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羽田新ルート|短期間の追加騒音測定、技術検討会への地ならし!?

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「第2回分科会」が8月7日に開催されていたことをご存じだろうか。

羽田新ルートが通過する13の区において、追加的に各2週間の騒音測定が実施されることになっている。その狙いは……。


もくじ

「都及び関係区市連絡会」がコッソリと開催されていた

東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について」のページを眺めていて、「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「第2回分科会」が8月7日に開催されていたことに気が付いた。

おいおいそんなこと聞いていないぞ(って当たり前か)。

都HPの新着情報にも都市整備局HPの新着情報にも掲載されていないので、一般の都民が知ることは不可能である(それが狙い?)。


都市整備局の読みづらい「トピックス」に目を凝らすと(次図)、「第1回幹事会(5月18日開催)」「第1回分科会(6月10日開催)」「第1回分科会その2(7月30日開催)」を含め、今年度に入って、4つの会議が埋もれていることが分かる。

「第1回幹事会(5月18日開催)」「第1回分科会(6月10日開催)」「第1回分科会その2(7月30日開催)」


「第1回分科会その2(7月30日開催)」以降の議事要旨はまだ公開されていないが、配布資料からは、国交省が羽田新ルートが通過する13の区に説明している会議であったことが読み取れる。「都及び関係区市連絡会」と謳われているが、13区以外の区も市も参加していない。


6月、7月、8月と「都及び関係区市連絡会」の分科会が3か月連続で開催されたことが気にならないだろうか。

1年前も似たような状況があった。

そのときは分科会という会議体ではなく、幹事会。前年度(18年度)まで年に1回程度しか開催されていなかった幹事会が19年度に入り5月、6月、7月と3か月連続で開催されたあと、当時の石井国交大臣が8月8日「地元の理解が得られた」宣言を出して、翌20年の3月29日羽田新ルート運用開始につながっていくのである。

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」 開催状況


では、今回の3か月連続の分科会は何を示唆しているのか。そのヒントは、8月7日に開催された第2回分科会配布資料7(短期測定について)にあると、筆者は考えている。

まずは「短期測定」の内容をひも解いてみよう。

13区で短期間の追加騒音測定が実施される

短期測定とは、「飛行場周辺に一時的に設けた測定地点で、原則として連続7 日間にわたって継続的に行う航空機騒音の測定のこと」環境省「航空機騒音測定・評価マニュアル」)。

環境省マニュアルによれば、「騒音の暴露状況が時期によりほとんど変化しない場合は 1 回/年、変化する場合は複数の時期(例えば、季節を変えて 2 回/年、春夏秋冬の 4 回/年等)を選定する」とされている(マニュアル本文P12)。

配布資料7では「測定地点の選定について」として、南風時に都心を通過する到着ルートについては、各区1か所、「夏季に2週間測定する」としている。

測定地点は原則各区1箇所としています。

※通常の短期測定は夏季と冬季に7日間ずつ(計2週間)実施するところ、南風到着経路については、冬季における運用割合が低いため、夏季に2週間測定することを計画

(P2/配布資料7)

「短期測定」の今後の予定は、8月下旬に実施内容が国のHPで公開され、翌9月下旬から10月上旬にかけて測定が行われたのち、11月頃に「結果の報告」が行われることになっている(次図)。

今後のスケジュールについて(予定)

 

※9月1日追記

国交省が運営しているサイト「羽田空港のこれから」に8月31日、「航空機騒音の短期的な測定の実施」が掲載され、短期測定の場所が公開された(次図)。東京都13か所、神奈川県2か所、埼玉県6か所。

航空機騒音の短期的な測定

技術検討会への地ならし!?

短期間の騒音測定の「結果の報告」が11月頃に行われると知って、ピンとくる人は羽田新ルート問題にかなり詳しい人だ。

どういうことなのか、以下説明しよう。

赤羽大臣の肝いりで始まった「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」について、当の赤羽大臣は6月30日の記者会見で、今年度中の決着を明言している。

決めているものはありませんが、いろいろな方法を出していただいて、そのメリット・デメリットについての整理は今年度中に決着をつけていただこうというのが第1の段階だと思っています。

羽田新ルート|不透明感が漂う有識者会議」より

また、6月30日に開催された同検討会の議事概要をひも解くと、飛行経路を分散させることで、騒音を「なるべく皆でシェアする」という可能性も考えられる。コロナ減便とオリパラ中止により羽田新ルートを強行する理由が国際競争力の強化だけでは説得力に欠けるので、最近は国交省と赤羽大臣は騒音分散化(騒音負担共有論)をアピールし始めているのである。

つまり、11月頃までまとめられる13区の短期測定結果は、騒音分散化(騒音負担共有論)とリンクしているのではないかということだ。13区の航空機騒音被害の程度を定量化することで、「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」が検討しようとしている新ルート見直しの方向性に説得性を持たすことができる。

そして今後、次のような展開が予想される。

  • 11月:短期測定結果の公表
  • 12月:技術検討会の取りまとめ結果公表
  • 3月(?):国交大臣、新ルート見直し検討結果を発表

実際に新ルートの見直しが行われるのか、単に反対派に対するガス抜きで終わるのか、今後の首都圏民の声の大きさによるところが大きいのではないか……。

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