不動産経済研究所は1月25日、「首都圏マンション市場動向2020年(年間のまとめ)」を発表。
- 年間供給は12.8%減の2万7,228戸。下期に挽回するもコロナ禍で'92年以来の3万戸割れに。
- 平均価格は1.7%上昇の6,084万円と'90年以来の6,000万円台。m2単価は5.3%上昇の92.6万円。
発表資料は数字の羅列で分かりにくい。そこで同研究所が過去に発表した資料も交え、過去19年間の「首都圏新築マンション市場動向」を可視化してみた。
ざっくり言うと
首都圏の分譲価格、6千万円突破
分譲価格の推移を次図に示す。
- 23区の分譲価格は、07年のピーク(6,120万円)から漸減したあと、12年をボトム(5,283万円)にアベノミクス効果で上昇し、17年に7千万円を突破。
- 首都圏の分譲価格も、ほぼ同様の傾向で、20年に6千万円を突破。
m2単価の推移を次図に示す。
- 23区のm2単価は、13年以降アベノミクス効果で上昇し、20年は125万円を突破。
- 首都圏のm2単価も、ほぼ同様の傾向で、20年には90万円を突破。
10年間でより狭く、より高くなった
上図に示した「分譲価格」と「m2単価」から、「専有面積(=分譲価格÷m2単価)」を逆算し、グラフ化してみると興味深い事象が見えてくる。
23区のデータをもとに、横軸に「専有面積」、縦軸に「分譲価格」で描いたのが次のグラフ。
- 07年~09年は、面積が小さくなり価格が低下。
- 09年~14年は逆に、面積が大きくなり価格が上昇。
- 14年~20年は、面積は小さくなるが価格は上昇するという、マンション購入者にとっては最悪の状況。
ザックリいえば、23区の新築マンションはこの10年間で狭くなったのに、分譲価格は2千万円以上、上昇しているのである。
首都圏においても、23区と概ね同じような傾向である(次図)。
13年以降、5千万円以下の発売戸数が激減
発売価格が上昇し始めた13年以降の、価格帯別発売戸数の変化を可視化したのが次図。
ザックリいえば、5千万円以下の発売戸数が激減しているのである。
庶民が新築マンションを買うのが年々厳しくなってきている状況であることが一目瞭然であろう。
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