらず荒川沿いの羽田新ルートが通過、すぐ区に通報し国に抗議するよう伝えました。
別件で区が時間外通過を抗議した際、国からは「違うウェイポイントを設定してしまったらしい、外資系だった」との回答だったと。そんなことアリなのか

A氏のツイート|21年9月14日

荒川沿い北上ルート、運用時間外に1機

羽田を14:13に離陸した札幌行きのボーイング737-800(小型機)が荒川沿い北上ルートを通過していることが確認できる(次図)。

荒川沿い北上ルートを通過
Flightradar24より

 

荒川沿い北上ルートの運用が許されている時間帯は、午前中の4.5時間(7:00~11:30)と午後の3時間(15:00~19:00のうち3時間程度)とされている。

 

国交省が運営しているサイト「羽田空港飛行コース」の「航跡図」を確認してみると、14時台に1機だけ荒川沿い北上ルートを飛行したことが確認できる(次図、ピンク囲み)。

運用時間外、荒川沿い北上ルート1機

 

本来であれば、次図のように浦安市の南側の海上を飛行しなければならないことになっている(次図、13時台の例)。

浦安市の南側の海上を飛行しなければならない

追記

なぜ、飛行経路の設定を間違えた(間違ったウェイポイントを設定した)ことにスカイマークの機長も副機長も気づかなかったのか。

よくあることなのか? 国交省からは注意喚起がなされたのか?

気になるところである。

追記1(天候が要因!?)

※21年9月17日

航空機事情に詳しいT氏によれば、出発経路の設定ミスではないらしい。

珍しいなと思ってLiveATCで確認。進路030を要請して承認された模様。真相は?だけど、「due to weather」って言われたらそれ以上の追及は難しい。

T氏ツイート 9月14日 午後9:16

また、航空機事情に詳しいM氏は、次のようにパイロットが経路短縮を狙ってウソをついた可能性に触れている。

実際Due to weatherだと思います。設定ミスであれば最初の旋回後ARAKAに向かうはずですがこの航跡だとARAKAより右にずれていくはずの航跡ですし。

もっとも、経路短縮を狙ってうそをついた可能性も0ではないですが今時そんなことありますかね

M氏リツイート 9月14日 午後10:33

 

本件事案が発生した時間帯の羽田の風況は、風速は大したことはなく、風向は北東から南東(南南東)に変化していた(次図)。

羽田の気象状況
羽田 21年9月14日(10分ごとの値)|気象庁

 

気象庁の気象データを見る限り、「due to weather」(天候による)をルート変更の事由とする正当性は考えにくいのだが……。

本件については昨日早朝、国交省に開示請求申請しておいた。ひょっとすると真相が分かるかも(ただし、国交省からの回答が得られるまで、通常1か月はかかる)。

追記2(開示請求により、悪天回避事由であることが確定)

※追記21年10月26日

9月16日:国交省に下記内容にて開示請求。

21年9月14日14時16分頃、羽田新経路の運用時間外に羽田空港を離陸した札幌行きのボーイング737が荒川沿い北上ルートを通過した飛行機が確認されています。
本件に係る原因と対策、注意喚起等が分かる一切の文書。

9月21日:国交省航空局 交通管制部 管制課の担当者から受電

以下、主なやり取り。

  • 相手:悪天回避なので、通常のことなので、特に文書はない。「不存在」という回答でいいのか。取り下げるか?
  • 当方:江戸川区役所からは国交省の回答として「パイロットが設定を間違えた」という趣旨をもらったとSNSで流れていた。そのことについてはどうか?
  • 相手:当時、浦安市の東側に激しい雷雲が発生していて、それを回避するために、通常とは違うルートでの飛行となった。9月16日に江戸川区役所にはそういった連絡をした。
  • 当方:ではその連絡文書があるのでは?
  • 相手:開示請求は「本件に係る原因と対策、注意喚起等が分かる一切の文書。」となっているので、含まれていない。
  • 当方:そういうことの可能性も踏まえて「等」としておいた。
  • 相手:江戸川区との応答は別の担当者が対応したので、確認しないと。
  • 当方:国交省が江戸川区とやり取りしたのであれば、電話だとしても何らかのメモはあるはずなので、不存在とはならないのでは?
  • 相手:そうですね。確認のうえ文書として返します。
  • 当方:文書で返す前に、担当者に確認した内容を教えてください。そのうえでの対応をお願いします。
  • 相手:分かりました。また連絡します。

筆者からの開示請求に対して、「特に文書はない」と言い切っていた管制課の担当者は「また連絡します」と言ったきり、1か月以上連絡がなかったところ、次の文書が収納されたCD-Rが郵送されてきた。

両メールとも、区担当者からの問合せ(江戸川区9/14、江東区9/15)に対して、国交省首都圏航空課の担当者が「浦安市の東部に激しい雷雲が観測されており、悪天域を回避するため」であったと回答(9/16)している。

あわせて読みたい

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.