渋谷区議会の定例会最終日(3月23日)、「羽田空港増便による都心低空飛行計画の抜本的な見直しを国に求める請願」の中間報告を求める動議が出されるという珍事が発生。
「継続審議」の扱い(=先送り)でスルーしようとしていた会派のたくらみがあぶり出される事態に。
金子議員(れいわ渋谷)が運営しているYouTubeチャンネル「渋谷区役所の闇を照らす」に3月23日、「須田賢議員のあぶり出し作戦がスゴすぎる件」という大変興味深い動画がアップされた。
金子議員と堀切議員(共に、れいわ渋谷)のYouTubeトークの一部を、以下に書き起こしてみよう。
新ルート請願の中間報告を求める動議
- 堀切:きょうは、議案の提出者である須田議員から、本会議の終わりになって、なんと、動議が出まして。
須田賢 議員(無所属、区議3期、元IT業界、立教卒、44歳) - 金子:動議。動議というのは議会用語ですね。
- 堀切:「議事進行!」と言って手を挙げて、ちょっと「流れをストップしてください」というかたちで、「すいません。議長!」と言って、「ひとつ提案したいんですけど」という意味ですね。
- 金子:渋谷区議会で、もう本会議で、流れはもう決まってまして、台本ができてるんです。台本がありまして。台本通りに進んでいくです。もうお芝居みたいなもので。ところが、このお芝居にないことが起きたというところですね。
- 堀切:そうですね。なんと、この前から問題になっている羽田空港が疑義案になりまして、低空飛行計画の見直しの請願について、中間報告を須田議員が求めたいと。
- 金子:このあいだの請願は、前回の動画で報告したんですけども、区民の方から、渋谷の計画を、見直しを求める請願が出たのを、採決を取らないで、「次回の6月の定例会に回しましょう」と「継続(審議扱い)」になったんですね。
- 堀切:そうですね。
※詳しくは、「羽田新ルート|渋谷区議会、闇審議の舞台裏」参照。 - 金子:こっそり、区民も追い出して、非公開の場で、内々でそういうふうに決めちゃったのを、僕らが前回の動画でバラしたんですけども。
それを「きちんと理由を説明してください」ということを須田議員が本会議で動議を提出して、このシナリオになかったこともんですから。「なんだ、なんだ」と騒ぎになったという話ですね。 - 堀切:まず議長が――これ1人で提出できなくて――、「誰か賛同しますか?」というので、私と金子議員が「賛同します!」と手を挙げて。
「じゃぁ、これを会議にかけましょう」言って。一回(本会議を)中断して、議会運営委員会に、これを議題にするかしないかというのを今回求めます、ということになった。 - 今回、議会運営委員会でどうするかということを10分くらいの会議で話しました。
(中略)※議会運営委員会で検討が行われる流れの説明
- 堀切:議会運営委員会が終わって、本会議場に戻って、今度は委員長が「議題に供する」と。「議題に供しますよー」と言ったときに、それに対して、「日程に追加します」とやったんですけども、そのときに、異議ありかどうかを諮るんです。
- 金子:追加していいですか、と議長が聞く。
- 堀切:そしたら、複数のシブヤの笑顔の会の人たちが、女性議員が今回多かったと思うんですけど。「異議あります!」と言ったんです。
- 金子:女性議員が「異議あります」
- 堀切:ということは、採決しなきゃいけないということになって、採決をしたわけです。
そしたら、日程に追加しない。残念なんですけども、笑顔と自民党と公明党、この会派が採決に反対して、委員長の報告というかたちで(中間報告が)できないということになっちゃったんです。 - 金子:つまり、この請願を闇に葬りたかったのは、自民、公明、笑顔の3会派だったいうことがバレちゃった、とこういう話ですね。
- 堀切:そうですね。
- 金子:こっそり棚上げしたかったのに、バレちゃったんだ。
- 堀切:そうですね。
(中略)
「笑顔」オウンゴール
- 金子:白黒つけないために、(採決を)先延ばししたのに、図らずも白黒、今日ついちゃったという。
- 堀切:そうですね。
- 金子:しかも実名で採決取っちゃった。採決取らないで、質問させちゃえば分かんなかったんですよ。
- 金子:議運(議会運営委員会)の話しちゃっていいんですか?
- 堀切:いいですよ。
- 金子:普段、渋谷区議会は、採決って、電子ボタンでやるんですよ。電子ボタンでやるってことは、どの議員が賛成で、どの議員が反対かということがキチンと記録に残っちゃんですね。
今日の議会運営委員会、私も傍聴に入ってて、議運のメンバーじゃないもんですから、普段、本当は入れないんですけども、傍聴人で観てたんです。
そしたら、議運の委員長の進行の段取りがあったときに、「採決は起立方式でやろう」と委員長が言ったんですよ。
つまり、起立と起立しない、座ってるのと、全体的に何人立ったか座ってるのが分かるんですけども、誰がというのは記録に残らないんです。起立方式だと。
ところが、ある笑顔系の会派の議員が、「起立というのはもう古いから、電子評決でやろうよ」というふうに提案をして、電子評決でやることになったんですけども。
それって、何んでそうかというと、事務局が「今回、起立でやろう」と言ったということを、図らずも委員長がバラしちゃったんですね。つまり、議会事務局としては、誰が賛成したか、誰が反対したかが名前が出るのはよくないというふうに、たぶん忖度したんでしょうね。 - 堀切:ところが、逆に自分たちがオウンゴールしちゃったんですよ。
- 金子:オウンゴールって、いいこと言いますね。
- 堀切:オウンゴールなんですよ。だって採決ボタンを押しちゃったら、(各議員の賛否が)表示出ちゃうし、あのパネルはそのままインターネット中継でも出ますから。
- 金子:出るんだ。バレちゃうんもんねぇ。
- 堀切:(どの議員が反対したのか)バレちゃう。
(以下略)
須田賢議員のあぶり出し作戦がスゴすぎる件 - YouTube
新ルート請願の中間報告に反対票を投じた区議一覧
「羽田空港増便・・・抜本的な見直しを国に求める請願」の中間報告をすることに反対した議員は誰なのか?
渋谷区議会のHPで公開される、電子評決の結果を映した動画の公開が待たれる。
【追記3月28日】
3月27日、録画中継(日程第19 閉会中の審査及び調査事件について)が公開されたので以下に追記。
(渋谷区議会HP、投票結果画面より)
上図を元に、各会派と議員の投票結果を整理した(次表)。
羽田新ルート請願に係る中間報告は、3会派(自公・シブヤ笑顔)により否決されたことが確認できる。
他の事案は知らないが、少なくとも羽田新ルート推進に関しては、「シブヤ笑顔」が自公の補完勢力であることが明らかになった。
あわせて読みたい