コロナショックがHARUMI FLAGショックを引き起こし、ただでさえ苦戦していた新築マンション市場に止めを刺すのか……。
HARUMI FLAG 第2期販売を延期
今月下旬に予定されていたHARUMI FLAG第2期販売が6月以降に延期されたことをNHKが伝えている。
東京五輪・パラ選手村の建物活用マンション 第2期販売を延期
東京オリンピック・パラリンピックの選手村の建物を活用するマンションについて、大手不動産会社などによる企業グループは、今月下旬に一部を販売する予定でしたが、ことし6月以降に延期することを決めました。
(中略)
この理由について、企業グループは「新型コロナウイルスの感染拡大で、大規模イベントの自粛が求められている状況を鑑みて判断した。大会延期の議論とは直接関係ない」としています。(NHK NEWS WEB 3月23日)
延期理由が「大会延期の議論とは直接関係ない」という説明には違和感がある。第1期契約者からの訴訟の可能性を念頭において、予防線でも張っているのだろうか。
HARUMI FLAG(総戸数4145戸)については、第1期に販売された940戸のうち893戸に2220組の申し込みがあり、すでに契約済みのものもあるという。
この第1期住戸の契約者は当初、23年3月下旬に入居が予定されていた。もともと入居が2年も先だったのに、今回のオリンピック中止で、いつ入居できるのか? 延期に伴う違約金は売主からもらえるのか?
今朝の日経新聞によれば、「補償などはない」という。
五輪「延期」想定、対応探る、開催、4週間内に結論、競技場確保、最大の課題、警備1万4000人、宙に浮く。
(前略)選手村は大会後にマンション「HARUMI FLAG(ハルミ フラッグ)」(東京・中央、分譲住宅4145戸)となり、三井不動産レジデンシャルなど10社が19年7月から販売を始めている。入居開始は23年3月下旬を予定しているが、契約者によると「延期については受け入れることになっており補償などはない」という。(以下略)
(日経新聞 3月24日)
HARUMI FLAGショック、新築マンション市場に止めを刺す!?
HARUMI FLAGはアクセスに難はあるものの、富裕層には投資物件としての人気が高かった。
今回2期販売が延期になったということは、2期販売に手を挙げる人が多くなかったことに加え、1期販売分のキャンセルが増えたということなのだろうか。
ちなみに、不動産・マンションの口コミ掲示板「マンションコミュニティ」で「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」に投稿された件数は3.7万件を超えた(3月24日現在)。
投稿件数の推移を可視化してみると、最近では、サンスポの記事「延期の場合の“補償”現状なし」(3月14日)でお祭り騒ぎになっていたことが分かる(次図)。
コロナショックがHARUMI FLAGショックを引き起こし、ただでさえ苦戦していた新築マンション市場に止めを刺すのか……。
「過去19年間の「首都圏新築マンション市場動向」を可視化」より
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