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都議会|都民ファーストの「政務活動費」(21年度)を可視化

都議会議員に交付されている政務活動費は適切に使われているのか。

都議会議員の多い5会派(自民・都ファ・公明・共産・立憲)のなかで、「政務活動費」に占める「広報紙(誌)発行費」の割合が突出しているのが都民ファーストであることは既にこのブログで紹介した(都議会|5会派の「政務活動費」を可視化)。

5会派の「政務活動費」に占める「広報紙(誌)発行費」の割合

都民ファースト「政務活動費」の支出内訳(年度別)

本日は、都民ファーストの21年度の「政務活動費」につき、さらに深掘りする。

※敬称略


もくじ

共通・議員合計「政務活動費」の支出内訳(21年度)

共通・議員合計「政務活動費」の支出内訳(21年度)を次図に示す。

※都民ファーストに交付された21年度の「政務活動費」(2億1,600万円)は、都民ファースト(≒議員共通)と45人の各議員(21年7月都議選における落選11人・不出馬3人を含む)で帳簿が整理されている(執行残約8百万円、執行率96.3%)。

条例で規定された全14項目のうち、最も多いのは「広報紙(誌)発行費」。次いで「人件費」「事務所費」「事務費」。

「人件費」「事務所費」「事務費」といった「調査活動補助費」としての固定的経費を除くと、ほとんどが「広報紙(誌)発行費」を占めていることが分かる。

共通・議員合計「政務活動費」の支出内訳(21年度)

共通・議員合計「政務活動費」の月次変化(21年度)

共通・議員合計「政務活動費」の月次変化(21年度)を次図に示す。

共通・議員合計とも、年度末になると「広報紙(誌)発行費」が激増している。

また、議員合計は、都議選(7月4日投開票)に向けて増加している。

共通・議員合計「政務活動費」の月次変化(21年度)
※各月の棒グラフの左側が共通、右側が議員合計を示している。

議員ランキング(21年度)

都民ファーストに交付された21年度の「政務活動費」(2億1,600万円)のうち、都民ファースト(≒議員共通)分(7,836万円)と執行残(約8百万円)を除く(1億2,971万円)につき、45人の各議員(21年7月都議選における落選11人・不出馬3人を含む)の支出内訳を次図に示す。

都民ファースト議員別「政務活動費」の支出内訳(21年度)

※人名の頭に「●」が付いている議員は21年都議選で落選(11人)、「▲」が付いている議員は21年都議選に出馬せず(3人)。

以下の各ランキングでは、落選・不出馬議員を除く。

政務活動費

「政務活動費」が最も多いのは菅原直志 519万円(2期、日野)、最も少ないのは清水やすこ 161万円(2期、西多摩)。その差358万円。

多い議員

「政務活動費」が多い議員上位10人を以下に示す。

※千円以下は四捨五入

  • 1位:菅原直志 519万円(2期、日野)
  • 2位:茜ヶ久保嘉代子 436万円(2期、杉並)
  • 3位:森村隆行 436万円(2期、青梅)
  • 4位:藤井あきら 431万円(2期、町田)
  • 5位:田の上いくこ 423万円(3期、江戸川)※22年10月7日除名
  • 6位:後藤なみ 420万円(2期、足立)
  • 7位:小山くにひこ 420万円(4期、府中)
  • 8位:森口つかさ 420万円(2期、新宿)
  • 9位:関野たかなり 415万円(2期、北多摩第一)
  • 10位:村松一希 413万円(2期、練馬)
少ない議員

「政務活動費」が少ない議員上位10人を以下に示す。

※千円以下は四捨五入

  • 1位:清水やすこ 161万円(2期、西多摩)
    税の専門家として都政をチェック
    国税局に20年以上勤務した税理士だからこその専門力。その力で都税の使われ方はもちろん、税源や税務行政のあり方にも目を光らせ、鋭くメスを入れていきます。
  • 2位:米川大二郎 231万円(2期、葛飾)※22年10月7日除名
  • 3位:内山真吾 245万円(2期、昭島)
  • 4位:山田ひろし 286万円(2期、三鷹)
  • 5位:平慶翔 294万円(2期、千代田)
  • 6位:龍円あいり 299万円(2期、渋谷)
  • 7位:もり愛 322万円(2期、大田)
  • 8位:おじま紘平 341万円(2期、練馬)
  • 9位:入江のぶこ 343万円(2期、港)
  • 10位:福島理恵子 362万円(2期、世田谷)

広報紙(誌)発行費

「広報紙(誌)発行費」が最も多いのは菅原直志 436万円(2期、日野)、最も少ないのはゼロ(3人)。

多い議員

「広報紙(誌)発行費」が多い議員上位10人を以下に示す。

※千円以下は四捨五入

  • 1位:菅原直志 436万円(2期、日野)
  • 2位:藤井あきら 428万円(2期、町田)
  • 3位:後藤なみ 420万円(2期、足立)
  • 4位:本橋弘隆 384万円(2期、豊島)
  • 5位:田の上いくこ 372万円(3期、江戸川)※22年10月7日除名
  • 6位:増子ひろき 367万円(4期、文京)
  • 7位:関野たかなり 363万円(2期、北多摩第一)
  • 8位:おじま紘平 341万円(2期、練馬)
  • 9位:福島理恵子 337万円(2期、世田谷)
  • 10位:保坂真宏 325万円(2期、台東)

