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都内の住宅の耐震化率は92%(19年度末時点)、あと5年で耐震性能不足は解消できるのか?

首都直下地震は30年以内に70%の確率で発生されると予測されている。これはいつ発生してもおかしくない状況を意味している。都内の住宅の耐震化が急がれる。

そんななか、東京都は2月12日、「東京都耐震改修促進計画(一部改定)素案」について意見募集を開始(〆切3月13日)。


もくじ

東京都耐震改修促進計画(一部改定)素案

東京都耐震改修促進計画(2016~2025年度)の中間段階での一部改定素案がまとまったという。

都は、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき、建築物の耐震化を計画的かつ総合的に促進することを目的に、東京都耐震改修促進計画(計画期間は平成28年度から令和7年度まで)を策定しています。

このたび、中間段階の目標年次を迎える住宅や特定建築物(多数の者が利用する一定規模以上の建築物)等について、耐震化の目標や施策等を検討し、一部改定素案をとりまとめましたので、次のとおり都民の皆様からの御意見を募集します。

「(一部改定)素案」は全89ページと結構なボリュームだ(次図)。

東京都耐震改修促進計画(一部改定)素案

 

住宅については、「令和7年度末(2025年度末)までに耐震性の不足する住宅を概ね解消」するという目標が掲げられている(次図)。

令和7年度末(2025年度末)までに耐震性の不足する住宅を概ね解消
「東京都耐震改修促進計画(一部改定)素案概要」1枚目

都内の住宅の耐震化率は92%(19年度末時点)

では、現状の耐震化率はどの程度なのか?

現状

  • 平成30年住宅・土地統計調査を基に住宅の耐震化率を算出すると、令和元年度末時点の耐震化率は、戸数ベースで 92.0%と見込まれる
  • そのうち木造戸建て住宅では 86.0%、非木造共同住宅では 94.5%、マンションでは 94.4%が耐震性を満たしていると見込まれる。

「(一部改定)素案」P27-28

19年度末時点で92%というから、完全達成まであと8%だ。

その内訳は表8(P28)に示されている(次表)。

表8 住宅の耐震化の現状


数値データの羅列では認識しづらいので、可視化してみた(次図)。

耐震化が進んでいないのは、木造の戸建て(86.0%)と木造の共同住宅 (89.4%)である。

都内の住宅の耐震化の現状(20年3月末現在)


あと5年で都内の住宅の耐震性能不足は解消できるのか?

目標の「おおむね解消」が「100%解消」でないところがお役所言葉。どこか逃げを打っていないか。

耐震性能不足が解消されるまで、首都直下地震が起きないことを祈るしかないのか……。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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