タワーマンションの流産リスクなど、健康面でのリスクを、売主企業や販売担当者は絶対に教えてくれないという榊淳司氏の記事。
タワー型マンションに住む危険性 健康面でリスク? なぜか役所も沈黙
(略)実は、先進国の中でタワー型を盛んにつくっているのは日本だけだ。特にヨーロッパではほとんどの国が高層住宅を半ば禁止している。
例えば、イギリスでは1970年に「高層住宅に住むことは子供の健全な発育を阻害する」という調査が出て以来、ほとんどつくられていない。
日本でも10階以上に住む33歳以上の女性は1~2階に住む27歳以下の女性に比べると、流産の危険性は約12倍という調査結果が出ている。
(略)
確かに、タワー型の上層階に住むメリットはある。しかし、それを手放しでは喜ばない方がいい。健康面でのリスクを、売主企業や販売担当者は絶対に教えてくれない。日本の場合、なぜか役所も沈黙している。消費者は自衛するしかないのだ。
「ヨーロッパではほとんどの国が高層住宅を半ば禁止」は本当なのか?
また、マンションの上層階に住むと流産のリスクが高くなるというのも本当なのか?
- タワー型マンションに住む危険性 健康面でリスク? なぜか役所も沈黙
- The Shard(73階建て)
- St George Tower(49階建て)
- Saffron Tower(45階建て)
- Strata SE1(43階建て)
- Pan Peninsula (48階建て+39階建て)
- Albert Point(29階建て)
- Unex Tower(26階建て)
- 「高層マンションは流産リスクが高い」は本当か?
「イギリスでは1970年に・・・(高層住宅が)ほとんどつくられていない」という記述が気になったので、ロンドンの高層マンションの有無を調べてみたところ――
1980年代以降に建設された高さ90m以上の超高層マンションは、ザット調べただけでも8棟(建設中を含む)もあったぞ!
The Shard(73階建て)
(2013年竣工、53~65階が住戸)
通称ロンドン・ブリッジ・タワー。EUで最も高い建物。
2~28階がオフィス、31~33階がレストラン、34~52階がホテル、53~65階が住戸、68~72階が展望施設など。
File:London 01 2013 the Shard London Bridge 5205.JPG - Wikimedia Commons
St George Tower(49階建て)
(2014年竣工、総戸数約1,100戸)
英国で最も高いマンション。
File:St Georges Wharf Tower 2013-09-26.jpg - Wikimedia Commons
Saffron Tower(45階建て)
(2016年竣工、総戸数約800戸)
↓建設中の写真
File:Berkley Homes Saffron Square, April 2014.JPG - Wikimedia Commons
Strata SE1(43階建て)
(2010年竣工、総戸数408戸)
建物上部に設置されている3つの風力タービンが特徴。
File:Strata SE1 from Monument 2014.jpg - Wikimedia Commons
Pan Peninsula (48階建て+39階建て)
- East Tower:(48階建て、2008年竣工、総戸数356戸)
- West Tower:(39階建て、2008年竣工、総戸数430戸)
File:Pan Peninsula London.jpg - Wikimedia Commons
Albert Point(29階建て)
(2016年竣工、総戸数671戸)建設中・・・。
Unex Tower(26階建て)
(2015年竣工、総戸数260戸)
「ヨーロッパではほとんどの国が高層住宅を半ば禁止している」といった類の話はよく聞くが、少なくとも英国には当てはまらないことが確認できた。
「先進国の中でタワー型を盛んにつくっているのは日本だけ」というのは都市伝説!
「高層マンションは流産リスクが高い」は本当か?
あと、高層マンションは流産のリスクが高いといった趣旨の文章もネットでよく見かける。
情報ソースは逢坂文夫氏の調査結果を引用、あるいは孫引きしたものが多い。
でも、逢坂文夫氏と宝島編集部の共著「コワーい高層マンションの話」に掲載されているオリジナル・データをよく見てみると、とっても少ないサンプル数で結論を導き出していることに気づく。
詳しくは、「コワーい高層マンションの話」をご参照。