「政務活動費」に対して「広報紙(誌)発行費」の占める割合が9割を超える議員は以下の6人。

  • 後藤なみ 100%(2期、足立)
  • おじま紘平 100%(2期、練馬)
  • 藤井あきら 99%(2期、町田)
  • 増子ひろき 99%(4期、文京)
  • 本橋弘隆 94%(2期、豊島)
  • 福島理恵子 93%(2期、世田谷)
少ない議員

「広報紙(誌)発行費」が少ない議員上位10人を以下に示す。

※千円以下は四捨五入

  • 1位:平慶翔 0万円(2期、千代田)
  • 2位:小山くにひこ 0万円4期、府中)
  • 3位:森村隆行 0万円(2期、青梅)
  • 4位:清水やすこ 11万円(2期、西多摩)
  • 5位:米川大二郎 51万円(2期、葛飾)※22年10月7日除名
  • 6位:成清梨沙子 156万円(2期、墨田)
  • 7位:入江のぶこ 166万円(2期、港)
  • 8位:たきぐち学 181万円(3期、荒川)
  • 9位:石川良一 183万円(3期、南多摩)
  • 10位:内山真吾 191万円(2期、昭島)

「政務活動費」に対して「広報紙(誌)発行費」の占める割合が1割未満の議員は、以下の4人。

  • 平慶翔 0%(2期、千代田)
  • 小山くにひこ 0%4期、府中)
  • 森村隆行 0%(2期、青梅)
  • 清水やすこ 7%(2期、西多摩)

人件費

「人件費」が最も多いのは平慶翔 262万円(2期、千代田)、最も少ないのはゼロ(12人)。

多い議員

「人件費」が多い議員上位10人を以下に示す。

※千円以下は四捨五入

  • 1位:平慶翔 262万円(2期、千代田)
  • 2位:森村隆行 258万円(2期、青梅)
  • 3位:小山くにひこ 207万円(4期、府中)
  • 4位:成清梨沙子 179万円(2期、墨田)
  • 5位:村松一希 142万円(2期、練馬)
  • 6位:たきぐち学 130万円(3期、荒川)
  • 7位:石川良一 109万円(3期、南多摩)
  • 8位:茜ヶ久保嘉代子 105万円(2期、杉並)
  • 9位:米川大二郎 103万円(2期、葛飾)※22年10月7日除名
  • 10位:森口つかさ 95万円(2期、新宿)

「政務活動費」に対して「広報紙(誌)発行費」の占める割合が6割を超える議員は、以下の1人だけ。

  • 平慶翔 89%(2期、千代田)
人件費ゼロ議員

「人件費」がゼロの議員は、以下の12人。

  • 清水やすこ (2期、西多摩)
  • 伊藤ゆう (4期、目黒)
  • 内山真吾 (2期、昭島)
  • 山田ひろし (2期、三鷹)
  • 菅原直志 (2期、日野)
  • 関野たかなり (2期、北多摩第一)
  • 龍円あいり (2期、渋谷)
  • おじま紘平 (2期、練馬)
  • 福島理恵子 (2期、世田谷)
  • 増子ひろき (4期、文京)
  • 後藤なみ (2期、足立)
  • 藤井あきら (2期、町田)

事務所費

「事務所費」が最も多いのは森村隆行 160万円(2期、青梅)、最も少ないのはゼロ(10人)。

多い議員

「事務所費」が多い議員上位10人を以下に示す。

※千円以下は四捨五入

  • 1位:森村隆行 160万円(2期、青梅)
  • 2位:小山くにひこ 134万円(4期、府中)
  • 3位:茜ヶ久保嘉代子 92万円(2期、杉並)
  • 4位:石川良一 91万円(3期、南多摩)
  • 5位:伊藤ゆう 90万円(4期、目黒)
  • 6位:入江のぶこ 88万円(2期、港)
  • 7位:桐山ひとみ 69万円(2期、西東京)※22年10月7日除名
  • 8位:菅原直志 61万円(2期、日野)
  • 9位:白戸太朗 60万円(2期、江東)
  • 10位:米川大二郎 58万円(2期、葛飾)※22年10月7日除名

「政務活動費」に対して「事務所費」の占める割合が3割を超える議員は以下の2人。

  • 1位:森村隆行 37%(2期、青梅)
  • 2位:小山くにひこ 32%(4期、府中)
事務所費ゼロ議員

「事務所費」がゼロの議員は、以下の10人。

  • 荒木ちはる (2期、中野)※22年7月10日参院選落選
  • 保坂真宏 (2期、台東)
  • 田の上いくこ (3期、江戸川)※22年10月7日除名
  • 本橋弘隆 (2期、豊島)
  • 龍円あいり (2期、渋谷)
  • おじま紘平 (2期、練馬)
  • 福島理恵子 (2期、世田谷)
  • 増子ひろき (4期、文京)
  • 後藤なみ (2期、足立)
  • 藤井あきら (2期、町田)

