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羽田新ルート|新宿区議会「20年第3回定例会」決算特別委員会(質疑応答)

新宿区議会「20年第3回定例会」決算特別委員会(9月29日)で、羽田新ルートに関して、雨宮武彦議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約5千400文字)しておいた。

※以下長文なので、時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は環境対策課長


区民からの苦情について

雨宮武彦議員(共産)
雨宮武彦議員(共産党、区議8期、甲府工業高校卒、72歳)

雨宮:苦情件数?

私は羽田新飛行ルートの問題について質問させていただきます。
まず、一般質問の第2回定例会の一般質問でもさせていただきましたけれども、そのときに区民からの苦情は5月末で27件というふうに報告がありました。


その後3か月以上経っていますけれども、苦情件数が何件ぐらい来ているのか、その内容はどうかという点を最初にまず聞かせてください。

環境対策課長
環境対策課長

課長:49件

羽田空港の新飛行経路に係る問い合わせ件数、あるいは苦情の件数でございます。月別に申し上げますと、3月の29日からの、3月と4月、これで20件。5月で7件。6月が17件。7月が5件。8月が0件。合計49件でございます


内訳につきましては、複数のご相談もございましたので、件数は合いませんが、一番多かったのが「騒音」33件。それから「運用の見直し」18件。次、3番目が「周知」についてが11件。このような状況でございます。

雨宮:騒音51.6%が「気になる」。感想?

分かりました。それで、国のほうへの、国交省への苦情というのが6月末で3,374件ということですから、相当数、国交省のほうには直接来てるかなと思いますし、反対する市民団体も20を超えているというふうになっています。


先日、9月21日にも「新宿の空を守る会」の皆さんが主催をして、「都心低空飛行ルートの中止を! 海上ルートに戻せ!住民のつどい」というのが牛込箪笥区民ホールで行われまして、100名の方が参加して、区議会議員の方も8名参加しておりました。
そういった意味では引き続き、こういった住民の皆さんの反対の声が強いということが言えると思いますし、9月28日ですから、昨日、第1回の行政訴訟が行われるということになっています。


私どもも毎年、区政アンケートに取り込んでるんですけれども、コロナ禍でこの間、8月から新聞折り込みなどを行って、一部全戸配布も行いましたけれども、9月28日現在で2,143通が寄せられています。

途中集計で、取りあえず600通を集計をしましたところ、「羽田新飛行ルートについて騒音は気になりますか?」という質問に対して350通、51.6%が「気になる」と。
「超低空飛行で何が心配ですか?」という質問に対しては「落下物」と答えた人が63.6%、「墜落事故」という人が50.0%、「騒音」という方が46.1%。
もう一つの質問で「羽田新ルートに対しどう思いますか?」(という質問に対して)、「撤回すべき」というのが55.1%。


こういう結果でしたけれども、こういう結果についてどんなふうに思われますか。感想を聞かせてください

課長:騒音対策については要望をしてまいりたい

いまのご指摘の中で、やはりキーワードとして多かったのが「騒音」というところが大きいのかなと。私どもの窓口に来られた、あるいは電話等の相談でも「騒音」というものが一番多かった、というところは一致をしてる部分かなというふうに感じた次第でございます


だからこそ私ども、実機飛行確認の時には、国が事前に「このぐらいの騒音値ですよ」というふうに示した推計平均値で、大型・中型・小型、全て上回っていたというこういう結果が出ましたので、これを重く見て、6月の3日に他の4つの要望と共に一番冒頭に、騒音について、しっかり要因分析を行って解決を図ることというふうに要望を出したところでございます。その後、4月、5月、6月と、時が経るにしたがって、結果的に、この平均値、騒音の値が下がっているという状況がございます。


これ自体は一定の評価はしてございますけれども、過去からずっとこの騒音については何十年前に比べれば、かなり低減がされているということは、将来に対しても、まだまだここは改善の余地あるだろうと思いますので、引き続き折を見ながら国に対して、騒音対策については要望をしてまいりたいと、このように感じた次第でございます

東京新聞の記事に関連して

雨宮:Lden62dB以上にならなければ防音装置は付けない

是非、それはそれとして要望してほしいというふうに思います。

それと、東京新聞の9月27日付に、今の騒音の話がありましたが、品川区の南大井に住んでいる住人の方の取材がありまして、そこでは300mという、羽田に近いとこですから、86dB(の騒音)がしょっちゅうあるということで、防音装置を付けてくれとこういう話もあったようですけれども、しかし、Ldenという、1日の騒音エネルギーの総量を元にして計算した1秒あたりの値ということで、(羽田新ルートは)3時間しか飛ばないために、24時間単位で計算するようになってますので、(Ldenが)62dB以上にならなければそういう住宅地の防音装置は付けないんだそうですけれども、こういった問題が報道されておりました。


この点について、以前から課長も特別な計算というか、国交省の資料でいけば、それほどでもないみたいな発言があったかなと思いますけれども、こうした報道、20日付の報道については、どんなふうに思われますか

課長:国に対して必要なことは申し上げていきたい

様々な、特に、今ご紹介いただいたところは、空港に近い方の住民の皆様のお声ということかなというふうに感じている次第でございます


一方で、新聞報道の中身につきましては、国の方で、環境基準あるいは個別法に従って適切に対応してるものではないかなというふうに感じているところでございます


新宿区としても、こういった様々な経路下の住民の皆様が様々な思いを持っているということは肝に銘じて、今後も国に対して必要なことは申し上げていきたい、このように感じた次第でございます

雨宮:区長も(発着増便を)求めた?

