不動産経済研究所は9月17日、8月の「首都圏新築マンション市場動向」を発表。
- 発売1,669戸、前年同月比8.2%減も都区部以外はいずれも大幅増。
- 平均価格6,011万円、m2単価93.3万円。戸当たりは5カ月ぶりの下落。
ただ、これだけではよく分からないので、同研究所が過去に発表した数値データも含め、いつものように、首都圏の新築マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
発売戸数・発売単価・販売在庫の推移(首都圏)
発売単価は、コロナ禍でも上昇傾向を見せている(20年1月だけ急上昇したのは、高額物件の大量供給の影響による)。販売在庫数は増加傾向。発売戸数は上下動が激しいが、減少傾向(次図)。
一言でいえば、マンション市場失速中ということ。
発売戸数の前年同月比の推移を可視化したのが次図。
新型コロナウイルスの影響が最も大きかったのは5月の▲82.2%。6月も▲31.7%と悪化状況が続いていたが、7月は一気に7.8%(前年同月比)まで回復。8月は▲8.2%まで減少。
発売戸数の推移(1都3県)
23区に着目すると、8月の発売戸数589戸は、前年同月比で▲51.0%減(次図)。
m2単価の推移(1都3県)
23区の発売単価は、コロナ禍でも上昇傾向を見せている(20年1月だけ急上昇したのは、高額物件の大量供給の影響による)(次図)。
価格帯別の発売戸数割合の推移(23区)
23区の発売戸数の割合は、5千万円を境に完全に2極化している。
5千万円以下の価格帯の供給割合は激減。(次図)。
億ションの発売戸数・率の推移(23区)
億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、18年9月の4.5%を底に増加傾向にある(20年1月だけ急上昇したのは、高額物件の大量供給の影響による)(次図)。
★まとめ
マンション市場は失速中……。
- 首都圏の発売単価はコロナ禍でも上昇傾向を見せている。販売在庫数は増加傾向。発売戸数は5月は過去最少だったが、7月は一気に7.8%(前年同月比)まで回復。8月は▲8.2%まで減少。
- 23区の発売単価は、コロナ禍でも上昇傾向を見せている。
- 23区の億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、18年9月の4.5%を底に増加傾向。
あわせて読みたい