不動産経済研究所は4月16日、「3月の首都圏新築マンション市場動向」を発表。
- 発売は35.8%減の2,142戸、新型ウイルスの影響出始め大幅に減少。
- 平均価格6,156万円、m2単価97.3万円。戸当たりは3カ月ぶりの下落。
ただ、これだけではよく分からないので、同研究所が過去に発表した数値データも含め、いつものように、首都圏の新築マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
発売戸数・発売単価・販売在庫の推移(首都圏)
発売単価は、依然として高止まりしている(20年1月だけ急上昇したのは、高額物件の大量供給の影響による)。販売在庫数は増加傾向。発売戸数は上下動が激しいが、低水準を維持(次図)。
新型コロナウイルスの影響で大幅に悪化しているという状況ではない。
発売戸数の推移(1都3県)
23区に着目すると、3月の発売戸数1,074戸は、前年同月比で▲30.6%減(次図)。
リーマンショック(08年9月15日)が発生した翌年の3月(1,128戸)の水準を若干下回っている程度。コロナ禍の影響はまだ序の口なのではないか。
m2単価の推移(1都3県)
23区の発売単価は、依然として高止まりしている(20年1月だけ急上昇したのは、高額物件の大量供給の影響による)(次図)。
価格帯別の発売戸数割合の推移(23区)
23区の発売戸数の割合は、5千万円を境に完全に2極化している。5千万円以下の価格帯の供給割合は激減。(次図)。
億ションの発売戸数・率の推移(23区)
億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、18年9月の4.5%を底にやや増加傾向にある(20年1月だけ急上昇したのは、高額物件の大量供給の影響による)(次図)。
まとめ
マンション市場は失速中だが、新型コロナウイルスの影響で大幅に悪化しているという状況ではない。まだ序の口ではないか。
- 首都圏の発売単価は、依然として高止まりしている。販売在庫数は増加傾向。発売戸数は低水準を維持。
- 23区の発売単価は、依然として高止まりしている。
- 23区の発売戸数の割合は、5千万円を境に完全に2極化。5千万円以下の価格帯の供給割合は激減。
- 23区の億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、18年9月の4.5%を底にやや増加傾向。
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