もう一点。連続して28日付にも東京新聞が報道しておりまして、ここでは国交省OBの方の証言として、「都心を飛ばせば発着数を増やせるのはもう何十年も前から省内で常識だと。しかし、多くの住宅に防音工事をしなければならないので実現不可能」というふうに国交省のOBは、前の幹部は考えていたと。

ところが、突然、これが逆になって、(新ルートを)やるんだと。こうなったと。いうことで、2014年に6月、都市計画が発表された。これは首相官邸が押し切ったという報道になっています。


それだけでなく東京都や区も、羽田は近くて便利と言って、発着増便を求めたと、報道になってますけれども、区長も発着してほしいと、便利になるということで求めたのでしょうか。お聞きします。

課長:増便を国に要望したという事実は一切ございません

新宿区と致しまして、増便を国に要望したという事実は一切ございません

むしろこれは国の事業で、国の責任の下で、これは始めた事業でありますけれども、それであるならば、我々住民のために、当然のこととして、様々な対応を図るようにということで要望をし続けてきた歴史というふうに認識をしてございます。

雨宮:23区の区長会としても、同意の方向で進んだ?

しかし、23区、区長会として、東京都知事が決定をして、その決定する過程において23区の区長会としても、同意の方向で進んだんではないですか

課長:同意とか、そういった類のものではございません

羽田の新飛行経路の、この事業の性格からしても、区市町村の同意とか、そういった制度、そういった類のものではございません


あくまでも国が国の事業として責任を持ってやっていくということに対して、特に新飛行経路下の13区、新宿を含めてになりますけれど、であるならばやるべきことをしっかりやってくれと、こういうような関係性のもとでこれまで取り組んできましたし、今後も、この取り組みの姿勢は変わらないものと考えてございます。

雨宮:反対ということは言ってないわけでしょ?

しかし、国交省の計画が発表されて、何度か副区長会の(会議が)もたれたり、担当の会議ももたれたりする中で、反対ということは言ってないわけでしょ

課長:国が責任を持ってやっていく事業でございます

繰り返しの答弁で恐縮でございますけれども、羽田新ルートも、この事業の性質上、国が責任を持ってやっていく事業でございます

影響を受ける我々地元の区は、それに対して必要な対策を要求をしてきている。こういう関係性だというふうに認識をしてございます。

雨宮:賛成も積極的にはしないけれども反対もしなかった?

そういう関係性なので、賛成も積極的にはしないけれども反対もしなかったという理解でいいですか

課長:反対はしなかった、賛成もしなかった

今のご質問で、「賛成もしなかったけれども反対もしなかったんですか」ということであれば、反対はしなかった、賛成もしなかったと、こういうことが言えるのかなと思います

固定化回避に係る技術的方策検討会について

雨宮:第1回の検討会の内容?

いま、本当に品川区の住民の皆さんは、もう保育園では昼寝もできないという状況が続いてるそうです。そういった意味で昨日、訴訟もあって、今裁判になっているわけですけど、いずれにしても、そういう事態になっているということです。


それで、6月30日に行われた国交省の第1回の有識者と専門家による検討会、これが開かれたというふうに聞いてますけれども、この内容についてお聞きいたします

課長:概要と致しましては、・・・

羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会、6月30日に国が主催で開催をした件でございます。

概要と致しましては、検討会の趣旨等についての説明、そして最近の航空管制・航空機器の技術について、あるいは海外動向の調査、それから今後の議論の進め方、等々について議論があったというふうに聞いてございます。

雨宮:(区からの)要望と(検討会と)の関係?

この検討会の会議そのものが、いわゆるルート見直しではなくて、騒音をどう軽減するかという技術的な検討会だというふうにも聞いています。


そういった意味では、この間、区長が私の一般質問に答えて、「必要最小限の飛行便数となるよう配慮することや新飛行ルートが固定化することないよう要望した」とか、その後の予特(予算特別委員会)の説明でも、「あくまでも悪天候によってあのルートじゃないと安全確保できない時に新ルートを使う」と答弁してるわけですけれども、そういった意味では、この検討会も、国交省もルートを変更するような気は全くないというふうに言えるかと思いますけれども、要望との関係ではどんなふうに考えてますか