【参考】政務活動費について

政務活動費とは、議員が行う調査研究、情報収集、政策立案、広報・広聴活動等に要する経費に対して交付されるもの。政務活動費の使途基準は、東京都政務活動費の交付に関する条例「別表」により次表のように定められている。

政務活動費(別表)

政務活動費の交付対象は、会派(所属議員が1人の場合を含む)。交付額は、議員1人につき月額50万円×所属議員数(政務活動費の概要 | 東京都議会)。

東京都議会の「政務活動費関係規程」を以下に列挙しておく。

  • 地方自治法(抄)
  • 東京都政務活動費の交付に関する条例
  • 東京都政務活動費の交付に関する条例施行規則
  • 東京都政務活動費の交付に関する条例施行規程
  • 東京都政務活動費調査等協議会要綱
  • 東京都政務活動費に係る領収書等の写しの閲覧に関する要綱

政務活動費の手引|東京都議会

雑感

政務活動費は自己PRのため!?

都議会議員の多い5会派(自民・都ファ・公明・共産・立憲)のなかで、「政務活動費」に占める「広報紙(誌)発行費」の割合が突出しているのが都民ファーストである。

21年度の「政務活動費」(交付額2億1,600万円、執行残約8百万円、執行率96.3%)は、「人件費」「事務所費」「事務費」といった「調査活動補助費」としての固定的経費を除くと、ほとんどが「広報紙(誌)発行費」を占めている(次図、再掲)。

共通・議員合計「政務活動費」の支出内訳 都民ファースト(21年度)

 

21年度の「広報紙(誌)発行費」は、都議選(7月4日投開票)に向けて増加。また、年度末になると激増(次図、再掲)。

「広報紙(誌)発行費」が自己PRのため、特に年度末の予算消化として使われている状況が透けて見える。

共通・議員合計「政務活動費」の月次変化 都民ファースト(21年度)

政務活動費が最も多いのは菅原直志議員 519万円(2期、日野)、最も少ないのは清水やすこ議員 161万円(2期、西多摩)。その差358万円(次図、2021落選・不出馬議員を除く)。

国税局に20年以上勤務した税理士でもある清水やすこ議員は、政策のひとつに「税の専門家として都政をチェック」を掲げているだけのことはある。有言実行なのは素晴らしい。

都民ファースト議員別「政務活動費」の支出内訳(21年度)

かつては「政務調査費」と呼ばれ、交付目的は「議員の調査研究」

そもそも「政務活動費」は、かつて「政務調査費」と呼ばれ「議員の調査研究」のために交付されていた。ところが、自治法の一部改正(2012年8月29日)のタイミングで議員修正によって「政務調査費」から「政務活動費」に改称された。そのときに交付目的が「議員の調査研究」から「議員の調査研究その他の活動に資するため」と変更され、使途が拡大されたのである

その使途に関して住民から批判が絶えない一方で、議員の間には、「調査」に関わらせていることが使途を窮屈にしているという不満が少なくなかったといいます。地方議会議長会三団体からは、この政務調査費については、①支出と調査研究活動の厳格な関連性が要求され、政務調査活勣が自己抑制的になる傾向がある、②住民への議員活動の成果の報告が政務調査費の対象となるかが微妙である、との理由から、「現行地方自治法上、調査研究活動に特化されている政務調査費制度を見直し、幅広い議員活動等に充てることができることを明確にするよう法改正を行うこと」という要望が自民党等に寄せられていました

そこで、「政務調査費」を「政務活動費」に改称し、交付の目的について100条14項に「その他の活動」の6文字を付加して「議員の調査研究その他の活動に資するため」とする改正が行われたのです。

(大森 彌「自治体議員入門」第一法規 2021/11/24,p75-76)

 

政務活動費は、議員報酬とは異なり、「交付することができる」となっていて、支給可否も額も任意。すでに政務活動費が既得権益視されているなか、政務活動費を2016年に廃止した自治体がある。大阪市泉南市(人口6.5万人、定数18人)だ。それまで1か月あたり5万円支給されていた政務活動費を廃止した理由は次のとおり。

廃止理由は、①条例や法によって、あるいは制度で規制されたものを、政務活動費と称して費用を支弁されていることが議員活動そのものに規制を加えることになり、議員の自主的活動の中で、自律的な政策提言を行うことのほうが、より柔軟な政治活動を行えるのではないかと考えること、②政務活動費の支給などを受けずに、議員が、その自主的活動の中で、自律的な政策提言を行うことのほうが、より柔軟な政治活動を行えるのではないかと考えること、③議会議員は、個々の自己責任で自由に議員活動を行うべきであり、政務活動費の交付によって、その活動に制限が及ぶことがないよう、現下の社会情勢等も勘案し、条例廃止を提案するということでした。

(同上,p88)

都議会にいる現在の維新議員は1名。松田りゅうすけ氏(1期、大田)。次回都議選で(25年7月予定)、維新候補が「身を切る改革」として「政務活動費」の廃止を訴えることはないのか……。

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2022年6月1日、このブログ開設から18周年を迎えました (^_^)/
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