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羽田新ルート|国交省が江東・江戸川区版のチラシに「お詫びと訂正」

国交省が3月15日に公表した江東・江戸川区版のチラシに係る「お詫びと訂正」。

訂正データに違和感があると思って調べてみたら……。


もくじ

国交省が「お詫びと訂正」

国交省は3月15日、「羽田空港のこれから」サイトに「お詫びと訂正」を出した。

【お詫びと訂正】羽田空港新飛行経路の夏ダイヤの運用状況に関する資料(江東区版、江戸川区版)において、記載内容に一部誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。

1.該当資料について

  • 江東区版、江戸川区版
    ※こちらのページに掲載しているものです。現在は、修正後の資料を掲載しております。

2.訂正内容について

  • 「運用報告」における<荒川に沿って北上する北風時の新飛行経路における1日当たりの実際の運航便数>の表において、6月の運用日数が「21日」とありますが、正しくは「25日」となります
  • 以後このようなことがないよう、努めてまいります。

 

江東区と江戸川区に配布済みのチラシに掲載の数字が1か所間違っていたというのである(次図)。

【お詫びと訂正】羽田空港新飛行経路


たった1か所、しかもわずかな違い(21日⇒25日)にわざわざお詫び訂正文書を出すとは、国交省も随分と丁寧な仕事をしているのだなぁと思いながら、念のため数字をチェックしていて、いくつか数字が合わないことに気が付いた。

数字が合わない!?

上図に記載された月別の「1日平均の便数」に対して、20年8月26日に公表された「新飛行経路の運用実績・運航便数(2020年5月1日~6月30日分)」(次図)に記載されたデータから拾った「運用日数」「便数」を元に計算した「1日平均の便数」(=便数÷運用日数)が合わないのだ(少なめに算出される)。

羽田空港の新飛行経路運用状況(機数ベース)


特に、7・8月の乖離が大きい(次図)。

北風時荒川北上ルートの運航便数 (チラシ掲載値 vs 計算値)

じつは…

なぜ、チラシ掲載値と計算値が合わないのか。いろいろ調べていくと、次の注釈にその答えがあった(次図)。

国交省がお詫び訂正

※お示ししている便数は、概ね7時間30分程度北風運用を行った日の7時~11時30分、15時~19時(うち3時間程度)の新飛行経路運航便数の平均 

つまり、「1日平均の便数」(=便数÷運用日数)の計算の元となる運用日数は「概ね7時間30分程度」運用された日だけが対象となっていたのである

筆者が構築したデータベースで、北風運用が1日400分以上行われた日だけを対象に「1日平均の便数」を計算してみたところ、たしかにチラシ掲載値と一致していることが確認できた。

 

なぜこんなチェックをしたのかと言えば、国交省がお詫び訂正した図(次図、再掲)を見たときに、「C滑走路離陸」欄の平均便数の推移に違和感があったからだ。

「C滑走路離陸」欄の平均便数の推移

7月~10月の1日あたりの便数に大きな変化が見られない。でも、筆者の感覚としては北風の日が増えてくる秋以降、もっと数値が上昇してくるのではないのかと。

この違和感は、「1月あたりの便数」が掲載されていないことに原因があった。

7月~10月の1日あたりの便数に大きな変化が見られないが、「1月あたりの便数」は8月から10月にかけて大きく増加しているのである(次図)。

北風時荒川北上ルートの運航便数 (チラシ掲載値 vs 計算値)


「1日平均の便数」だけでなく、月次変化が分かるように「1月あたりの便数」もチラシに掲載すべきではないか、という話……。

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