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羽田新ルート|結論ありき!? 技術検討有識者会議

羽田新ルートの管制や飛行方法など技術的な課題を検討する有識者会議が6月30日に開催されることになった。

ただ、委員の顔ぶれを見ると……。


もくじ

技術検討有識者会議6月30日に開催(産経)

赤羽国交大臣は6月16日の閣議後記者会見で、羽田新ルートの管制や飛行方法など技術的な課題を検討する有識者会議の初会合を6月30日に開催することを明らかにした。

羽田新ルートの騒音軽減へ有識者会議 30日に初会合

赤羽一嘉国土交通相は16日の閣議後記者会見で、3月から運用が始まった東京都心を通過する羽田空港の新飛行ルートに関し、管制や飛行方法など技術的な課題を検討する有識者会議を設置し、今月30日に初会合を開くと明らかにした。地元自治体などから懸念が出ていることを踏まえ、本年度末までに騒音軽減策を洗い出すとしている。メンバーは航空専門家やパイロットOBらで構成する。(以下略)

(産経ニュース 6月16日)

同会議は、3区(品川・目黒・港)の公明党の都議、区議からの緊急要望書を受けて尻に火が付いた赤羽国交大臣が6月3日の衆院国土交通委員会で明言していたもの。

※詳しくは、「羽田新ルート|衆院「国土交通委員会」赤羽大臣が折れた⁉︎」参照。

住民代表や航空評論家の杉江弘氏などの参加を要望

羽田問題解決プロジェクト(大村究代表)は6月10日、赤羽大臣の有識者会議設置発言を受けて、赤羽大臣宛に「羽田新ルートの有識者専門家会議設置への申し入れ」文書を提出(次図)。

羽田新ルートの有識者専門家会議設置への申し入れ
(A4判1枚)

同文書では、専門家会議に新ルート下の議会代表や住民代表のほか、技術的懸念を表明している有識者の参加を要望している。

  1. (略)技術的な専門家以外に、新ルート下にある行政や議会の代表、地域住民らの代表、視覚障がい者等社会的弱者の代表など等、多角的な会議メンバーの構成を組まれることを求めます。

  2. 私たちは技術的な議論自体にも大いに関心を持っています。その際、より深みのある議論が行われるためには様々な視点が有効と考え、新ルートそのものや運航方式などに技術的懸念を表明している有識者や専門家の参加も是非必要と考えます。
    その意味で、例えば航空評論家の杉江弘氏もしくはこの件に懸念を表明するその他多くの識者の中からも、是非会議メンバーとして人選されることを求めます。

  3. (略)羽田の歴史の検証に耐えうる議事録作りを求めます。

羽田問題解決プロジェクト(大村究代表)の申し入れは実現したのか?

結論ありきの有識者会議!?

国交省が6月16日に発表した「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会を開催します」に添付された「委員名簿」には、8名の名前が記されている。

うち3名(印)は、現在の羽田新ルートの運用の根拠となっている「中間取りまとめ」を策定した「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」の委員である。

※50音順、敬称略。

  • 市川聡 全日本空輸(株)フライトオペレーション推進部 部長
    全日空では昨夏ごろから管理職がシミュレーターで検証作業を重ね、約2000人のパイロットに注意事項などを周知してきた。フライトオペレーション推進部担当部長の市川聡機長は「速度が増えやすい傾向はあるが、特に不安はない。安定した着陸を心掛けていきたい」と話した。(毎日新聞 20年3月10日)

  • ◎小林宏之 航空評論家
    元JAL機長

  • 高橋英昌 NPO 法人 AIM-Japan 編纂協会 理事長
    元航空管制官

  • 中西善信 長崎大学経済学部 准教授
    空港環境整備協会航空環境研究センター『RNAV の歴史と展望― 空港・空域の有効活用のために ―』航空環境研究 2017年PP.3-9において、RNAVび開発導入の歴史と今後の展望について寄稿

  • ◎平田輝満 茨城大学大学院 理工学研究科
  • 福島荘之介 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 電子航法研究所 航法システム領域長
    電子航法に詳しい。たとえば、「衛星航法による精密進入着陸システムの開発と安全性の保証」電子情報通信学会論文誌 2011年7月

  • 松並孝次 日本航空(株)運航基準技術部 部長
    元JAL機長

  • ◎屋井鉄雄 東京工業大学環境・社会理工学院 教授 

元管制官や元JAL機長のほか、RNAV進入方式に詳しい人物が加わったことが分かる。

予想されたことではあるが、新ルート下にある行政や議会の代表、地域住民らの代表はもとより、羽田新ルートに懸念を示している航空評論家の杉江弘氏(元JAL機長)も含まれていない。また、国交省にとって都合の悪い、騒音専門家も排気曝露の危険性に詳しい専門家も含まれていない。

これでは結論ありきの有識者会議になってしまうのではないだろうか……。

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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