課長:区の思いを汲み取った部分もある

6月3日、区長名の要望では、今ご指摘の通り、飛行経路のあり方については、騒音対策、安全対策等の観点から新飛行経路が固定化されることのないよう、継続的に検討を行うこと、というふうに区長名で要望を出しました。


この6月の30日の検討会におきましては、羽田新経路の固定化回避に向けて、考えられる技術的選択肢について科学的な検討を行い、今年度中にそれぞれの方策のメリット、デメリットを整理予定ということでございます。

そういった意味では要望をさせて頂いた区としては、一定、区の思いを汲み取った部分もあるだろうというふうに考えているところでございまして、今後の議論の推移を見守って、注視してまいりたいと、このように考えてございます。

国交省への要望

雨宮:ゴーアラウンドが何回あったのか、国交省に聞いて

今年末、どんな方向が出るかということも、また見たうえで、また質問させていただければと思います。


もう1点。さきほどお話した9月21日に、牛込箪笥区民ホールで、航空評論家で元日本航空のパイロットの杉江弘さんが、3月29日以降、新ルート以降、ゴーアラウンド、いわゆる着陸をやり直すというのが大変増えたということなんです。


これについて、3.0度から3.5度に(降下)角度が変わったということからパイロットの負担が増えてるわけですけれども、是非、国交省に、ゴーアラウンドが、何回あったのか、杉江さん達が聞いても答えてくれないんだそうです。

ですから、尻餅事故を起こしたり、旅客機の事故が起きてからでは遅いというふうに思いますので、ゴーアラウンドが何回あったのか、ぜひ新宿区として調査をし、国交省に聞いていただいて、私どもに回答いただければというふうに思いますけれども、最後の質問にします。いかがですか。 

課長:そういう要望があったということは伝えてまいりたい

国交省の担当とは日頃より実務面中心に、様々な連携を取らせて頂いております。

今日、こういった場で、ご意見・ご指摘を頂きましたので、このようなご指摘があったということをまず国に伝えさせて頂きまして、国がどのような調査をしているか、現時点で分かりませんけども、しっかりそういう要望があったということは伝えてまいりたいと考えています。

雨宮:廃止・中止の方向、国交省に伝えていただきたい

いずれにしても、騒音や落下物や墜落事故の危険っていうのは、アンケートの調査でも区民の皆さんからたくさん寄せられておりますので、いずれにしても、これは廃止の方向、中止の方向で取り組んでいただけるように、区としても、そういった要望の声はしっかりと国交省に伝えていただきたいと述べて終わります。

雑感(課長に感想を聞いてどうする!?)

沢田議員に感謝

新宿議会 第3回定例会(9/15-16)本会議の代表・一般質問で、 羽田新ルート を取り上げているのは19名のうち共産党2名も含めゼロ!とツイートしたところ、沢田新宿区議(共産)から、決算特別委員会で日本共産党の委員が取り上げる旨のリツイートを頂戴した。

沢田議員のリツイートがなければ、筆者が9月29日の決算特別委員会での羽田新ルートに係る質疑応答に気づくことはなかったかもしれない。

すごいぞツイッターと、沢田議員に感謝しつつ、今回の質疑応答を振り返る。

雨宮議員の質疑応答の成果

質疑応答を通じて、新たに分かったことは、新宿区が受けた苦情件数(49件)とその内訳(騒音33件)。

また、あえて成果を上げるとすれば、2点。
一つは、羽田新ルート開始の起点となった「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」(23区の副区長、隣接5市の副市長で構成)での副区長のスタンスにつき、「反対はしなかった、賛成もしなかった」との言質を環境対策課長から得たこと

もうひとつは、3月29日以降ゴーアラウンドが何回あったのか、新宿区として国交省に確認してもらえること

ちなみに、筆者の独自調査によれば、羽田新ルートの運用開始以降、南風時に都心を通過する着陸ルートのゴーアラウンド回数は8月の6回が最大(次図)。猛暑による降下角3.45度超えがゴーアラウンド増につながるという事前の予想は、必ずしも当てはまっていない。

ゴーアラウンド実績(南風時の到着ルート)
羽田新ルート|運用実績を可視化(9月)」より

課長に感想を聞いてどうする!?

今回の質疑応答を視聴していて、とても気になったことがある。

共産党が実施した区政アンケート結果について、雨宮議員が環境対策課長に「感想を聞かせてください」と言ったのである。

そう問われた課長は、「電話等の相談でも「騒音」というものが一番多かった、(略)というふうに感じた次第でございます」と応じた。

東京新聞の報道について、「どんなふうに思われますか」と問われた課長は、「感じている次第でございます」「感じているところでございます」「感じた次第でございます」と3連発。

また、雨宮議員から問い詰められて、「反対はしなかった、賛成もしなかったと、こういうことが言えるのかなと思います」と答弁。「思います」とは個人的な感想そのものではないのか。

以上のように、答弁者(環境対策課長)に「感想」を求める議員と、「感想」を連発しているうちに、つい「思います」と応じてしまった課長に違和感を覚えた。

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