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羽田新ルート|運用実績を可視化(21年4月)

南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートの運用が開始されたのは20年4月3日。

新型コロナの影響により国内線・国際線ともに大幅な減便が続いているなかで、羽田新ルートの運用が強行されている。

21年4月の運用実績を可視化する。

※投稿4月15日(更新5月6日


ポイント

【月次変化】20年8月ピーク(23日間、1,800機超)

南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートが運用された機数・日数ともに、20年9月以降大幅に減少していたが、21年2月大幅に増加(次図)。

飛行機数・日数の月次変化(南風時の到着ルート)


猛暑になるとゴーアラウンドが増えるというような事象は、20年夏は特に確認できなかった(次図)。 

※気温が上昇して空気密度が低くなると、揚力が小さくなるので、操縦難度が上がりゴーアラウンドが増えると言われている。

ゴーアラウンド実績(南風時の到着ルート)


猛暑に関連した記事については、以下参照。

【機/日】20年8月初旬ピーク:Aルート30機超、Cルート60機超

1時間当たりの通過機数の推移を下図に示す。

  • 20年年度
    • 5月まで続いていた減便は、6月、7月と回復に向かい、8月初旬には、A滑走路到着ルートは1日あたり30機を、C滑走路到着ルートは1日あたり60機を超えた。
    • 8月中旬を過ぎて機数が減少傾向の後、10月下旬から増加の兆候が見られたが、南風時の運用日数そのものが大幅に減少した。
  • 21年年度(~4月30日)
    • 増加傾向が見られる

通過機数の推移(南風時の到着ルート)

【メモ】
  • ところどころ機数が大幅に少ないのは、当日の運用時間が短かったことによる。
  • 実機飛行確認の機数はflightradar24で、運用開始後の機数は「羽田空港飛行コース」の航跡動画をもとに調べた(以下、同じ)。
  • 「羽田空港飛行コース」の「システムトラブルのため」21年3月の3日間(3/1、3/20、3/21)のデータ欠損分は、flightradar24のデータで補填した。

上図を月の平均値・中央値に集計したのが次図。

  • 20年年度
    • コロナ水際対策として12月28日から全世界からの外国人新規入国停止した影響が出た。
    • 1月に底を打ったあと、特にC滑走路到着ルートにおいて増加傾向が見られた。
  • 21年年度(~4月30日)
    • 特にC滑走路到着ルートにおいて増加傾向が見られる。

通過機数の推移(南風時の到着ルート)


(参考図:到着ルート)
到着ルート説明図
※破線は「悪天時」ルート

【機/時】20年8月初旬ピーク:Aルート10機超、Cルート20機超

1時間当たりの通過頻度の推移を下図に示す。

国交省の計画では、A滑走路到着ルートは1時間当たり14回(4分17秒ごと)、C滑走路到着ルートは1時間当たり30回(2分ごと)の頻度で飛ぶことになっている。

  • 20年年度
    • 新型コロナの影響による減便が著しく、4月下旬以降、A滑走路到着ルートでは1時間当たり5機程度、C滑走路到着ルートでは1時間当たり10機程度だった。
    • 6月、7月はA・C滑走路到着ルートともに回復に向かい、8月初旬にはA滑走路到着ルートは1時間あたり10機を、C滑走路到着ルートは1時間あたり20機を超えた。
    • 8月中旬を過ぎて機数が減少傾向の後、10月下旬から増加の兆候が見られたが、南風時の運用日数そのものが大幅に減少した。
  • 21年年度(~4月30日)
    • 増加傾向が見られる。

通過頻度の推移(南風時の到着ルート)

【メモ】

  • ところどころC滑走路到着ルートの通過頻度が跳ね上がっているのは、当日同ルートの運用時間が短かったことによる。

上図を月の平均値・中央値に集計したのが次図。

通過頻度の推移(南風時の到着ルート)

【機材】国交省計画よりも大型機の割合が小さい

機材区分別(小・中・大型機)の通過機数の推移を下図に示す。

  • 20年年度
    • 4月初旬に45機前後飛行していた小型機は、4月下旬以降半減。中型機も同様の傾向が見られた。
    • 6月以降8月中旬まで、小・中・大型機ともに機数が増加。8月中旬を過ぎて小・中・大型機ともに機数が減少傾向の後、10月下旬から増加の兆候が見られたが、南風時の運用日数そのものが大幅に減少した。
  • 21年年度(~4月30日)
    • 小・中型機の増加傾向が見られる。

機材区分別の通過機数の推移(南風時の到着ルート)


国交省の説明資料によれば、羽田空港で使われている飛行機は、小型機48%、中型機25%、大型機26%となっている(次図)。

国交省データ(19年1月時点)
FAQ冊子v6.2_P58

 

機材区分別の通過機数割合の推移を下図に示す。

  • 20年年度
    • 国交省データ(19年1月時点)と比べて大型機の割合が小さく、そのぶん小・中型機の割合が大きくなっている。したがって、本来の飛行騒音状況はもっと酷いことに要留意。
  • 21年年度(~4月30日)
    • 中型機の割合が、やや増大する傾向が見られる。

機材区分別の通過機数割合の推移(南風時の到着ルート)

 

2020年度で最も多かった機材はボーイング737-800(小型機)の3,084機(37%)だった

機材区分(2020年度実績)
※機材区分は概ね、大型機(300席以上)、中型機(200~300席)、小型機(200席未満)とした。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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